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第226話 持つべきものは金持ちの実家

「よし来いコケ!」


 身構えるココールに魔物たちが襲い掛かる。

 俺はその支援をするべく、着替え&闇サークルを発動させる。


「『エレメンタルサークル』! リュー! ココールの近くにいろよ!」


 闇サークルの追加効果でHPを回復できるからな。

 しかしこれも、一撃ごとにMPを食うからココールの、というかインフェルノアーマーのMPが尽きたら終わりだ。

 つまり、時間稼ぎができるという程度のもの。

 何か別の打開策がいる――そして俺の『ファイナルストライク』の再使用時間(リキャスト)はあと3分もある。

 それまで凌げるか? いや凌げたとしても、一発で事態の打開ができるか?

 一発で打開するには、あの黒いオーラに包まれているココールの母ちゃん――というかそれを操っているあの黒水晶のネックレスに奥義をぶちかまして、一撃必殺するのが求められる。

 アレのHPはいくらだ――? 一発で行けるか!?


「コケコケコケコケコケエェェェェ――ッ!」


 フルアーマーココールことインフェルノアーマーが、ビシビシ拳を繰り出して全面のモンスター達に浴びせる。

 心なしか前より動きがいいよなー。機敏で手数も多い。

 ココールがインフェルノアーマーの使い方に慣れてきたのか?

 何にせよ壁役として、立派なパフォーマンスだ。

 しかし――


「ココール! できるだけ手数は少なく、一撃が重い攻撃でな! その方がMPが長持ちする!」


 手数が多すぎると、一撃一撃に追加効果が乗るからな。MPの尽きるのが早くなる。

 理想としては、追加効果一発で60前後HPは回復するから、60ダメージごとに60回復しておけば最低限の手数で済むからそれがいいが、この乱戦ではそこまで計算できるものでもない。なるべく気を付けるという事だ。


「ふっふ! 心配いらないコケよ、蓮! これがあるコケ!」


 と、ココールが取り出したのは何かの茶色いビンだ。

 表面にコケ族のシルエットのロゴが見える。


「コケビタンDだコケ! コケ族専用栄養ドリンクだコケ!」


 グイっとそれを一気するココール。

 すると――MPがグイグイと回復していく!

 1秒で20~30回復してるか? すげー効果だな!


「最高級栄養ドリンクだコケが、うちの商品だコケ! つまりタダ! こんな時だから使えるものは最大限に利用するコケ!」

「おー! ナイスだココール! これなら奥義のリキャストまで耐えられるぞ!」

「持つべきものは金持ちの実家だコケー!」


 インフェルノアーマーがますます勢いを増して敵を殴り倒す。

 俺もちまちまと、あっちが殴って瀕死になった敵を、唯一のまともな通常攻撃である単なるショルダーチャージで仕留めておく。

 一体、二体、と俺の撃破数もちょっとずつ増える。

 一応貢献しとかないとな。


「調子に乗るなコケよ――! シャドウフェニックス!」


 後方で見ていた、ココールの母ちゃんに憑依した魔人ヴェルドーが動き出した。

 さっきの黒い炎のフェニックスの魔法だ!


「くっ――! さっきのあれかコケ!」


 ココールはガードを固めてそれを受ける。


 ドゴオォォォゥ!


 火柱が巻き上がり、ココールは黒い炎に包まれるが――

 火が消えてもまだ立ってはいる。しかしダメージも大きそうだ。

 HPバーが6割がた持っていかれている。

 ガードしてあれとは、すげぇ威力の魔法持ってるな――!


「き、効いたーコケ! でもまだ回復できるコケよ!」


 言ってモンスター軍団に拳の乱撃を見舞おうとするが――


「させんコケ! 下がれ!」


 指令に応じて、ココールから距離を取るモンスター達。


「むっ――!? かかって来いコケよ!」

「回復の材料は与えんコケ! そして――トドメだコケ! シャドウフェニックス!」


 もう一発、例の魔法が飛んで来る!


「コケーッ!?」

「ココール逃げろ! 走ってるうちに消えてくれるかもしれん!」

「分かったコケーーーー!」


 シャドウフェニックスから逃げ回るココール。

 そして手薄になった俺の元に、モンスター達が寄ってくる。


「なるほどそう来るか――!」


 しかし俺にも一応当たる通常攻撃のショルダーチャージと、闇サークルの追加効果が残されている!

 AP(アーツポイント)もあるし、昇〇拳的なアクロバティックな飛び上がりモーションが何かと使える『ウィンドミル』も何発も打てる。

 DEX(器用)をまるで上げていないため攻撃にはならないが、こいつの動きは敵を飛び越えたり、技を避けたり、色々できるのだ。

 これで凌いでいくぜ――!

 一斉に突進してくる敵を、『ウィンドミル』で飛び上がって避ける。

 着地はHPの減っている奴の側を狙って。

 そして即、単なるショルダーチャージ!


 蓮の攻撃。デーモンナイトに81のダメージ!

 蓮の攻撃。デーモンナイトに60のダメージ!

 蓮のHPが60回復した。

 蓮はデーモンナイトを倒した。


 よし撃破! 次は――!?

 と、こんな時に――


「きゅ~! れん~! 何かくりゅ~!」


 とリューが騒ぎ出すのだった!

 おぉバトル中に新スキル覚えるか! 助かります!

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