バレーボールの特訓のお礼で南木さんや中垣内とも夏休みに出かけることになった
さて、ふみちゃんと九重さんの二人とのお出かけは日時が決まった。
その後、俺は宿題をかたづけ、予習・復習をした後でふと思い出した。
そういえば中垣内にはバレーボールの練習で、めちゃくちゃ世話になったから、お礼をしないとって思ってたよな。
一緒に練習に付き合ってくれた南木さんも併せて、夏のお出かけが希望なら二人ともお出かけをするべきだろう。
というわけで俺は中垣内へSNSでメッセージを送る。
『こんばんは、今日の球技大会はお前が練習に付き合ってくれたおかげでそこそこ頑張れたし、本当にありがとうな』
中垣内からはすぐにお返事が戻ってきた。
『別に大したことはしてないから。
でもまあ2回戦目までは勝ち抜けたから上出来だったと思うわ。
みんなで一体になってバレーボールを楽しめてよかったわよね』
『まあ、三回戦目の部活でガチでやってる相手には勝てなくても仕方ないしな』
『まあ、スポーツはそういうところは大きいから』
『まあ、それでな。
お前と南木さんにお礼をしようと思うんで、明日の10時にパティスリーアンドウトロワにきてくれないかな?』
『うん、いいよ』
『後、申し訳ないんだが』
『?』
『お前さんから南木さんも誘ってくれないかな?
実はまだ南木さんのSNSアドレス聞いてなくって、俺からは連絡できないんだ』
『あんたってまめな割に変なところ抜けてるわよね』
『まあ、南木さんは女の子の会話の輪の中に入れることを優先して考えてたんでなぁ』
『私はとっくにID交換したわよ?』
『まじですまん』
『まあ、いいけどね』
『じゃ、明日な』
『うん』
と、パティスリーでの待ち合わせの約束も取り付けたのでとっとと寝て、翌日の土曜日。
いつものように朝7時にパティスリーに出勤
「王生さん、おはようございます」
「はい、今日もよろしくお願いしますね」
「すみません、また今日もクラスメイトを呼びますんで、よろしくお願いします」
俺がそういうと王生さんは笑って言った。
「わざわざお客さんを呼んでくれて、うちの店にお金を落としてくれるのだから、むしろ助かりますよ」
ショーケースやガラスなど店内の掃除を済ませ、フルーツ野カットなどのキッチンでの、パティシエの補助作業をしつつ開店までは黙々と働く。
そして開店前には白檮山さんも来た。
「白檮山さんもおはようございます」
白檮山さんはニッと笑うと俺に言った。
「うん、おはよー。
今日も女の子の餌付けにいそしんでるんだね?」
「それ、めっちゃ人聞きが悪いですよ?」
「私にはそう見えるんだけどなぁ。
ま、私も餌付けされてる一人だけど」
まあ、冗談めかして言ってるので揶揄してるとかじゃないんだろうとは思うんだけど、白檮山さんはちょっとつかみどころがない感じがあるな。
そして10時に二人がやってきた。
中垣内は相変わらず、やけに気合を入れておしゃれをしてきているな。
「おはよう中垣内」
「おっはよー。
別にお礼なんてしてもらうほどのものでもなかったけど、せっかくだからね」
そして南木さんもやってきた。
「南木さん、おはよう」
俺がそういうと南木さんはぺこりと頭を下げ挨拶を返してきた。
「はい、おはようございます」
「見たところ、いつも通りって感じだけど、南木さんは筋肉痛とかはだいじょうぶ?」
南木さんは少し苦笑して言う。
「ちょっとあちこちが痛いですね」
「まあ、そうなるよね、実は俺も少し筋肉痛がさ、あははは」
俺たちの会話にあきれたように中垣内は言う。
「なっさけないわねー、あんたたちは」
「まあ、そういわれても仕方ないけど、ともかく座ってくれ」
と二人をイートインコーナーに座らせて、ブルーベリーソースのレアチーズケーキとアイスティーを出す。
「んで、まあ、球技大会の前の練習に付き合ってくれて二人とも本当ありがとうな」
「別にあんたのためってわけじゃないし」
俺の言葉に中垣内がそう答えて、南木さんも言った。
「むしろ私のほうがお礼を言いたいくらいです。
ちゃんとバレーボールができるようになって助かりました」
「ん、まあそういうこともあって、もし二人が望むなら夏休みにどっかに出かけたりとかってどうかなって思ってるんだけど」
俺がそういうとまずは南木さんが言った。
「それなら私、イルカのショーなどが見れる水族館へ行ってみたいです」
「イルカショーか、今の時期なら少し水がかかっても気にならないからいいかもね」
「はい、ペンギンとかアザラシとか、マンボウとかも観れたらもっと嬉しいですけど」
「うーん、イルカショーが見れるというと、品川の駅前のマリンパークか品川水族館、あとは横浜のマリンパラダイスあたりかな?
ペンギンとかが見れるかどうかは調べてみないとわからないけどね」
「あ、はい、品川ならそこまで遠くないですね」
「総武・横須賀快速を使えば割と早く着くんだよな、品川なら」
そして少し考えていた中垣内のほうは。
「私はウォータースライダーがあるプールに行って遊んでみたいわね」
「なるほど、プールも夏じゃないと遊べないし、それはいいかもな。
小さいウォータースライダーでよければ船橋運動公園プールでもいいけど、そこそこでかいやつで近場だと稲毛海浜公園プールかな」
俺がそういうと中垣内が言う。
「あんたって本当によくそんなウォータースライダーのあるプールの場所とか知ってるわよね」
「ん?
プールについては中学校の時は船橋運動公園プールで夏はよく泳いでたし、稲毛海浜公園プールはお母さんが、俺が小学校とかの小さいときに連れて行ってくれてたからね」
そして南木さんか首をかしげながら聞いてくる。
「イルカのショーとかペンギンとかもですか?」
「うん、小学生の時、動物園とか植物園とか水族館とか博物館とか結構あちこち休みに出かけたりしてるし」
「なるほど、それで手慣れた感じなのね」
中垣内がそういうと南木さんも言う。
「実は女の子とデートとかしまくっていた、とかなのかと思ってしまいましたけど、家族で出かけるというほうが自然ですよね」
「まあ、うちは割と家族サービスみたいなので車とかで出かけること多かったから。
箱根とか筑波山とか、外房の海とかにも毎年のように行ってたし」
まあ、死ぬ前に女の子と水族館とかに出かけたりしたことがあるのも事実なんだけどな。
「で、出かける予定日なんだけど8月のお盆明けの20日以降で二人ともいいかな?」
「私はいいけど?」
中垣内がそういうと南木さんも言う。
「はい、私もそれでいいです」
「ん、ありがと。
プールにしても水族館にしても、盆を過ぎて暑さが少し和らいでからのほうがいいかなって。
プールだと直射日光が遮れない場合もあるしな。
水族館もイルカショーとかを屋外で見るなら少し涼しいほうがいいと思うし」
俺がそういうと二人ともうなずいた。
「なるほど、そうかもしれないわね」
「それもそうですね」
「んじゃ詳細は追ってSNSでメッセージするから。
あ、南木さんアドレス交換してくれるかな?」
「わかったわ。
まだまだ先だけど楽しみにしておくわね」
「あ、はい、わかりました。
アドレス交換ですね。
どうぞ」
というわけで中垣内と南木さんとも夏休みに出かけることになった。
なんかギャルゲーの主人公みたいなことをやってる気がしないでもないな。
予定
今週末日曜:ふみちゃんと買い物デート
来週土曜:ふみちゃんの学校の文化祭
6月25日:広瀬君の誕生日
7月10日:東雲さん誕生日
8月1・2・3日:ふみちゃんと海
8月5・6・7・8日:九重さんと山でキャンプ
8月のお盆:白檮山さんとコミケ1日目2日目に参加
お盆過ぎ:中垣内とプールデート
お盆過ぎ:南木さんと水族館デート
未定:新發田さんと小規模同人イベントに参加
未定:西海枝さんとホタル観賞
未定:弥生ちゃんとTDR




