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第245話 竜王双牙

 さぁやってきました、問題のB80F!

 周りは前と変わらず、四角い部屋の中に大量の植物が生い茂ったような状況。


 ピンポーン。

 ゲート解放条件、ボスモンスターを倒せ!


「よっしゃ帰ってきた! 思えば長くつらい道のりだったぜ……」


 ズズズズズズ――


 足元が振動し始め、フロアの中央に巨大な植物がそり立つ。

 真っ黒い色の花をつけた、巨大なバラの怪物である。

 今日も元気そうだなぁ、あいつ!


 ハーデスローズ レベル120 王冠アイコン(レアモンスター)


 前と比べれば、こっちの状況は悪い。最悪と言っていいだろう。

 残り時間は1分切ってるし、六人パーティのうち四人が戦闘不能だ。

 俺とあきらがゲート転移すると、倒れていた他の面子も一緒に転移してきたようで、俺とあきらの近くにぱったり倒れていた。


「みんな! 後は任せろ! 途中割と役立たずだったのをここで取り返す!」


 なかなか苦労させられたが、それもこれで終わりだ!

 振り返れば面白い試行錯誤だったな!


「残り一分無いわ……! 行けるの!?」

「急ぐですし――! ここまでお荷物だったしいいとこ見せるですし……!」

「お願いしますわ! あなたが言うからには計算が立っての事でしょう……!」

「見せてもらおうか……! 楽しみにしているよ」


 倒れたままの皆の声援を受けつつ、俺は『隼のダマスカスソード』と『ダマスカスステッキ』で『仕込杖』を作成した。

 さぁ出来たぞ俺のリーサルウェポンが! 出来た瞬間ぶっ壊れる運命だが!

 同時に俺達の存在を検知したハーデスローズも動き出す。


 ハーデスローズは種子を飛ばした!

 ブラックローズが生み出された!

 ブラックローズが生み出された!

 ブラックローズが生み出された!

 ブラックローズが生み出された!

 ブラックローズが生み出された!

 ブラックローズが生み出された!


 こいつは放っておけば、こうやってどんどん雑魚を生み出して増やす。

 ダメージを与えてもカウンターで種子を飛ばして雑魚を増やす。

 そして、雑魚が与えたダメージの分だけ本体が回復するのだ。


「蓮くん! あの雑魚はわたしがタゲ取るよ!」

「いや、いい! すぐ終わる! 『ファイナルストライク』!」

「蓮くん、大丈夫なの!?」

「ああ、一撃で決まるからな!」


 と言うより、一撃で決まらないと時間的に終了だろう。

 幸い、俺が考えていたこいつの攻略法は、諸々の面倒くさい要素を排除して、最初から一撃で倒してしまう事だ。

 その方がロマン砲がロマン砲らしく輝いているからな!

 相手のHPは約3万。

 俺の奥義の威力は、大体一撃五千ちょいのダメージだった。

 そこに闇サークルによるHPブースト二倍でダメージ二倍!

 これでダメージの期待値は一万!

 更に武器を『隼のダマスカスソード』を使った『仕込杖』にすることで、また二倍!

 これでダメージの期待値は二万!

 だがここまでで、これ以上のダメージを上積みする要素が見つからず、俺はあきら達に『超級転移石』を使った攻略を提案して実行してもらったのだが――

 その間にココールの実家で、更なる強化を図ることに成功した!

 マミール師匠に教えてもらった『鉄山靠(仮)』だ。

 こいつは元々の威力が高い上、(仮)の間だけ使用後残りHP1というペナルティを持っている。

 そのペナルティは、わざとHPを減らすことで奥義の威力を跳ね上げるこのロマン砲にはペナルティにならない。むしろご褒美です!

 こいつでHPを減らせるなら、『ターンオーバー』を奥義に組み込む必要もなく、代わりにこの『鉄山靠(仮)』を入れられる。

 その事により、奥義を構成する3つの要素を全てダメージを取れるもので構成できる。

 (仮)が取れるまでの期間限定である事が本当に惜しいが――

 今から放つこの最新かつ最強の奥義!

 『爆炎タックル』『鉄山靠(仮)』『抜刀ツバメ返し』の組み合わせ!

 ダメージの期待値が3万を超えるのは検証済みだ!

 俺は腰を落とし、仕込杖の柄に手をかけ、抜き放つ予備動作の奥義の構え!


「行くぞ! 終わったらすぐゲートに飛び込んで次行ってセーブな!」

「うん!」

「よっしゃ! 奥義――!」


 俺の体が炎に包まれ、ハーデスローズに向かって突進!

 突進時の構えが、単なるタックルではなく鉄山靠の背面で当て身をする姿勢に。

 身を包む炎の形は朱雀ではなく、巨大な竜の顔の形だ。


 ドゴォドゴォドゴォドゴォドゴォドゴォ!


 喰らったブラックローズ達が、ぶっ飛ばされて壁に叩きつけられていた。

 かなり強いノックバック効果があるって事だな。

 マミール師匠もでっかくなったリューの巨体をぶっ飛ばしていたし。

 そしてそのまま、炎の巨大ドラゴンヘッドに包まれた俺の体は、弾丸のようにハーデスローズ本体に突き刺さる!


 ドゴオォォォン!


 一際大きな音が響き、ハーデスローズの体がぐわんとしなる。

 流石にこの巨体はノックバックはしないか。

 だが俺の奥義のこれは前半!

 そこから更に――俺の『仕込杖』が抜き放たれる!


「竜王双牙ーーーーっっっっっ!」


 紅蓮を纏った、Vの字斬りが炸裂!


 ギュエエエエエエエエエエエエエエエ!


 蓮の竜王双牙が発動! ブラックローズに33457のダメージ!

 蓮の竜王双牙が発動! ブラックローズに33457のダメージ!

 蓮の竜王双牙が発動! ブラックローズに33457のダメージ!

 蓮の竜王双牙が発動! ブラックローズに33457のダメージ!

 蓮の竜王双牙が発動! ブラックローズに33457のダメージ!

 蓮の竜王双牙が発動! ブラックローズに33457のダメージ!

 蓮の竜王双牙が発動! ハーデスローズに33457のダメージ!

 蓮はブラックローズを倒した。

 蓮はブラックローズを倒した。

 蓮はブラックローズを倒した。

 蓮はブラックローズを倒した。

 蓮はブラックローズを倒した。

 蓮はブラックローズを倒した。

 蓮はハーデスローズを倒した。


 よし――キターーーーーーーーーーーー!

 狙い通りですなぁ!

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