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第128話 同盟の証

「ならいい入手法があるわよ。これなら一瞬よ」


 と、ほむら先輩がにやりとする。


「お? 何っすか?」

「あたしから貰う――っていうのはどうかしら? これEX属性じゃないから。まだストックは何個かあるし」

「マジですか……!」


 アイテムの属性は、Oが同時に一つしか持てない。EXが他人に渡せないだ。

 俺が使う暗器系は全部OかつEXなので、自分で合成するのが必須になるという面倒な代物である。

 Oがついているせいで複数所持も出来ないしな。

 まあ、複数持てたとしても暗器アーツは基本一戦闘に一回という縛りがあるせいで、複数持つ意味もあまり無いのだが。

 ああでも複数持ち可能になれば一々『ファイナルストライク』で壊してやらなくても、新しく合成すればもう一回暗器アーツが撃てるな。それはそれで経済的かもな。

 でも『ファイナルストライク』が無いとダメージが出ないから、一撃大ダメージ狙いのロマン砲としてはどうせ使うが。

 銭なんぞいくら投げてもいいから、一瞬の大ダメージを突き詰めるのだ!

 大ダメージは正義!


「勿論タダじゃないわよ? 代わりに最終バトルの時に手を組むっていうのはどう?」

「なるほど、同盟ですか」


 まあ全ギルド参加しての艦隊戦だからな、協力体制を取るギルドも出てくるだろう。

 そんなにがっつりしたものではなくても、お互い潰し合わないように、と約束しておくのも一種の同盟だろう。

 別にそれを禁止するルールも無い。禁止と言っても難しい話だ。


「そういう事ね。お互いに潰し合わない。助けられる範囲で相手を助けるって感じ」

「なるほど……」


 まあ、それならそんなにこちらの動きが制限されるわけでもないか。


「それから、どちらかが優勝した場合の賞品はお互いアイテムを3つ貰える権利を選ぶこと。勝った方がそのうち2個を取って、負けた方にも1個渡す――でどう?」

「んー……」


 これは、どうだろうなー。

 ほむら先輩的には保険をかけたいんだろう。

 俺達が勝ってもアイテム1個は手に入るわけだからな。

 そう言うあたり、必ず自分達が勝てるという自信があるわけではないという事だ。

 自信があるなら3つ総取りを狙えばいいわけだし。

 そして、逆に言うと俺達には優勝もあり得るとほむら先輩は見ているわけだ。

 そうでなければ、こんな条件を付ける意味がない。

 わざわざ『ミミックファン』を差し出してまで同盟したいって事だからな。


 しかしなあ、優勝賞品はアイテム以外にも選択肢がある。

 その中には人工浮島(ラグーン)を貰えるやつもあるんだよなあ。

 正直俺達が勝ったら人工浮島(ラグーン)を選ぶものだと俺は思っていた。

 そもそもは人工浮島(ラグーン)が欲しかったから、皆でギルドを作ろうって話になったわけだし……

 それを遠回りするのもなあ、と思うわけで。


「あの、ちなみに普通にこれを取るにはどうすればいいんっすか?」

「クリスタル・フォレストに出るレアモンスターのクリスタルファルコンロードを倒した戦利品ね。ちなみにレベル150くらいよ。ドロップ率も数%ってとこ」


 150もか――それに、確かクリスタル・フォレストは入るための条件が厳しいと片岡が言っていた。入る許可を得るためのクエストやら何やらがあるのだ。

 それをすぐにやるのは難しいな。レベル150のレアモンスターを狩れる保証もない。

 そもそも現状、全世界的に狩場は妨害工作で潰れているのだ。


「もしくは、普通にお金を出して買うか――まあこれ結構レアだから高いわよ。相場は500万ミラくらいね」

「むう――!」


 高いな! ココールのおかげでギルドショップは順調に利益を叩き出しているが、500万ミラも貯まってはいない。

 それに、俺達やココールのレベルも最近急激に上がっているから、最終バトルの前には装備全般を一新しなければならない。そのための資金は必要だからな……


「みんなどう思う?」


 と、俺は前田さん達に意見を求めた。


「それであっき~が楽しくやれるなら、いいんじゃん? 本番までに準備するのは厳しそうですし」

「だけどほらさ、買った時の賞品はみんな人工浮島(ラグーン)がいいのかなってさ」

人工浮島(ラグーン)は欲しいけれど、そのせいで楽しめないなら本末転倒だわ。だから人工浮島(ラグーン)はまた今度にして、あきらに『ミミックファン』を持って帰ってあげましょう」

「おいらもそれがいと思うコケ~。蓮たちは楽しそうにやってるのが一番だと思うコケ」

「そっか。じゃあそうするか、ありがとうなみんな!」


 俺だってあきらにこれ持って帰ってやりたかったからな!

 やっぱマイベストフレンドとは楽しくやってこそなわけで。

 笑顔なのが一番可愛いからなあきらは、うん。

 守りたい、この笑顔ってやつだ多分!


「じゃあ同盟しますほむら先輩!」

「オッケー! じゃあよろしくね。君達には期待してるから!」


 こうして完全にモノにつられた俺達は、ほむら先輩達と同盟することになった。

 あとは赤羽さんの所とも特に約束はしてないが、同盟っぽい感じにはなるのかもな。

 一緒にNPCのレベル上げしてるしな。

 まあ本番ではあえて潰し合う事もないって感じだろう。

 とりあえず、明日あきらにこれを渡してあげるのが楽しみですな!

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