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第242話 全滅祭り! からの~

「しかし成績が落ちるとか、この学校なのに何で――?」


 と俺は思った事を口にする。

 学校での成績がゲーム内報酬として還元されるのにやらない手はないんだがなー。

 俺は元より、あの勉強は最も縁遠い人種と思われるギャルの矢野さんまで成績上がってるのにな。


「……って事は、このゲームじゃない部分で成績が下がる要因があったって事だよ。希美さん、それって前に言ってた……」

「ああああちょっと! ここでそれ以上は言わないで下さいませ! まぁ、人生と言うのは楽しい事が多くて困りますわね――」

「――だからって成績落ちるのは良くないと思いますけど……」

「あ、あなたもそうなれば、わたくしの気持ちが分かりますわ! 仕方がないんです! 病のようなものです!」

「ん? 何だ? 俺が知らんうちに何か新作の面白いゲームでも出たのか?」


 で、赤羽さんはそっちに浮気をしていると? まあそういう事もあるわな。


「「…………」」


 え? 何で俺二人からジト目で見つめられるんですか!?


「とにかく希美さん! 成績下がったって言っても一時的なものだし、元々は出来るんだから、しっかり!」

「ええお任せくださいな!」


 で、次の問題の国語! 赤羽さんは落ち着きを取り戻して冷静にクリア!

 ようやく次の層に行けるな! この層はちょっとヤバかった!


 ――B75F。


 ピンポーン。敵モンスタ―を全滅させろ!


「ん――! よっしゃ乗り込め―!」

「クイズと違ってアタマ使わないから楽ですし!」

「二人とも急に元気になったねえ……」

「ほんとね……」


 ピンポーン。クリア条件達成! ゲートが解放された!


 ――B76F。


 ピンポーン。敵モンスタ―を全滅させろ!


「連続か! 考えなくていいのはいいけど、時間は結構食うんだよなこれ!」

「文句言うより手を動かすですし! 敵集めてきまー!」

「頑張って優奈ちゃん!」

「出来るだけ早くね!」


 ピンポーン。クリア条件達成! ゲートが解放された!


 ――B77F。


 ピンポーン。敵モンスタ―を全滅させろ!


「おいちょっと全滅指令が多くね!? 時間が――!」

「急ぐですし!」

「うん急ごう!」

「ちょっと時間が気になるわね――!」


 ピンポーン。クリア条件達成! ゲートが解放された!


 ――B78F。


 ピンポーン。敵モンスタ―を全滅させろ!


「ああああああああこの野郎! 馬鹿にしてんのか!?」

「ついてませんし! 誰かが入って運気が落ちたかもですし!」

「まあ、蓮くんってアイテム運とかランダム運は決して良くはないんだよね――」

「急いで! もう残り10分を切りそうよ!」


 ピンポーン。クリア条件達成! ゲートが解放された!


 ――B79F。


 あと一つ越えればハーデスローズに会える!

 時間は無いが、まだ間に合うはず……! とにかく急がないと!

 簡単なの来い! 簡単なの!

 巨大化モンスターを倒せで、さっきみたいにアイランドバニー巨大化でお願いします!


 祈るような気持ちで、ワープアウトした瞬間――


 うじゅじゅじゅじゅじゅじゅ!

 グルグルグルグルグルグルグルグル!

 ケケケケケケケケケケケケケケケケケ!


 大量のモンスターが蠢く音が――!

 正方形のでかい広場の中が、まるでモンスター達の満員電車状態!

 こんなに集まって、今日は何かお祭りでもあるんですか!?

 ああそうか、俺達をボコボコにするっていうモンスター達のお祭りなんだなこれは!


「あああああああああああ! こんな時にやりやがったなあぁぁぁぁぁ!」


 このダンジョンの中の人めえぇぇぇぇっ!

 いや勿論そんな奴はいなくてプログラムの悪戯だと分かっちゃいるんだが、恣意的な何かを疑わざるを得ないのである。


 ピンポーン。モンスターハウスだ!

 どうやらこの階層にはモンスターが大発生しているようだ!


 だから一拍遅いんだよ! 既にもうみんながボコボコに殴られ始めている!


 こんなことはめったに起きない。なんて運が悪いんだろう!

 ゲートは既に開いている!

 とにかく早く次の階層へのゲートを探して逃げ込もう!


 はいはい分かりました分かりました!


「くっ――亀甲ガード!」


 取り合えず、ガード用のアーツを即発動するしかなかった。

 敵がボコボコに俺を殴って来るが、ノーダメあるいは一桁ダメ連発。

 これが続いているうちは、何とか……!

 しかしこれはカチカチにはなるが動けない。

 今のうちに、なんとか打開策を! ここは諦めてやられるのを待つわけには行かない!

 と俺が思う側から――


 琴美は181のダメージを受けた。

 琴美は225のダメージを受けた。

 琴美は202のダメージを受けた。

 琴美は234のダメージを受けた。

 琴美は262のダメージを受けた。

 琴美は249のダメージを受けた。

 琴美は255のダメージを受けた。

 琴美は278のダメージを受けた。

 琴美は263のダメージを受けた。

 琴美は力尽きた……


「だ、駄目っ……! どうしようも――」


 一番防御力は低い前田さんが真っ先に落ちる。


「聞いてませんわ、こんなの――!」


 希美は力尽きた……


 ああああ赤羽さんも!

 それから一拍置いて――


「やっぱ運悪いですし……!」

「酷い話だ――!」


 優奈は力尽きた……

 シズクは力尽きた……


 盾を持ってる矢野さんと、ジョブが格闘家で素でタフなシズクさんも同時落ち。

 流石に盾持ってても後ろから殴られたらどうしようもない――!


 あきらのヒールステップが発動。蓮のHPが250回復した。


 そんな中で目に飛び込んで来るこのログは――あきらは無事なのか!?

 赤羽さんと同じくらいの硬さだから、見落としてるだけで沈んでても可笑しくなかったのだが――

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