銃剣乱舞のオンリーイベントはなかなか楽しかったよ
さて、夏休み最初の日曜日である今日は新發田さんと、浅草橋で開催される小規模な銃剣乱舞のオンリーイベントへの参加の日だ。
コミケのようにでかい規模のものではない小規模な同人ベントは浅草橋や平和島などで毎週のように開催されていたりする。
そして白檮山さんが新發田さんの服装のコーディネートをしてあげるらしい。
まあ、擬態系腐女子としての白檮山のファッションセンスの良さは一度一緒にオンリーイベントに参加したことがあるからわかってるけど、意外とあっちの界隈はおしゃれな女の子が多いんだよな。
まあそういう俺も以前に弥生ちゃんなどにに選んでもらった、私服をきっちり着てそれなりに服装は整えたつもりではいるが。
まあ、腐女子だということが外見からバレてもいいことはない、特に同性から、というのは大きいんだろうけどな。
そういう点では男に比べて女のオタクに対しての同性からの視線の厳しさのようなものはあるんだとは思う。
そして新發田さんへ俺はメッセージを送った。
「今日の集合はJR船橋駅に朝の11時で考えてるんだけど、大丈夫かな?」
そして新發田さんからはすぐにメッセージが帰ってきた。
「はい、大丈夫です。
楽しみですね」
「了解、じゃあ今日はよろしくね」
白檮山さんと行ったBLオンリーのときは西船橋駅の改札近くに6時集合とかいう結構早い時間だったが、今回はイベントの一般入場時間が12時からなので遅くてもいいかなと思っていたりする。
そして11時の10分前くらいに俺は駅についたが、新發田さんはすでに到着していた。
「あ、おはようございます」
上は淡色の薄手の長そでカーディガン、下は同じく淡色の膝上の丈のキュロットパンツ。
膝丈のストッキングにボテッとしたダッドスニーカー。
あと日差し対策につば付きの帽子で、髪の毛は髪留めで後ろにまとめてるからうなじが少し見えてる。
オタクの言うところの絶対領域、つまるところ太ももが僅かに見えてるのもポイントが高いと思う。
「ど、どうでしようか?」
「うん、可愛さと動きやすさをあわせたすごくいい服装だと思う」
俺がそう言うと新發田さんは照れた様に笑った。
「良かったです。
私はトレンドには疎いのですが、ちゃんと今年の流行に合わせてくれてるみたいですよ」
「へえ、そうなんだ。
白檮山さんはさすがだね」
「はい、わたしもそうおもいます」
「んじゃまあ、急ぐこともないけど行こうか」
「はい」
俺達は総武線の各駅停車にのってのんびりと浅草橋まで向かう。
「見たところ問題はないと思うけど、体調とかは大丈夫?」
俺がそう言うと新發田さんはコクっと頷いていった。
「はい、全然大丈夫ですよ」
「基本的にコミケと違って屋外にいる時間はほとんど無いと思うけど暑さと冷房の寒暖差対策は必要だから、帽子の上からタオルかスカーフで、首の後ろのガードもちゃんとしたほうがいいらしいよ」
「あ、なるほど、それではどこかでのコンビニとかで買っておきますね」
というわけで浅草橋で電車を起きたら駅を出て、コンビニに寄りスカーフと飲み物を買ってイベント会場へ向かう。
おそらく目的地が一緒だろうリュックサックを背負っているなんとなく同じような服装の女性もぽつぽつ見える。
「私が思っていた以上にお仲間がいるんですね」
「まあ、それはそれなりにはね」
同じクラスの同好の士がいるとかは珍しいとは思うけど、関東の浅草橋近辺で見れば少なくはないだろう。
そしてイベント会場である浅草橋駅東口から徒歩3分神田川と隅田川の間辺りにある駅近のきれいな貸会議室である、東京文具共和会館に到着した俺たちは建物の中に入っていく。
「でも、ほしい本とかちゃんと買えるでしょうか?」
新發田さんは少し不安そうに言った。
「大丈夫だと思うよ。
お願いすれば少し中身を見せてもらうこともできるはずだし、カタログにどこのスペースでどういう中身の同人誌を売ってるかはわかるはずだし」
「そうですか、なら大丈夫ですね」
「まあ参加サークルもそこまで多くはないと思うし、時間も15時までの3時間だしね」
以前のBLオンリーの時ほど忙しない感じはしないが。
もっとも周りを見渡してみても目に入るのは女性ばかりなのは変わらないが。
そしてカタログを見て目当てのサー栗に目星をつけたあとテーブルへ向かい、サークルの売り子の人と机を挟んで向かい合う位置までたどりついた。
「あ、この本見せていただいてもいいですか?」
新發田さんが売り子さんにそういうと売り子さんはニコッと微笑んで言うあ」
「はい。
どうぞどうぞ」
新發田さんは真剣な表情でパラパラとで同人誌のページをめくっているがやがてコクっと頷いて売り子さんに言った。
「この新刊に旧刊も全部セットでください」
「はい、では1500円です」
「ではこれで」
と新發田さんは1500円を渡して、同人誌を3冊手に入れた。
そうやってそのまま何冊かの買い物をしていくが、ここでも売り子をやっている女性はみな綺麗だったり可愛かったりするんだよな。
いや、BLオンリーの時よりは年齢が低めで、すこしおとなしいかんじはするけど。
そんな感じでまったりと3時間は過ぎ俺達はそれなりの数の同人誌を手にして会場をあとにした。
「新發田さん、ちょっと喫茶店にでも取って休憩してから帰ろうか」
「あ、はいそうですね。
ちょっと喫茶店でゆっくり休んで行きましょう」
会場を出た傍にあった懐かしの純喫茶というか洋食店っぽい喫茶店に俺達は入った。
ここはもともとは旅館だったらしいが、70年代に純喫茶に転校してそのまま営業を続けていて結構有名な店らしい。
店内は約50〜60席程度あるぐらいの広々とした空間で、昭和の雰囲気を色濃く残すレトロな内装が特徴的。
「お荷物をお持ちのようですので広い席にどうぞ」
と案内された俺達はメニューを開く。
「こういうとこだと定番はナポリタンかオムライスセットかな。
俺はオムライスにしておくよ」
「あ、じゃあ私もそうします。
あとパフェも」
というわけで俺達はオムライスセットを2つ頼んで暫く待つと、美味しそうなオムライスが出てきた。
ふるふるぷるんの玉子の薄衣がくるまらずにケチャップライス上にかぶさっていて、黄色と紅色のコントラストが美しい。
「うん、うまいなこれ」
「はい、美味しいですね」
セットでわかめ胡椒スープとアイスティーがついていてお値段も手頃なのは嬉しい。
そして新發田さんは美味しそうにパフェを方ばっていた。
「あ、それも美味しそうだね」
「うん、パフェも美味しいですよ」
「んじゃ俺もクリームソーダでも頼んでみようかな」
というわけでクリームソーダを追加注文したが、なんか懐かしい感じでもとても美味しい味だった。
そこでまったり1時間ほど休憩したら電車で船橋まで戻った。
「今日は一緒にイベント参加していただきありがとうございます」
新發田さんがそう言って笑顔で俺に言ってくれた。
「いやいや俺も十分楽しかったからそんなにかしこまって言わなくても大丈夫だと」
「ふふ、じゃあまた一緒にイベント巡りしてくれますか?」
新發田さんがそう言うので俺は頷いて言う。
「もちろんだよ。
じゃあ、またね」
「はい、ではまた」
まあそんな感じで今日は同人イベントをまったり楽しんだ。
こういう一日も悪くないな。




