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第124話 最終バトル説明会2

 俺達が近くに座ると、早速雪乃先輩が声をかけて来た。


「やあ蓮にあきら! その分だと順調そうだな、蓮の所が一番レベルの上げ幅が大きいんじゃないか? さすがだな!」


 と、ココールのレベルを見た雪乃先輩からお褒めの言葉が。

 先輩は知るまい。ココールがレベルが上がってもVITとHP以外成長していない事を……

 プリンセススカルリング効果で成長率も1/3になったココールは、毎レベルアップごとにVITが1とそれに連動したHPが上がるのみだ。

 後は全部成長率が3未満だからな……1未満の成長率だとレベルアップしても成長しない仕様のようだ。


「こんちゃーす雪乃先輩。まあ、結構頑張ったんで」


 答えながらふと思いつき、ココールと同じレベル1だったアルフレッド君の姿を探してみる。

 ――お。前の方にいた。レベル53か。あっちもかなり上がったな。

 ココールと違って、彼は大器晩成の権化みたいなスペックをしてたからなー。

 正統派の勇者タイプと言いますか、今どういう強さになってるのか興味あるな。


 ちなみに雪乃先輩の所のNPCはドラフトでも人気だった獣人(ワーウルフ)のミコット・コープルちゃんである。

 元々レベル58で所持スキルも多かった。多分戦士系では一番人気の候補だ。

 ドラフトでも赤羽さんのとこのセルフィと一番人気を二分してたはず。

 今のレベルは――おお73! 全NPCで一番高いんじゃないか。これは優勝候補だな。


 対してほむら先輩の所は、初期レベル7か8くらいのおっさん商人キャラのブルーノさんだ。

 まあ正直ちょっと抽選で負けた感は否めない。

 現レベルはそれでも42まで上がっていた。


「君達、狩場は妨害工作で潰れているのによく上げられたわね。プライベートダンジョンはないんでしょ?」


 と、ほむら先輩が言って来る。


「はい『空の裂け目』で上げてますよ」

「ああ。でもプライベートダンジョンがないギルドが殺到して、入り口の争奪戦が激し過ぎるって聞いたけど?」

「そこはいい飛空艇といい腕が合わさって入り放題になってるんで」

「ふーん。真面目に頑張ってんのねー」

「何か不満でも?」

「大アリよ! 世界中で狩場が荒らされてるから、レアモンスター狩りにも支障があるわけ! それじゃアイテム収集が進まないのよ! こんなイベントどうでもいいから、早く終わって欲しいわ」

「フン。負け惜しみだな。お前は勝てそうにないから拗ねてるだけだろう。昔からお前はそういう奴だからな」

「はあ!? ちょっと最初にいいNPC引いたからって調子に乗ってんじゃないわよ! こんなもん運で結果が決まるだけでしょ、いいの引いたら勝つ、それだけ! それも分からず調子に乗ってるなんて、さすが脳筋共は考えが浅はかよね!」

「そう思えるのはお前の脳ミソがスペック不足だからだ! 蓮を見て見ろ、どう見ても最弱っぽいニワトリで勝負できそうじゃないか!」

「いやまあ、やってみなきゃわかりませんけどね」


 と、俺が言うと雪乃先輩がにやりと笑みを見せた。


「ふふっ。自信ありそうじゃないか、やっぱり狙うんだろう? 優勝を」

「もちろん! 俺達が勝てたらこれはまさしくジャイアントキリングですからね! 狙わざるを得ないっす!」

「じゃあ、まず雪乃のところをぶっ飛ばしてやってね。期待してるわ。やってくれたらまた『ハヤブサの極光石』をあげてもいいわよ」

「おお……」

「貴様買収かこのアイテム厨が!」

「うっさい脳筋! あたしは今回は運が悪かったから、頭脳で戦おうとしてるだけよ!」


 相変わらずだなー、先輩達は。

 まあこの人達はこれが日常会話みたいなもんだから、特に止めないが。


「皆様、お忙しい中ご足労頂きありがとうございます」


 あ、出たリエルリィズ姫だ!

 今日は何が飛び出すのか……そればっか気になって、美少女のはずなのに美少女に見えないよな、このお姫様は。

 まあ、あきらを見慣れてるというのもあるかも知れない。

 これだけのハイクオリティな美少女といつもいると、他の子を見てもそこまで凄いとは感じられなくなる。

 ちらっと隣のあきらを見ると、目が合ってにこっと微笑まれた。

 ああ、いつも通り可愛いな――


「どしたのー? ちょっと顔赤いぞ~?」


 よくやられる、ほっぺたをつんつんされるやつである。


「やめろって!」


 と、リエルリィズ姫は俺達プレイヤー集団の真ん中を見て、きょとんと首をひねった。

 その視線の先には、前回同様田んぼのミステリーサークルかのような穴があるのだが、そこに座る鉄仮面が二体になっていた。


「まあ、わけワカメです。今回は二体に増えてアベックになっていらっしゃいますが、ひょっそしてそれがナウいのですか?」

「無論!」

「その通りです!」


 お兄様とセルフィがガタっと立ち上がって勢いよく応じていた。

 あー赤羽さんがこの場に来ない理由は痛いほど良く分かるな……


「まあ、でしたら私もやってみようかしら――」

「ダメです、姫様! お止め下さい!」


 うん、アニタさんが止めてくれた。良かった良かった。

 リエルリィズ姫ならやりそうで怖いからな。


「ではでは、ギルド対抗ミッションの最終バトルについてご説明いたしますので、お口チャックでお願いしますね~」


 静かに聞けって事でいいよな? そうだよな?

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