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第127話 ミミックの意味

 さて、やってきました! ほむら先輩の全覧博物館(グランミュージアム)がやっているアイテム博物館! 困った時にはここか情報屋ですな!

 というわけで俺達は、保護者参観でソードダンサー装備を見られたくないというあきら

のために装備を物色するのだが――


「うーむ……どれもこれもだなぁ」

「徹底してますし。どれもこれもえぐい露出度ですし」

「まあ、確かに親に見られたら恥ずかしいわよね。多分私の家でも怒られるわ」


 このアイテム博物館でも、ソードダンサーの装備は例外なく肌色度が凄かった。

 普段のあきらの装備より肌色度が上がりこそすれ下がることはないな、これは。

 『エンジェルチャーム』とかまだましな方だなー。

 何故に布地が減るのに性能が上がるのかこいつらは。

 まあゲームの世界特有のメルヘンですなあ。

 普段なら非常に喜ばしいあれなのだが、こうなるとな――


「うーんダメだ。無いなマジで、徹底してるわ」


 まともな性能で慎ましい防具は何もない!

 ソードダンサー恐るべし! 開発者の異様な拘りを感じるぜ。

 ただまあ、こういうクリエイター魂に溢れた尖り方は嫌いじゃないよ!

 女子には全く受け入れられんだろうがな!


「蓮~! 蓮~! こういうのはどうだコケ?」


 と、ソーダダンサー用の防具コーナーから大分離れた所から、ココールが俺を呼んだ。


「何かいいのあったか? ココール」

「これだコケ。『ミミックファン』だそうだコケ」


 ショーケースの中に入っているのは、綺麗なシルバーの鉄扇である。

 名前はミミックファンだが、ファンは扇のファンだとしてミミック要素は?

 普通の扇に見えるが――?


「ミミック感ゼロですし。せめて宝箱の柄くらいついてないですし?」


 と、矢野さんも俺と同じことを考えたようだ。

 名前間違ってんじゃね? 製作者のミスか? と。


「ミミックは似せるとか擬態するという意味の英語よ。宝箱のふりをしているモンスターの名前じゃないわ」


 何ィ!? 知らなかった! 勉強になるな、さすが前田さんだぜ。


「……というような話題になって、結果的に英単語を一つ覚える事になるのを意図したんじゃないかしら。学校らしい、いいネーミングのアイテムね」

「あーん何か悔しいですし! まんまとハメられた感! はずかし~!」

「あはは……大丈夫よ。でも勉強はもう少し頑張りましょう?」

「ふぇ~い」

「……」


 よし、俺は黙ってよう!


「大丈夫コケよ。優奈は絵がうまいから、ちょっとくらいバカでも生きていけるコケ~」

「ありがとぉココール~いいやつですし!」


 ははは。NPCに慰められてる。

 いやしかし、ココールいいヤツなんだよなー普通に。

 ギルド対抗ミッションが終わったら帰っちまうのかな。ちと寂しいよなーそれは。


「で、効果は――?」

「ちょっと高代! どうせあんたも知らなかったクセに、スルーしてたですし!」

「ノーコメント! さぁ効果を見よう!」

「あー! ずるいですし!」


 矢野さんの抗議はスルーして、俺はアイテムの説明を見た。

 扇というのは、アイテム種類としては武器になる。二刀流も可能な片手武器だ。

 で、他の武器に比べて変わっている所は――これ女性専用装備なんだよな。

 そして特性としては打撃力は低めで、ガード性能が結構高かったりする。

 もちろん盾に比べればガード性能は低いが、他の片手武器よりは抜けている。

 二刀流のサブウェポンとして、ややディフェンシブに戦いたい時とかは重宝するかも。

 扇のアーツも結構トリッキーなものがあるようだから、中々面白そうだ。

 というのが一般的な扇のスペック。

 そしてこの『ミミックファン』にはこんな特殊効果がついていた――


 『擬態』を行い最後に攻撃した相手の姿になる事が出来る。

 パーティーメンバー及びNPCにも『擬態』可能。

 消費AP(アーツポイント):50 効果時間:600秒


「ほほう……!?」

「なるほど……これで姿を変えるのね!」

「そうすりゃあのエロいのが見えませんし!」

「そうだコケ~これならあきらも、思いっきり戦えるコケ?」

「装備可能レベルも55だし、いけそうだな――!」


 俺達のレベルも既に55はオーバーしている。

 手に入りさえすれば、これはすぐに使えるな。

 後気になるのは、『擬態』した後に装備変更したら元に戻るのかって事くらいか。

 制服でバトル開始⇒『擬態』⇒(性能的な意味で)普段のソードダンサー装備ってやると『擬態』が切れたら悲しいしな。

 いや、もし切れるとしても戦闘開始の時だけサークル魔法で目隠しして、ソードダンサー装備に着替えてから『擬態』すればいいか。


「よっしゃ、じゃあこいつの入手先を――」


 調べに情報屋に行くか、と思った所にちょうどほむら先輩がやって来た。


「どうしたの君達? これに興味あるわけ?」

「おお、ちょうどいい所に! 先輩、この『ミミックファン』ってどうやって取るんですか?」

「これ? 欲しいの?」

「うっす!」


 俺はこくこく頷いた。

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