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第87話 試し切りと言えば……

 翌朝――

 俺はトリニスティ島の一層にいた。

 早朝のこの時間、ここは俺だけの貸し切りだった。

 そんな俺を熱烈歓迎し、アイランドバニー師匠が数十人がかりで攻撃を仕掛けてくる。


 アイランドバニーの攻撃。蓮は攻撃をスウェイした。

 アイランドバニーの攻撃。蓮に1のダメージ。

 アイランドバニーの攻撃。蓮にダメージを与えられない。


 こんな感じのログが滝のように流れていく。

 まあ何と言うか数十体大量リンクさせて遊んでいたわけです。

 やっぱり、このゲームにおいて俺の故郷はここだ。

 対象を選ばない検証とか実験なら、やっぱりここに足が向いてしまうのだ。

 さて――


「とうっ! 喰らえ俺の通常攻撃を!」


 『仕込杖』を手に携えつつ、俺はアイランドバニー師匠に肩口から突進。

 格闘・当て身系で唯一の通常攻撃、単なるショルダーチャージだ!


 蓮の攻撃。アイランドバニーに153のダメージ!

 蓮はアイランドバニーを倒した。


 うむ。いいダメージ出るじゃないか!

 単発だがスウェイ無効で、これならHPも消費しないぞ!

 続いて『仕込杖』で別のを叩いてみる。


 蓮の攻撃。アイランドバニーに55のダメージ!

 蓮はアイランドバニーを倒した。


 ダメージが全然違う件について。やはりVIT(耐久)極振りが効いてるなー。

 スウェイ無効もついてるから、モーションが当たれば確実に当たるし。

 『仕込杖』を振る方はDEX(器用)が低すぎなので、ちょっと強い敵にはスカスカな上に威力もこの程度と。

 うむ、やはり通常攻撃の性能は劇的に上がったな! 当社比だけどな!

 よしじゃあ次はアーツを――AP(アーツポイント)は既に溜まっている。


「『ウィンドミル』!」


 で、距離を取った。

 一クラス分くらいのアイランドバニー師匠が、わらわら俺を追いかけてくる。

 その群れに向かって俺は走って突撃した。


「行くぜ必殺のおぉぉっ! 『爆炎タッーーーークル』!」


 姿勢を低くし、ラグビーのタックル的な猛チャージ。

 地面との摩擦熱が強烈過ぎる設定か何かなのか、俺の身体は炎に包まれていた。

 その状態で俺はアイランドバニー師匠の群れに突っ込み、次々と跳ね飛ばす!

 うむ――! ものの見事な殺人タックル!


 ボエェボエェボエェボエェボエェボエェボエェ!


 師匠たちが次々と、連続で悲鳴を上げ倒れて行く。

 横幅は広くないが、自分も移動しながらの前方範囲型のアーツなのだ。

 うーんいいね、中々爽快だった! いいなこれ。移動距離も稼げるし。

 しかしやはり格闘・当て身系のアーツは、AP(アーツポイント)に加えHPを消費する。

 アーツ発動により、俺のHPは最大値の10%減っていた。


「ふむぅ……となると、やっぱ気になるのはあれだなー」


 アーツ発動でHPが0になる場合は?

 そのまま問答無用で戦闘不能? それともHP1で生き残るのか?

 試さざるを得ませんな!


 ではノック開始――!


 はい、次でHPが0になるぞ! では――!


「『爆炎タックル』!」


 ブオオォォォーッ! と炎が巻き上がり、何体かのアイランドバニーが吹っ飛ぶ。

 そして、急激に俺の身体から力が抜けた。

 動けなくなりばったり倒れてしまう。


「おぅふ……! ははは……なるほどね、HP0になる場合は普通に死ぬと」


 これは重要なポイントだよな。メモメモ。

 残ってくれたら非常に嬉しかったんだが、これは仕方ない。仕様が正義だからな。

 さて死に戻りするかな……と思った時に、聞き慣れた声がした。


「ええええっ!? 蓮くんこんな所でなんで死んでるの? どうしたの!?」


 あきらだった。暇だから様子でも見に来たのかな。


「よーあきら……当て身アーツでHP0になったらどうなるかと思ってさ……」

「あー。HP1で生き残ったりしないかなー的な検証?」

「そうそう。まあ、ダメだったぜ……」

「はははは。でもあれだねー。これだけアイランドバニーにたかられて転がってると、アイランドバニーに負けたみたいな絵になってるね」

「うわ不名誉だなー」

「面白いからスクショ撮っちゃお♪」

「やめい! もう戻るぞ俺」

「あ、待って待ってー! あと10秒!」


 とまあ撮影に応じてから俺は死に戻りをし、学園の教室に戻った。

 あきらも追って戻って来る。


「うーん、もう一回行くにはちょっと時間が足りねえなあ」

「そうだね。もうすぐ授業だよ」

「んーもっと検証したかったが、仕方ねえまた明日にするか。放課後はクエストの続きだしな」


 そう、結局昨日はリエルリィズ姫は発見できなかった。

 カラナート教主国のいろんな場所で『天馬の目』による捜索を試みたんだが――

 結局用意した『天馬の目』10個を使い切り、タイムアップを迎えたのだ。

 だからまだ、ギルドハウスも占拠されたままだ。

 今日は追加で『天馬の目』10個を仕入れ、捜索続行の予定。


 昨日の段階で一応最後の10個目で反応があり、方角だけは分かっていた。

 移動されたりしなければ、そこから辿れば今日は見つけられるはずだ。

 きっと今日で、このクエストの決着が付けられる――

 その前にちょっとでも新能力について検証出来てよかったな。

 またイベントバトルがあったら、活かして見せるぜ!

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