第227話 亀甲ガード
「よし来い! 新スキルは何だ!?」
俺はシステムウィンドウに表示される文字に注目するが――
ゴアアアァァァ!
ギャギャギャギャー!
モンスター共の一斉攻撃が目の前に迫っている!
「!? ウィンドミル!」
飛び上がる動きのアーツで、敵を飛び越えて対処する。
よし今のうち――! 俺は空中にいる間から素早くウィンドウに目を走らせる。
リジェネレート(常時発動)
<効果> 守護竜の近くにいるプレイヤーのHPが
徐々に回復するようになります
マスター以外のPTメンバーにも有効です
回復量は1秒あたり5HPです
ベビーブレス(戦闘中)
<効果> 幼竜のブレスを吐き、マスターを援護します
ブレスの対象は、マスターのターゲットと同じです
本スキルによるヘイトは、マスターが引き受けます
グローアップ(戦闘中)
<効果> マスターのAPを消費して一時的に成長します
成長後はマスターの指示した敵を攻撃するNPC扱いとなります
敵の攻撃により撃破された場合、幼竜に戻ります
消費AP200、効果時間900秒
オート採集2(常時発動)
<効果> 近くに素材の収集ポイントがある場合、
時々自動で素材を回収してきます(採集道具は不要)
マスターがログアウトしている間にも、素材を収集してきます
通常のオート採集より高価な品を収集するようになります。
また、収集してくる頻度も増加します。
む……!? これは――!?
「させんコケ!」
ココールの母ちゃんの目が、キランと輝く!
目から放たれた怪光線が俺に迫った!
完全な着地狩りである。光線のスピードも速く、ガードするしかない!
「ぐっ……!」
魔人ヴェルドーのアイズバーン。蓮はガード。307のダメージ。
結構痛い!
その上にこの技はかなりの衝撃を生み、受けた俺を後方にノックバックさせた。
するとそこは、敵集団のど真ん中。
嫌な所に押し込まれた! こいつ狙いやがったな!
すかさず、四方八方から敵の攻撃が俺に降り注ぐ。
これは避けられる密集度とタイミングではない。
ウィンドミルでも、飛び上がるモーションの間に殴られる!
ガードしかないが――!
正面からの攻撃は、ガードモーションでダメージ0にできるはず。
VIT極振りの俺のガードは堅いからな!
だが後ろから殴られる攻撃には、ガードは働かない。
ガードできていないのだから当然と言えば当然なのだが、ガードボタンさえ押してれば全方向からの攻撃がガードできるとか、そういうゲーム的な便利なものではない。
リアルに受け止める動きが成立して、その上で完全にガードできたり、ガード削りされたりという判定になる。
反対に回避はモーション的には当たっているものが、ステータス差によって避けたという事になり、完全に無効化される。
ステータス差さえあれば何もしなくても勝手に攻撃を無効化してくれるので、何も考えなくていいのは回避の方になる。
だから、盾役を除いてはガードよりも回避の方が好まれる傾向にある。
何にせよ、このままならば前方をガードしても、後ろからモロに何発も殴られる。
ならば――こいつの使い時か!
「『亀甲ガード』!」
俺は防御用アーツを発動させる!
普段はあまり使わないが、格闘・当て身のアーツのうちの一つだ。
亀甲ガード(消費AP 125)
<効果> 格闘・当て身技 効果時間中、移動不可だが全物理ダメージを大幅カット
効果時間 30秒
APは食うが、致し方なし!
これを使うならいちいちガードもしなくていい! ダメージは大幅に減る。
デーモンナイトの攻撃。蓮に3のダメージ!
デーモンナイトの攻撃。蓮に4のダメージ!
デスファイターの攻撃。蓮に5のダメージ!
デスファイターの攻撃。蓮に2のダメージ!
リザードフェンサーの攻撃。蓮に6のダメージ!
リザードフェンサーの攻撃。蓮に4のダメージ!
ガードをしなくても、敵の攻撃は全て1桁台である。
元々堅い上に亀甲ガードだからな! 動けなくなってしまうが。
よしこの効果時間の30秒で、リューの新スキルを決める!




