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第36話 大古墳への再挑戦

 さぁ大古墳の鍵扉奥に到着。

 ここからワンミス全滅コースだぞ。

 ここに来るまでにバトルの流れの打ち合わせはできている。後は実践あるのみ。

 最初の小部屋、この間俺達が全滅した地点に。

 やっぱりデッドリー・ジェネラルが一体鎮座している。

 これ相手にHPが生命感知に引っかかる域まで減ると、壁からマミー軍団がわらわら出てきて全滅することになる。とにかくHPを高く保つのが先に進む絶対条件だ。


「じゃあ行くぜ前田さん。準備いいか?」

「ええ!」


 俺と前田さんで、デッドリー・ジェネラルの感知範囲外から合体魔法を放つ。

 当然これはヒット。一気に7割のHPを持っていく。

 攻撃を受けた敵は当然俺達に突進してくる。


「はいヘイト貰いっ!」


 敵の攻撃が飛んでくる前に、矢野さんが前田さんに『ギルティスティール』。

 これで俺と矢野さんが敵のヘイトを半々で持ち合うことになる。

 ちなみに矢野さんはもう銃を背負って盾持ち。ガード特化スタイルだ。

 敵の一発目の攻撃は矢野さんに向かった。

 突進からの斧の振り下ろしを、矢野さんはがっちりガードする。

 ガード削りはされるけど、HP一割くらい減っただけ。生命感知には遠い。


「ふぅ~ミスれんと思うと緊張するし」


 矢野さんが敵の攻撃をガードすると、今度はターゲットが俺に。

 ヘイト半々だから、前田さんと検証してた時みたいなピンポン現象が起きる。

 ここで俺の杖が、前の『アイアンスタッフ』のままならやばいことになる。

 ガード性能が低いから、ガードしたとしても被ダメがでかい。

 だけどこの新兵器『狂信者の杖』なら――

 俺はデッドリー・ジェネラルの戦斧の薙ぎ払い攻撃を見切ってガード。


 デッドリー・ジェネラルの攻撃。蓮は攻撃をガードした!


 おおノーダメ来た! ステ振りVIT(耐久)特化と突き抜けたガード性能のおかげだな!

 続く体ごと回転する振り回し、再度薙ぎ払い、巨体を生かした体当たり。とガードしていってもノーダメでやり過ごせた。

 とはいえ専守防衛だから、ここからのダメージは別の人に取って貰わないと。

 もちろんそこも打ち合わせ済み。


「あきら頼む!」

「うん!」


 あきらは『スカイフォール』を床に突き立て、その周りでステップを踏み始める。

 可愛らしい振り付けでくるんと回転すると、大きな胸も合わせて揺れている。

 何というか、健康的なお色気を振りまいてるなー。

 まあこれはこういう動きなので仕方ない。はい決めポーズ。かわいい。

 からの――


「奥義! 『セイントクレセント』!」


 『スカイフォール』を抜き、横薙ぎ一閃。

 剣の軌道が三日月に派生し、デッドリー・ジェネラルに当たる。

 すると、回復を受けたときのエフェクトが。

 アンデッドなのでそれがダメージになる。


 あきらのセイントクレセントが発動。デッドリー・ジェネラルに539のダメージ!


 これは、ソードダンサーの範囲回復効果の『ヒールステッププラス』と片手剣アーツの『クレセントスラッシュ』をタレントで合成した奥義だ。


 効果としては範囲回復。『ヒールステッププラス』の回復力がアーツの攻撃力分上乗せされた感じになるが、特性としては魔法に近いから大幅にレベルが上の相手にも普通にヒットする。


 何より通常の回復ダンスって味方にしか掛けられないけど、この奥義化すると敵味方関係なく当たるのがポイント。アンデッドに撃ってダメージソースになってくれる。


「ああんちょっと余った!」


 あきらが奥義を食らわせても、デッドリー・ジェネラルはまだ倒れない。

 あとちょっとなんだけどな。惜しいな。


「じゃあもう一発――!」


 『セイントクレセント』の消費AP(アーツポイント)は180。あきらの最大AP(アーツポイント)は450。

 戦闘に入る前に満タン待機してるから、連射できるといえばできる。


「待って私が!」


 開幕合体魔法を打った後、ヒーリングを続けていた前田さんが動く。


 琴美のエクス・ヒールが発動。デッドリー・ジェネラルに246のダメージ!


 これでデッドリー・ジェネラルのHPは0。呻き声をあげて倒れて消えていく。


「よーし! 行ける!」


 作戦練り直したかいがあった。

 クラス対抗ミッションのご褒美がいろいろ役に立ってるな。

 使えるものはなんでもフル活用していかないとな!


「やったぁ!」

「高代くんの計算通りね」

「っしゃー! ギルド作って一人部屋一人部屋!」

「ジャイアントキリングジャイアントキリング!」

「私の守護竜私の守護竜!」

「マイ浮島から見える絶景絶景!」


 調子に乗った俺達の心の中の叫びだ。欲丸出しだなー。

 さあ次行くぞ! 俺達は慎重にヒーリングして回復し先に進む。


「しっかしさぁ。人が必死にガードしてる時に、あの長いぶりっ子ダンス踊られるとちょいイラっとするよね? ねえ、ことみー」

「え? ど、どうかしらね……」

「がーん! し、しょうがないじゃん、わたしだって恥ずかしいんだよ……!」

「まあまあ。確かにちょっと目の毒な感じはするけど、可愛いし俺は大歓迎だぞ」

「……ええ優奈、イラつくわね」

「! 前田さんまで……そういうモーションなんだよ、変えれないし……」

「もちあっきーが悪いわけじゃなくてさあ。なんつーかソードダンサーの装備とかモーション設計した奴がさ、あざとすぎてキモいよねって話」

「それはやっててすっごい思うー! とにかく一々動きとか装備が恥ずかしいんだよね」

「何かこう、男目線で見たいもの無理やりやらされてる感? あるよね」

「……ある意味セクハラよね」


 うーんさすが、女子がやりたくないジョブナンバーワンだな。不評だ。


「まあほら、性能はいいわけだしな。一応男でもできるわけだし――」


 と俺がフォローしながら進んでいくと、また小部屋が。

 小部屋から小部屋が通路で繋がっている構造のようだ。

 今度はデッドリー・ジェネラルが二体か――


「同じ手で行こうぜ」


 合体魔法もあきらの奥義も範囲攻撃だ。二体巻き込めば行けるはず。

 俺の予想は当たった。この部屋も生命感知に引っかかる事なくクリアできた。

 それから何個か連続でクリアしていったが、大体一部屋の敵は一、二体。

 手慣れて来たのでさくさく進む。

 敵とのレベル差があるから経験値も美味しい。

 俺28、あきら28、前田さん29、矢野さん31に上がった。

 順調順調。このまま行けるとこまで行くぞ――!

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