中垣内とのデートはどうしようかな
さて、東雲さんとのSNSでのやり取りの後で、デートの場所を東京スカイタワーとスカイタウン周辺と決めた。
なので次は中垣内とのデートをどうするかだな。
中垣内とは当初の動画撮影や本屋、映画館、ウィンドショッピングなど二人きりの行動をけっこうしているから、いまさらそんなに特別感はなかったりするがだからこそ、特別感を出していくのが大事だろう。
その割にはあまり中垣内のことを知っているとは言えないのは、そういったことを行っていた目的が、再び嫉妬の目線を南木さんに向かないようにするためにはどうすればいいかという目的を果たすために行っていたからだが。
中垣内は十分い可愛い女の子だから、普通の男子高校生であれば恋人になってデートしたり、キスしたり、裸を見たいと思ったり、性行為したいと思うのだろう。
だけど、風俗で働いていた俺にはそれらは童貞にとっては光り輝くまぶしい幻想であっても、実際には大したことではないということが分かっているから、そういったことをやりたいという気があまり起きたりしないんだよな。
東雲さんには、デートの場所はこちらで考えろと言われたが、とりあえず中垣内もそう言うとは限らないし、俺は中垣内へ、SNSメッセージを送る。
『中垣内は、デートで行きたい、具体的な場所とかある?』
俺がそうメッセージを送るとやはり返信はすぐに帰ってきた。
なぜ女の子は即既読、即レスが可能なのか……意味が分からん。
『あたしも、あんたにデートの場所はちゃんと考えてほしいよ』
『お、おう、もしかして東雲さんからきいた?』
『まあね』
うん、女の子の連絡網の伝達速度と範囲の広さの恐ろしさを忘れていたよ。
『ちなみにプラネタリウムとホタル観賞ならどっちがいい?』
『え、なにそれ、どっちもいいんだけど』
『どっちもか……まあ、両方ともいけないことはないけどもな。
ちなみにホタル観賞をすると帰りは結構遅くなるぞ』
『それは平気だよ』
『そうか……んじゃちょっと考えてみるよ』
『たのしみー』
『んじゃな』
『じゃね』
中垣内は映画に誘ってきたりしているから、あんまり動き回らないでのんびり過ごせる場所のほうが好みかなと思ったが、プラネタリウムとホタル観賞のどっちもいいといわれるとはな。
まあ、ホタル観賞は19時以降の暗くなった時間でないとできないから、明るいうちにプラネタリウムに行って、その後に移動してホテルでブッフェを食べながら蛍の鑑賞をするとかでいいだろう。
ゲンジボタルなら5月半ばから光ってるから、中間テストが終わるころならちょうどいいタイミングだろう。
俺はホタル観賞が可能なホテル山茶花荘の「ほたるの夕べ ディナーブッフェ2019」の予約をパソコンで行っておくことにした。
これでとりあえずは二人とのデートプランは問題ないかな。




