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第125話 最終バトル説明会3

「さて……これまで皆様には各々の英雄候補を育てて頂きましたね。本当に感謝感激雨あられです。ギルド対抗ミッションの締めくくりとして――来週の週末、各英雄候補を交えたバトルロイヤルを開催させて頂きます。みんなでわーっとお祭り気分で楽しんでしまいましょう!」


 うん、それは仲田先生のリーク通りだよな。

 とはいえ具体的にどういうルールなのか……


「バトルロイヤルと言っても、どんなものかはまだわからんちんですよね? 具体的なルールを説明しますと――アニタ」

「はい姫様」


 アニタさんがリエルリィズ姫に何か手渡す。

 手持ちのボード的な。テレビとかで使ってるフリップみたいなものか。


「では――はいっ!」


 姫がこちらにフリップを向けるとそこにはイメージイラストが。

 無数の飛空艇が浮かぶ空の絵だ。

 む――? つまりこれは……?


「はい、艦隊戦ですね!」


 ほほう――! なるほど面白いかも知れん! やった事ないしな艦隊戦は!

 各ギルドの代表も、俺と同じく興味あり気な反応だった。


「ティルーナ近海に広域結界を張り、バトルフィールドを形成し全ギルド参加の艦隊戦を行います! 各ギルドに飛空艇は貸出しますが、自分達で所有する飛空艇を持ち込んで頂いても構いません。どちらを使っても自由ですが、各ギルド飛空艇は一艇のみです」


 なるほどなるほど――

 だったら俺達は有利だな! 魔改造ピーチサンダー号が使えるわけだ。

 あの鬼の機動性で戦場をかき乱してやるぜ……!

 ただし攻撃的なパーツは何も積んでないから、それがどう出るかだが。

 まま、いずれにせよ楽しそうだ。


「琴美ちゃんが喜びそうだよねー」

「ああ、面白そうだよな」


 と俺とあきらは話し合う。


「飛空艇の製造技術は浮遊都市ティルーナにしかないコケからな。こういうのができるのも、ここならではだと思うコケ~」


 なるほどな、ここでしかできない事を――ってのもあるのか。


「また、バトルフィールドに配置可能な各ギルドの戦力はNPCを含め6名まで。NPC以外のメンバーの途中交代は無制限かつ任意に可能です。そして、バトルフィールド内にはレベル制限がかかります。制限は各ギルドの英雄候補のレベルまでとなります」


 ああ! なるほどなるほど――そうだよな、そうしないと雪乃先輩とかほむら先輩がフルスペックでバトル参加してきたら流石に勝ち目が無いしな。

 NPCのレベルまでの制限って事で、それまでの育成の成果が出るわけだ。


「また勝敗は各ギルド間の撃墜スコアで競って頂きます。他ギルドのプレイヤーの撃破は1ポイント。NPCの撃破は5ポイント加算です。撃破された場合は無制限に復活できますが、同数のポイントが減算されます。制限時間の60分経過後、ポイント上位の4つのギルドが決勝戦進出となります。決勝は専用の闘場で行って頂きますが、細かいルールは決勝進出のギルド同士の話し合いで決めて頂きます」


 ――ふむふむ、撃破スコア勝負な。

 決勝のルールはその場で決まるっぽいから、これは深く考えても仕方ないか。

 とにかく決勝に残ることを最優先だな。


「そして最後まで生き残った優勝ギルドへの商品はこちら!」


 ドン! とまた別のフリップをリエルリィズ姫が出した。

 そこには商品の目録が――


 1:ギルド専用人工浮島(ラグーン)の譲渡

 2:ギルド専用ギフト『闘神の息吹』

 3:全アイテムから、任意のアイテムを3つ贈呈

 4:全ギルドメンバーのレベル+20


 ほう――! 人工浮島(ラグーン)ゲットのチャンスが来たか!

 ギルド専用ギフトっていうと、ギルドメンバー全員に効果が発動するって事だな。

 『闘神の息吹』がタレント枠以外で全員にかかるとか、これもかなり強力だな。

 『闘神の息吹』自体、かなりのプレイヤーがタレント枠に入れてるタレントだろう。

 それが別枠でかかるという事は、もともとの枠を別のものに変えられるという事。

 疑似的にタレントスロットの数が増えると考えてもいいくらいの効果だ。

 任意のアイテム3つも超強い武器とか防具とかもらえるとでかいな。

 何だったら二本目のスカイフォールとかもありだよな。

 レベル+20っていうのも、高レベル者にとっては膨大な必要経験値を稼ぐ手間が省けていいかも知れない。

 まあ俺達みたいな一年じゃなく、三年生の高レベルプレイヤー向けか。


「ふふふ……! いいわね話が分かるじゃない! アイテム3つじゃ足りないけどね!」


 一番喜んでいたのは、ほむら先輩のようだった。


「ふん、お前たちには無理だ。諦めろ!」

「さぁてね? 戦いはバトルフィールドだけでやるもんじゃないって事よ」


 そして、リエルリィズ姫がさらに続ける。


「そして更にインド人もびっくりの新企画! それは――はいどうぞ、先生!」


 と、姫が手招きした先には、いつの間にか仲田先生がいた。

 おお? 何事だ、先生が来るとは。


「はいはーい! 1-E担任の仲田でーす。今回のバトルロイヤルの実況もやらせてもらうけど、それとは別にこれは学校側からのお知らせですが――今回の最終バトルロイヤルでは、新システムの試運転も兼ねさせて貰います。問題なければ、今後本格的に導入する予定です」


 新システムだと? 何だそれは――


「どんなシステムかって? それはずばり――保護者参観システムよ! 保護者の人にもログインしてもらってバトルロイヤルを見れるようにします!」


 保護者参観システムだと――!?

 そういやこれ学校だもんな……そういうのもありっちゃありなのか。

 まま、うちの親は喜んで見に来そうだ。

 親父とかうちの学校のゲームにも一枚噛んでるらしいしな。ゲーム会社の人間だから。


「ほ、保護者参観……! そんな……!」


 あきらの顔がちょっと蒼ざめていた。

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