第84話 襲撃イベント再び
「こいつらがここで襲ってくるって事は、俺達の方向性は合ってる! 切り抜けてこのまま先行こうぜ!」
俺の呼びかけに皆が頷く。
今回の敵は四人。こっちも二人増えたが、向こうも二人増えた。
獲物が前回は二人とも短剣だったのが、今回は格闘武器のナックル、剣&盾、槍、杖となっている。
恐らく全然違う戦い方をしてくるだろう。
そして、今回は戦う場所も狭い。この飛空艇の甲板では、マラソン戦術がやりにくい。
レベルは前回と同じ50の王冠付き軍団だ。
名前は今回はカッコよく『黒衣の暗殺者』になっていた。
こっちの構成は――
紋章術師、ソードダンサー、ソードダンサー、空賊、盗賊、学者だ。
盗賊以外全員ボンクラースとか、なかなかエキセントリックな構成だな。
これでどうやってこの格上の敵PTに勝つかな――
あきらや矢野さんが真正面からやり合うと、ガード削りがきつくてジリ貧になる。
レベル差がある上に向こうは王冠付きだしな
それは赤羽さんや片岡でも同じだろう。
ガチのタイマンは分が悪い。そして地形的にマラソンはむずい。
その中で一番ダメージを抑えつつ敵を維持できるのは――
「矢野さんすまん『パリィリング』貸してくれ。俺が杖持ち以外は足止めするぜ」
あれ元々矢野さんの持ち物だからな。
春の新人戦の間は借りていたが、終わったら返していたのだ。
「ほい、どーぞ!」
「サンキュー! 前田さん俺のフォロー頼む! あきらと赤羽さんと片岡で杖持ちを倒してくれ。矢野さんは前田さんの近くにいつつ杖持ち攻撃してくれ。もし前田さんにタゲ行ったら『ギルティースティール』でフォローよろしく!」
俺が三体引き付けて維持している間に、あきら達に一体一体倒してもらう作戦!
マラソンより危険度が高いが、やるしかない。
俺がやるのはVIT極振りと『狂信者の杖』で一番固いからだ。
ちゃんと『狂信者の杖』の替えを仕入れておいてよかったな。
「――向こうから来るみたいだよ!」
あきらの言う通り、敵は向こうからこちらに襲い掛かって来た。
これ以上話す時間がない。俺は『狂信者の杖』装備で皆の前に出る。
「前田さん『リベンジブラスト』頼む!」
「ええ――!」
「『ディストラサークル』!」
俺は自分の周りに『ディストラサークル』を展開して待ち受けた。
アウミシュール大古墳でやったのと同じ戦法だ。
真っ先に突っ込んで来たナックル持ちの左右の拳打を、俺はガードする。
黒衣の暗殺者の攻撃。蓮は攻撃をガードした!
黒衣の暗殺者に11の反撃ダメージ!
黒衣の暗殺者の攻撃。蓮は攻撃をガードした!
黒衣の暗殺者に11の反撃ダメージ!
よしガード削りは貰わない。
ガード削りでダメージを負ったり、ガードをミスってダメージを貰うと、前田さんが俺に回復を撃たざるを得なくなる。
そうなると、回復ヘイトのせいで敵は前田さんに行ってしまう。
そうなった時用に矢野さんが『ギルティスティール』待機しているが、そうなったらなったで今度は矢野さんがピンチに陥る。
俺にヘイト獲得系のスキルがあればそれでヘイトを稼げばいいが、そんな便利なものはない。盾役系のジョブじゃないしな。
今は『デッドエンド』撃ってる場合じゃないし、『リベンジブラスト』の反撃ダメージでわずかなヘイトを稼ぎながら、敵の攻撃を完封する勢いで捌かなければならない。
中々難易度が高いが、やるっきゃない!
一番難易度が高いのが、三体相手にする戦闘序盤のここだ。
格闘に続き、剣と槍の攻撃が来る。
黒衣の暗殺者の攻撃。蓮は攻撃をガードした!
黒衣の暗殺者に11の反撃ダメージ!
黒衣の暗殺者の攻撃。蓮は攻撃をガード。21のダメージ。
黒衣の暗殺者に11の反撃ダメージ!
「む……!」
マズい。『ディストラサークル』してるのにガード削りされたか……!
両手武器の槍だから、ガードブレイク性能が他より上なんだな。
しかしこれは――このままだと、前田さんが回復撃つ⇒タゲが行くになる流れだ。
槍持ちのヘイトを、俺がガッツリ稼いでおかなければ――
そんな俺の状況を横目に、あきら達は杖持ちに攻撃を仕掛けに行く。
「えぇいっ!」
スカイフォール一閃。衝撃波が杖持ちを撃つ。
そして俺に向かった黒衣の暗殺者達とすれ違うように、一人後方に残った杖持ちに突っ込んで行く。
杖持ちを挟み込むように、あきらと赤羽さんが立つ。
片手剣と両手剣による攻撃を加えると、命中率はそれなりにありそうだった。
7割くらいは攻撃が当たっているイメージ。
レベルは結構上だが、相手も杖持ちの後衛タイプで回避は低めのようだ。
矢野さんが離れて撃つ銃撃もはスウェイ無効なので、バシバシ当たっている。
やはり銃は格上向きだよな。
しかしそれ以上の活躍を見せたのがこいつだ――
「『スケープゴート』! 『シャドウウォーク』!」
ダメージボーナス付きのヘイト擦り付けスキルの『スケープゴート』。
これまたダメージボーナス付きの潜伏スキル『シャドウウォーク』。
これを重ね掛けして――
「『バックスタブ』!」
さらにこれまた、背面攻撃にダメージボーナスが付くアーツ!
短剣を逆手持ちし、拳を突き上げるように斬り上げジャンプのモーションだ。
真一のバックスタッブが発動! 黒衣の暗殺者に1007のダメージ!
おおおおおー! あいつダメージ出すな!
銭も投げずに四桁ダメージとかやってくれるぜ……!
で、そこに二人ソードダンサーもいるわけで――
「受け取りなさい――『剣の舞い』!」
『スケープゴート』と『シャドウウォーク』の再使用可能に。
暫く通常攻撃を重ねAPが溜まると、再び――
「『スケープゴート』!『シャドウウォーク』!『バックスタブ』!」
真一のバックスタッブが発動! 黒衣の暗殺者に1011のダメージ!
さらにあきらからも『剣の舞い』。
真一のバックスタッブが発動! 黒衣の暗殺者に1024のダメージ!
いいね! 二人ダンサーでスキルの回転数がえぐいことになっている。
これは俺さえキッチリしのげば、何とかなるぞ――!




