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第240話 性格改善チャレンジ

「ほ、ほんとだね――何とも……」


 というあきらの前に、ポンとシステムウィンドウが。

 そこに記されている内容は――


 ライブシルクドレスがメタルコーティングされた!

 以下の性能になりました。


 鉛色のライブシルクドレス

 種類:鎧 装備可能レベル:65 防御力:66(×3)

 装備可能ジョブ:ソードダンサー

 特殊性能:装備時移動不可


「わ! なんかアイコンもメタルっぽくなってる!」


 ライブシルクドレスはあきらが普段装備しているソードダンサー衣装である。

 まぁレベルなりの装備で、いつもの通りデザインは可愛いが露出度が高い。

 『エンジェルチャーム』のようにガード無効などの特別なプロパティはないので、レベルが上がったらより防御力の高いやつに置き換えられていく運命の位置づけのものだ。

 それが、ウィンドウに表示される装備のアイコンからして、メタリックな感じに変化していたのだ。

 なるほど防御力は三倍増するが、装備すると移動できなくなると――

 これが罰ゲームのメタルコーティングって事なんだな。


「ほほー……これは使いようによっては――」


 まぁこの効果自体は、いい面も悪い面もありそうだ。

 さすがアイテム運などのリアルラックがカンストしているラッキーガールのあきらさんなので、罰ゲームを喰らってもそこまで酷いのに当たらないのだ。

 元々のライブシルクドレス自体、ショップで買える系の量産品だし、一つくらいこういう尖った性能にチェンジしても構わないだろう。

 これが『エンジェルチャーム』とかだったらまずいもんな……

 まあレアものは避けてくれるのかも知れないが。

 普通なら今装備してる浴衣が喰らいそうなものだが、レアだから避けてカバンの中のライブシルクドレスが変化した的な判定の可能性もある。

 ともあれもしあれを俺が喰らって、せっかくラスト1枠の権利を使って貰って来た『ハヤブサの極光石』を使った『隼のダマスカスソード』が使用不能とかにならなくて良かったな――危ない危ない。


「まぁそんなに悪くない……かな? 次の問題がんばりましょう! ね、希美さん!」

「え、ええ――二度とあんな失態は犯しませんわよ!」


 って言うか、次数学来るのはいつだろう?

 俺のチャンスがスキップされてしまったわけで!


 第三問! ジャンルは英語!


 はい出たー! 不得意科目! 興味が無いんだよ興味が!

 英語なんてゲーム用語が分かればいいのだ!


「頼んだ! あきら、前田さん!」

「あはは……速攻で考えるのを止めたね蓮くん」

「ま、まあ仕方ないわよ。ここは任せて」

「きゅ~りゅ~もがんばるる~! えいごとくい~!」


 リューがくるくる飛び回りながら、声を上げていた。


「わ! リューくん偉いねえ! 蓮くんの分まで頑張ってあげるんだね!」

「そうね、偉いわ! お利口さんね?」


 あきらと前田さんが、笑顔でリューに声をかける。


「ふむ……主の趣向を読み取っているという事なんだな。よく出来ているな」


 と、シズクさんも感心した様子だ。

 ――はっ!? マズイ! そう英語! 俺が英語苦手だからって事で、大きくなったあいつはあんなおかしな事になってたっぽいからな……!

 俺が英語の苦手を克服したと伝わらないと、性格改善が進まないではないか!


「前言撤回! 俺が頑張るぜ、リュー見てろよ!」

「きゅ~? うん、がんばって~! おーえんするる~!」


 うむ、これでいい! これでいいんだが――

 問題はこれを俺が正解できるかどうかだ!


 次の英語を日本語に約しなさい。

 When in Rome, do as the Romans do.


 ええと……?

 フェンインルーム、ドゥアズザロマンスドゥ?

 インルーム? 部屋の中か?

 ロマンス? ロマン? ロマン砲の事か!?

 部屋の中でロマン? 何? データ検証でもしてんのか?

 地道なデータと計算の上にロマン砲は成り立つからな!

 つまり、地道にデータを積み上げてロマンを追えってことだから……?

 ん~何だそれっぽいのは? 多分格言っぽい何かだよな?

 調べるのが重要、検証データを積み上げた上にロマンが……

 ――おおそれっぽいのあるぞ!


「はいはいはいはいっ!」

「蓮くん、大丈夫!?」

「オーケー任せろ! 俺は英語を克服してやるぜ、見てろリュー!」

「きゅ~! れんがんばれ~」

「答えは――敵を知り己を知れば百戦危うからず!」


 綿密に下調べしてる感、出てるよな!?

 つまり世界を制するのは検証勢だと昔の偉い人も言っておられるわけだ!


 ブブー! 不正解!


「何ィ!? ち、違うのか――!?」

「正解は郷に入れば郷に従え、よ。高代くん……」

「あぁロマンスじゃなくてルーマンズって事か!? うわあぁぁぁ惜しい!」

「惜しくない惜しくない……そんな無理に答えるなんて蓮くんらしくないなぁ」

「いや、この場合は姿勢が大事でな……姿勢が――!」

「?」


 罰ゲーム! 対象は――!?

 デロデロデロデロデロデロ――!


 ああ、けど無情にもまた始まるドラムロールが!

 苦手にも果敢にチャレンジする積極性とか、評価されないんですかね!?

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