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龍神教団 3

ちょっと休憩的なお話?

僕達は急いで、帝都を守る城壁を飛び越えると、先程の兵士の詰め所へ向かって走り出す。


「フェル殿、先程の荷馬車は見当たりません!」


それなりに時間が経過してしまっていたので、当然のように荷馬車は詰め所には居なかった。


「レノア、クルルを感知できそう?」

「・・・・・いえ、反応がないです。かなり遠ざかったか、魔力障壁で感知出来ない状態になっているのかもしれません」


冷静を保っているレノアだけど、唇の端を噛みしめ、苛立つ気持ちを何とか抑えているのが分かる。

このままではクルルの行方を掴む事がかなり難しくなりそうだ。仕方ないここは強硬手段に出るか。


「レノア、ここで待っていてくれ。僕が詰め所の兵士と話してくる」

「大丈夫なのですか?! 相手は帝国の兵士ですよ。下手するとこちらが犯罪者として捕まる可能性もあるのでは?」


普通にやれば、兵士が誘拐犯と繋がっていれば、その可能性は高いだろう。でも、


「大丈夫、僕が何とかする。レノアは見られると、育成学校の生徒だとばれてしまうからね隠れていてね」

「それは、フェル殿もでは?」

「ん~、たぶん大丈夫。ここは任せておいて」

「・・・分かりました。お気をつけて」


心配そうな表情ではあるけど、僕の言う事を聞いて待ってくれると言ってくれるのだから、信用はされているみたいだ。

だから、その信用には応える必要がある。


僕は魔術石に登録している術式に魔力を流すと、足元に白い魔法陣が現れ、全身を包み込む。


「あ? え?! フェル、殿? ど、どこです?! 急に!」

「えっと、ここだよ。目の前」


キョロキョロと辺りを見回して僕を探すレノアさんの肩に手で触れてあげる。


「え?! い、いつの間に?!」

「ずっと、目の前に居たんだけど、分からなかった?」

「は、はい! 魔法陣が現れたと思いましたら、急にフェル殿が消えられたので」

「そうか、問題なさそうだね。これはね、認識阻害の魔術なんだ。僕の周囲20フィーダくらいかな? その範囲に僕を認識しずらい空間を作り出す事ができるんだ。ただ近過ぎたり、こうやって触ったりすると、直接認識出来るようになって、見えてしまうんだけどね」


レノアさんが少し呆けた顔をしながら僕の話を聞いている。

そんなに難しい魔術でもないけど、有効範囲は、個人の力量が関わってくるからな。


「やはりフェル殿はもの凄い魔導士ですね。認識阻害の魔術は、その魔術式が失われていて、未だに再現できない魔術だったのですよ」


え? そうなの? 前世の時には結構使っていた人居たと思ったけど? 300年も経つと色々と変わっているみたいだ。


「そう、なんだ。とにかくこれで、怪しまれずに侵入できるから安心して待っていてね」

「わ、わかりました・・・」


どうしたんだろう? レノアさん、何か考えているような?


「じゃ、じゃあ、行って来るから」


そう言い残し僕は兵士の詰め所に向かおうとした。


「フェル殿・・」

「ん? どうかした?」

「フェル殿、その魔術で、変な事していませんよね?」


あれ? レノアさんの顔が笑っている?


「していませんよね?」


口の端が上ずって、ひくひくと痙攣しているような? 笑顔が、こ、怖い?


「その、術式で、お、女の子の着替えを覗く、とか・・」

「そ、そんな事、しません!!」

「本当ですか?」


う、疑っている!?


「絶対に本当です!」

「・・・そうですか。フェル殿を信じましょう。では詰め所の侵入よろしくお願いします」

「は、はい・・・・」


僕を送り出すレノアさんの視線が痛い。

この認識阻害で、そんな事、する訳がないのに・・・・ん? そうか、そういう使い方もあるのか。今まで気づかなかった。

これはいずれ検証する必要があるな。


そんな事を考えながら、詰め所の方に向かって歩き出す。



読んで頂いきありがとうございます。

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