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第241話 チャレンジ失敗

 あああああぁぁ! 再び不正解の罰ゲームが……!


 デン! あなた!


 スポットライトが当たったのは――俺である。


「むっ……!? 俺か――!?」

「自己責任ですし! 外した奴が罪を償うですし!」


 すっかり気の大きくなった矢野さんが、俺にヤジを飛ばしてくる。

 おのれ自分は正解したからって……!

 まあとりあえず、罰ゲームは何だ!?

 メタルコーティングはちょっと怖いな、変に必要な装備の性能を変えられると――


 スキル封印! ダンジョンから出るまで一部スキルが使用不可能になります!


「!? 何ィ!? やべえぇぇぇぇ!」


 うわまずいこれ! 『ファイナルストライク』とか『抜刀術』とかがいかれたらヤバイ! それだけで詰むんだが……!?

 頼む『ファイナルストライク』とかは避けてくれ……!

 くっそ、親としてリューに英語も大丈夫って姿勢を見せたかっただけなのに――!

 ダメだ英語はもう答えられない、危険過ぎる! 次はあきら達に任せよう!


 蓮のグローアップが使用不可能になりました!


「お……!? おおお助かった――!?」


 ほっと胸を撫で下ろす。

 これならどうせ使う気も無かった――って言うかダメじゃねーか!


「あーっ! 蓮くんやっぱりグローアップ使えるようになってたじゃん! 何で隠してるの!? 後で見せてよね~!」


 そう、俺が覚えてるのバレたじゃねーかちくしょう! ゲームの攻略には関係ないが、人間関係の攻略の難易度は上がったぞ!

 あきら達に成長したリューを見られてしまう……!


「リューちゃん、大きくなれるようになったのね!? 楽しみにしてるわ!」


 ああああ前田さんも期待に目をキラキラさせ始めた。


「きゅ~! 後で大きくなりゅりゅ~!」


 機嫌良さそうにしているがコイツめ――!

 ああああああ、こんな純粋に子竜の成長を楽しみにしてる美少女達に、ファッキンドラゴンを突きつけねばならない事実!

 何てこった――気が重い! 気が重いぞ!

 だがしかし、恐怖のクイズはさらに続く!


 続いて問題――


「蓮くん、分らない問題は無理しないでわたし達に任せてくれていいからね?」

「ああ分ってる、今のは悪かった……!」


 まあ一旦英語出たし、暫くは出ないだろう。

 次出る前に全員正解で終わらせたい――!


 第四問――ジャンルは音楽!


 うん全然自身無いし、ここは大人しくしとこう。

 マジでこれ、下手に動いた方がヤバいからな。

 現時点では、分からない問題は答えないでいい。

 まだ前田さんもあきらも残っていのだから、分らない問題は何とかしてくれるはずだ!


 俺のステイ作戦は成功し、四、五、六問目と連続正解!

 前田さん、シズクさん、あきらと実にスムーズな解答っぷりだった。

 残るは俺と赤羽さんである。


 第七問――ジャンルは数学!


「ん――!」


 よっしゃ来た! チャンス問題! ここで正解するぞ!


「頑張って蓮くん! 答えられるよ!」

「オッケー! やってやるぜ!」

「のぞみ~るも頑張れですし!」

「え、ええ――分かっていますわ!」


 変な呼び方されても怒る余裕がないのか、別にそう呼ばれてもいいと思っているのか――

 まあ何にせよ、赤羽さんもちょっと苦戦してる感。

 元々はあきらのライバルキャラ的な感じじゃなかったか?

 ライバルキャラなら成績も同じ位なんだろうと思ってたが――違うのか?

 ともあれ問題だ!


 あるサラリーマンが、車を運転して家から隣町までの距離を往復しました。

 行きは時速40キロ。帰りは時速60キロ。

 では、サラリーマンの車の平均時速は?


「はいはいはいはいっ!」


 俺は速攻で挙手して声を上げる! この問題、貰った!


「答えは――時速48キロ!」

「えぇぇっ!? 違いますし、ごじゅ――」


 ピンポーン! 正解です!


 野次馬が何か言ってたが俺が正解です、本当にありがとうございました!


「え……!? 正解ですし? 良かったけど良くないですし、何で? ことみー」

「60キロで走る方が、走っている時間は短くなるでしょ? 平均時速は走っていた時間で割るから、時間が短い分、足して2で割るようにはならないのよ」

「なるほど分からんですし……!」


 まあ、前田さんの解説の通りである。出来れば俺がドヤ顔で解説してやりたかった気もするが!

 とにかく、あと一問!


「赤羽さん、ラスト頼むぜ! 決めてくれよ!」

「わ、分かっていますわ……! 心配はいりませんわ!」

「希美さん、大丈夫ですか? 体調でも悪いの?」

「い、いえ……! そうではありません、ここの所少々成績が落ちていますので、不安になってしまっただけですわ――お兄様にも注意をされてしまいましたので……」


 ふーむ……? あのお兄様に成績の事とか言われても、まずはお前のその格好を何とかしてから言えとしか思えんがな――?

 あんなお兄様でもちゃんと尊敬してるっぽい赤羽さんは、いい妹なんだなー。

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