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第252話 うちの母さんも例外ではない

 俺は水上コテージでの宿題が解散した後も、リアル側の家で宿題を続けていた。

 明日はあきらの家に集まって宿題をすることになったが、出来ればそこで終えられるように、今のうちにやっておく!


「うおおおおおおお! 急げ急げ急げ――!」


 とバリバリ宿題を進めていると――

 部屋の扉が開いて、ちょっと引き気味の顔の母さんがいた!


「蓮ちゃん、よくそんなに叫びながら宿題ができるわねえ――逆に凄いわ」

「いや、何か自然と――で、何?」

「晩御飯よぉ~いらっしゃい」

「分かった! よっしゃちょっと休憩して――」


 で、手を止めて晩飯を頂きつつ――ちなみに今日はエビフライ。うまいです。

 おお、そう言えば明日の事言っておかないとだ。


「あ、そういや母さん。明日俺出かけるから。朝から友達の家に行ってくる」

「あらそうなのぉ? どちらのお宅?」

「あきらの家!」

「わぁ! それって蓮ちゃんと前からゲームで遊んでたって言う子よね? 保護者参観の時に見たけど、凄い可愛かったわぁ。まぁ蓮ちゃんのお友達ってみんな可愛かったけど」

「ん……まぁそうだなあ」


 うちのギルドが美少女揃いなのは事実だ。そこは認める。

 ネトゲの中の人問題とか考えたら、まぁ奇跡的な低確率だろうなあ。


「お家に行くってことは、デート!? ひょっとして、付き合ってたり!?」


 世の中のお母さんってみんなこういう話題好きなイメージがあったが、うちの母さんも例外ではないらしい。目がキラキラしてる!


「いやいやみんなで宿題するんだよ! それに明日リアルで初めて会うしな!」

「そう。でもそれはいいわねぇ。現実の女の子とも仲良くしないとね、蓮ちゃんは」

「ゲームでいつも会ってるけどさ?」

「実際会ってこそ分かる良さってあるものよぉ。きっとね」

「会ってこそ――か……」


 うーんでも、あれだがなぁ。楽しみは楽しみなんだが――

 見た目はゲーム内がリアルのものをスキャンしてるから一緒だしなあ。

 あぁ、ゲームのあきらは髪の色がピンク系だが、そこは変わってるよな。

 リアルでも髪色がピンクだったらビビるな。

 後は触った柔らかさとか暖かみみたいなのはゲームにもあるからなあ。

 あのゲームはその辺が無駄にリアルだからな。

 ああでも、人の匂いまではしないから、そこは違うのかもなあ。

 前に片岡がパーティーにHimechanが一杯で、いい匂いだなぁとか幻覚を見ていたが、人の匂いはしないんです!

 リアルあきらはきっとすげーいい匂いだろう、そこは素直に楽しみにしておこう!


「蓮ちゃんにも彼女ができたらお母さん安心できるし、嬉しいんだけどなぁ~。あの学校の女の子なら、蓮ちゃんと趣味も合うしいいと思うんだけど」

「いやいやそう言われましても――」

「ほらあきらちゃん可愛いし、前から蓮ちゃんと仲良くしてくれてたみたいだし、ぴったりだと思うんだけど……ねえ?」

「向こうの都合ってモンもあるだろうしなー」

「あら? 蓮ちゃん的にはどうなの?」

「うーん……よく分からん!」


 そりゃまああきらは可愛いし、自分でも俺達仲いいと思うし――

 お互いにマイベストフレンドだからな!

 ずっと一緒にゲームで組んでやってられたらとは思うが――

 それと付き合うだの付き合わないだのって話は……繋がりがよく分かりませんな!


「ま、とりあえず飯食ってまた宿題するぜ!」

「そうねえ、宿題がんばるのは大事ね。ご飯のお代わりは?」

「ちょーだい!」

「はいはい、ちょっと待っててね~」


 で、飯を食い終わって俺が部屋に戻ると――

 学校のシステムを使ったメッセージが届いていた。

 差出人はシズクさんだった。

 シズクさんは見た目は若い女の人だが中身はあきらのお爺ちゃんだからな――

 リアルお爺ちゃんはどんな感じなんだ? すげーいかつかったりするのかな?

 それはそうと、中身を確認――


「ん? 話があるので至急ゲームにログインして欲しい……か。場所は浮遊都市ティルーナの、ギルドショップ街そばの臨空公園――?」


 あれ、異世界サーマルじゃなくてもアクセスできるのかシズクさんは?

 無理だったんじゃなかったっけ?

 いやでもそこはVIPパワーか。仲田先生のシズクさんへの態度を見ていると、その位のことはハイハイ言ってOKしそうだ。

 まぁとにかく、呼ばれてるし行って見ますか!

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