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第49話 組み合わせ抽選

「金策かあ……確かにギルドハウスの家具に大分使ったから、何かいい方法があればいいけど――あれをゲットできたらどうなるの?」

「あれで剣とか鎧とか、家具でもいいけど――ペイントして売るんだよ。俺がベースの商品を作って、ペイントのデザインは矢野さんにやってもらってさ。矢野さんのなら売り物になるだろ」

「ああ、優奈ちゃんの絵センスあるもんね」

「そう、単純な『ウッドテーブル』とか『アイアンソード』でもさ、デザインが変われば商品価値は出る。アイテム持ち込みでやってもいいし」

「そういう事やってるショップも見たことないしね。そういやなんでだろ?」

「なんでかっつーと、普通にペイントすると手間がかかりすぎるからだろうな。絵具とかで一々書くと、時間食い過ぎで他の事やってる暇なくなるし、その分人件費で料金も高くなるだろ」

「そっか。ペンタブレットの機能を持ってるなら、一回作ったデザインならコピペできるもんね。だったら大幅に生産効率アップってことだよね」

「そそ。それができるようになったら、利益が出せると思うんだよな。あれ新作のアイテムって言ってたろ? 供給がないからそういう商売がまだ流行ってないと見た。今なら先行者特権で暴利を貪れる……!」


 こういうのは断然先行者有利だ! やったもん勝ち!

 幸い俺達には、必要なデザインスキルを持ってる矢野さんがいる。

 商品クオリティも十分なものを用意できるだろう。

 これはやらない手はないと思う!


「いいね、勝算ありそうだし面白そう……!」

「よし。俺かあきらが絶対勝って、あのアイテムを持って帰るぞ……!」

「うん。頑張ろうね――!」


 組み合わせが重要だな、組み合わせが。


「よしそれでは、抽選を開始する。名前を呼ばれたものから、クジを引いてくれ」


 と、雪乃先輩が号令し抽選が開始された。

 出来れば俺とあきらが決勝まで当たらないのが望ましいな。

 張り出されたトーナメント表の出場枠は32だった。

 16ずつ左右に分かれたメンツが、勝ち上がって行った中央で最後1対1になる感じ。

 あきらと逆サイド希望。逆サイド希望っと。


 というわけで――


「よし、では早速開始だ! 表の左上の組み合わせから順に試合を行っていくから、自分の番になったら舞台に上がってくれ! 皆今日は楽しんで行ってくれ!」

「「「おおおおおー!」」」


 と盛り上がり、大会がスタートだ。

 俺は5番目の試合だから、ちょっと待ちだな。


「よしよし、あきらとは決勝まで当たらねーな!」

「うん。良かったね!」


 俺は左サイド、あきらは右サイドに別れたので決勝まで当たらない。

 途中での潰し合いは回避できたな。

 ちなみに雪乃先輩やさっきの赤羽さんが俺のサイドにいるから、途中で当たる可能性がある。片岡はあきらの方のサイドだな。


「蓮と私はベスト8で当たる組み合わせだな。ふふふ。これは楽しみだ」


 雪乃先輩がやって来て、ニヤリとしていた。


「蓮なら心配ないだろうが、私と当たるまで負けるなよ?」

「そりゃもちろん、そのつもりです!」

「それはどうかしらね」


 んん? 別サイドから誰かが割って入ってきた。


 山村ほむら(3-A)

 レベル191 魔道士(ウィザード) ギルドマスター(全覧博物館(グランミュージアム)


 山村……?

 雪乃先輩によく似た顔立ちだが、こちらは真っ赤な髪色のツインテールである。


「雪乃先輩。この人は――?」

「知らんな。私の脳内ディスプレイには何も映ってない」

「ふっ。脳筋過ぎてとうとう視覚神経までやられたのね。哀れなやつ!」

「あぁ!? 薄汚いアイテム厨ごときは視界に入らないように最適化したに過ぎん!」

「思いっきりこっち睨んでんじゃん! 見えてるでしょあんた!」


 何か盛大なディスり合いが始まったぞっと。


「あのー。ほむらさんって雪乃さんとは……」


 と、あきらがやんわりと間に入る。


「双子よ! 一緒にされたくはないけどね!」


 ああやっぱりな。似てるもんなふたりとも。

 色が青と赤で正反対だけど……


「ふん。ちなみに私のほうが姉だから私の方が偉い。覚えておけよ」

「たった数秒で何偉そうにしてんのよ脳筋!」

「うっさいハイエナ! アイテムの気配がしたらすぐ嗅ぎ付けて!」

「うちのミュージアムにはまだ『レイブラの魔筆』がないからね、ゲットするためなら脳筋どもの祭りにだって参加してやるわよ!」

「ミュージアム?」


 と、俺が尋ねるとほむら先輩の目がキラキラしだした。


「うちのギルドはね、アイテムコレクター集団なの。すべてのアイテムをコンプして、ミュージアムに展示するのが夢よ! だってせっかくゲームやるんだし、全アイテムのグラフィック見てみたいでしょ? コンプしたいじゃない!」

「へぇ~面白そうっすね」

「ちょっと見てみたいかも……」

「おお! 君ら二人とも話が分かるじゃん! じゃあ今度見においでよ、ほら場所ここだからね」


 と、地図入りのステッカーみたいなのをくれた。


「あ、どうも」

「こら! 蓮もあきらもどっちの味方だ! こいつらはアイテムのためならどんな事でもする腐れ外道どもだぞ!」

「雪乃! 何人聞き悪いこと言ってんのよ!」

「ただ遠距離からの集団魔法で敵を焼き、アイテムを回収するだけのつまらん奴等だからな! バトルシステムへの冒涜だ、何の面白味もない! 何が楽しくてゲームやってるんだ!」

「いーじゃんその方が楽にアイテム集まるんだから! あんたらはバトルのためだったらどんなアイテムだってホイホイ使っちゃう脳筋じゃん! 平気で0になるまでラストエ〇クサー使うようなバカでしょ! 常識的に考えて1個は保存用に残すでしょうが!」


 どうもポリシーが合わないみたいだな、この二人。

 まあ、どっちもゲーム好きなんだなあというのは分かる。

 で、拘りが強いのは二人とも一緒と来た。

 だからなのか、罵り合っているけどもそんなに仲が悪いという感じもしない。

 仲がいいほど――ってやつなのか? まあ双子だしな。


「ふん、もういい! 蓮、お前こいつに絶対負けるなよ。私とバトルしような!」

「あ、俺一回勝ったら次ほむら先輩と当たるんですね」

「そう。悪いけどあたしが勝つからね!」

「バーカ。ロクに対人もやりこんでいないお前が蓮に勝てるか」

「て言ってもこの子まだレベル30だし、紋章術師じゃん! アイテムもタレントもこっちの方が揃ってるし!」

「まあ、俺も負けられないんでガチでやらせてもらいますよ」

「ええ。恨みっこなしでね!」


 さて、そろそろ俺の出番も近づいてきた!

 ほむら先輩の前に一回戦でやられたらシャレにならん。

 きっちり装備とかタレントの設定とかを見直しておくか――

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