騒がしい日常 2
みんな仲良くね。
「お姉ちゃん達、楽しそうだね♪」
「はは、そうだね」
クルルは相変わらず僕の膝の上だ。
「アルーラ達、あっちに行ったけど、隣に座らない?」
「駄目、ここが良いの」
「そう・・・」
「フェル殿」
うぉお!?
「きゅ、急に耳元で囁かないで!」
「すみません」
「で、どうしたの? レノア」
「はい、もしよろしければ、クルル様もフェル様にもらっていただけないかと思いまして」
「さらっと、凄い事を言って来るね?」
「そうですか? 私が見る限りフェル殿ほどの良い男はそうそういませんよ?」
そんな風に言われれば、悪い気はしないけど、いくらなんでも、こんな幼い子・・・じゃなかた、僕より年上だった。
言動もそうだし、小さいし、可愛らしいからつい、年齢が下に見えてしまうけど、れっきとした10才、アルーラ達と同い年だ。
「何か企んでいる?」
「今は、言えません」
「そう、とことこん真面目だね、レノアは」
「お褒めに預かりありがとうございます」
褒めているわけじゃ、ないのだけどね。
「分かったよ。もらう、もらわないは別として、クルルの事は、この学校に居る限り見守るから安心していいよ」
「そうですか・・・今のところはそれで我慢いたしましょう。我がまま言って申し訳ありません」
ずっとこのまま我慢し続けていて欲しいな。
「やっぱり女難の相があるんじゃねぇか?」
テーブルを挟んだ向かいに、ファーナとゴルドが、案外仲良く並んで座って話し出してきた。
「最近、ゴルドの言っている事、本当のような気がして来たよ」
「それは贅沢というものですわよ? エルフ族の大国の姫様と吸血鬼族帝国の皇女様の二人とご婚約できる殿方など、古今東西見回しても、1人しか知りませんわよ?」
え? そんな人いたんだ?
「あれだろ? 大賢者グルフェル様だろ?」
う、結局、僕じゃないか。
「案外、フェル様ってグルフェル様の生まれ変わりなのかもしれませんわね?」
「ブゥ―――――!」
飲みかけていた、お茶を噴き出してしまった。
「お兄ちゃんお行儀悪いよ?」
「あ、ごめん、かかっちゃったかな?」
「ん? 平気だよ? お兄ちゃんのだもん」
今、さらっと凄い事言ってない?
レノア、頷かない!
「それで、これからフェル様は、どういたします?」
「俺は、どっか街へ遊びに行きたいぞ!」
ゴルドが僕に訴えかける。別に行けばいいじゃない?
「ゴルドは、そうか。僕はどうしようかな?」
「っておい! フェル! お前も行くんだよ!」
「なんで?」
僕が聞き返すと、ゴルドが僕の後ろを指さし、見て見ろと目で合図してきた。
なんだって言うのだ?
「え? な、なんだ! 凄い視線を感じる」
後ろを振り向くと、同じラウンジに居る男子生徒からのおどろおどろしい殺気にもにた視線を浴びせられているのに気付いた。
男子生徒の数は30人程度だがその殆どが僕を睨みつけているみたいだ。
ただ、問題はそれだけじゃなかった。
同じように30人くらいの女子生徒が、また同じように僕を見つめていたからだ。でもこちらの視線は何故か、変に熱いと言いますか、獲物を狙うハンターの様な目といいますか、今にも跳びかかって来そうな雰囲気を駄々洩れさせていた。
「な、なんだ? この異様な状況は?」
「分からないのか?」
ゴルドの質問に僕は何度も頷いた。
「フェルは案外鈍いな。手は早いくせにな」
「ど、どういう事だよ?」
「良く、聞けよ。あの男子は主に魔導士課だ。女子の方は戦士課だな」
「それがどうかしたのか?」
「分からんかなぁ、あれは、嫉妬する男子と、恋い焦がれる女子の集団なんだよ」
「ん? 誰に嫉妬して恋い焦がれているんだ? まさかゴルドにか?」
「お前、ワザとじゃねぇだろうな?」
何を言っているんだろう?
僕がキョトンとしていると、呆れた顔でゴルドが僕に詰め寄ってきた。
「あれはな、みんなフェル目当てなんだよ」
「はい? 僕?」
「そう! 男子は、姫さん二人をパートナーとして、しかも嫁さんにしてしまった事や、その膝の上にいる、一部男子でファンクラブが出来る程、人気があるクルル嬢ちゃんとレノア嬢を傍らに侍らせ、一応だけど、美人では学内で5本の指に入るらしい、カルファーナ嬢を同じく侍らしてるんだぜ? 他の男子が妬ましく思うのは当然だろ?」
そうなの?
「ちょっとゴルド、一応美人というのは私の事で宜しいのですか?」
「あ、え~っと、その・・・はい・・・いや! ほら皆がな! 一応って言って・・」
「・・・その・・ありがとうございますわ・・・」
「え?」
お! ファーナ顔を赤くして可愛いじゃない。
案外な組み合わせかもしれないけど、これは良いネタになるかも?
読んでいただきありがとうございます。
また来てくださいね。お待ちしております。




