模擬戦 2
誰だあの子は?
「E組が?」
「ま、いいんじゃねえ?」
「A組のレバイディといったら、貴族推薦で、測定値も相当な成績だったらしいぜ」
「魔法センスが凄いって、先生が言ってたって聞いたぜ?」
「そんなエリートと、最弱なE組の魔導士なんて相手になるの?」
散々な言われようだな。
それにレバイティ君の魔法センスが良いと言う先生なんて一人しか居ないんじゃないのか?
ただ、測定値が良いというのがよく分からない。僕の魔力感知だと、平凡にしか見えないんだけどな?
「おい! 最弱! 模擬戦するのかしないのかどっちなんだ!」
何かと短気だなレバイティ君は。
「分かりました。お受けいたします」
「なんだ、するのか? 身の程もわきまえない小僧だな。怖かったら今からでも辞退して良いんだぞ? 私もその方が弱いもの虐めしなくて済むからな」
「いえ、心配にはおよびませんよ?」
「チッ!」
舌打ちして僕を睨み付けくる。
「だいたい、なんでこんな弱いやつを相手にしなきゃいけないんだ? お前ごときがまともに模擬戦出来る訳がないだろうに。見極める力量もないのか? ルールディ先生も噂ほどの魔導士じゃなかったということだな」
「そうだぞ、レバイティ。あんな女、聖戦姫サリダ様の愛人として買われているだけの無能な魔導士なんだ。私に偉そうに口答えしよって! あの生徒を叩きのめしてやれ。後悔させてやる」
二人でコソコソと周りに聞こえないように話しているようだけど、それぐらい魔法使わなくても読心術で分かるんだぞ?
あまり表情を変えてられないけど、ルールディ先生も分かっておられるよ。さっきから、こみかめに青筋がピクピク浮き出てるもの。
それに僕だって、あんな素敵な先生をそんな風に言われて、相当頭に来たからな。あの
ルーデフィスタ先生共々、ちょっと懲らしめてやる必要がありそうだ。
「では、レバイティ君と、E組の生徒の模擬戦でのパートナーになりたい者を自薦があれば聞き入れるがどうだ? ここで勝利すれば、レバイティ君の将来のパートナーとなる確率が高くなるぞ」
「ちなみに、E組の生徒にパートナーの申し出が無かったら戦闘不能として、負けになるからな」
そんな横暴な話があるのか? まあ戦闘不能は無いけどね。
なんだろうなこのルーデフィスタ先生って。あからさまに、僕が負ける前提で話してるじゃないか。そんな個人贔屓な言葉のそれに抗議する他の先生はいないのだろうか?
ルールディ先生はもう言ってくれて無駄だと判断したから、言わないだけで、他の教師は言わなきゃ駄目じゃないのか?
「それじゃあ、フェルのパートナーは私がなるよ」
当たり前の様に出てきて、僕の横に並んでくれたのは、やっぱりアルーラだった。
当然だね。
「おい、あれ、アルーラ様じゃないか?」
「そうだ! エルフ族のアルーラ王女様だ」
「なんで、王女様が?」
「そう言えば、この育成学校の生徒に婚約者が居るって聞いたぞ?」
「じゃ、じゃああの子がそうなの?」
「たぶん・・」
「なんでE組の魔導士なんかが・・」
訓練場が騒然となり、ざわめきが納まらない。
「静かに!!」
ルーデフィスタ先生の魔力を混めた声が、訓練場全体に響きわたると、一斉に生徒のざわめきが引いていった。
なるほど、それなりの魔導士ではあるんだ。
「残念ながら、アルーラ様の申し出は却下でございます」
え?
「は!? どうしてなの!? フェルは私の正式なパートナーなのよ! その私が却下ってどういう理屈なの!?」
考えても見なかったルーデフィスタ先生の言葉に、僕もそうだけど、アルーラは信じられないとばかりに、先生へ食いかかっていた。
「当然の処置でございます」
「どういう事よ! 説明なさい!」
「はい、アルーラ王女様は今回の測定でも戦士としてトップの優秀な生徒であります。そんな生徒に最弱な魔導士の支援強化など、受けさせる訳にはいけまん」
「はああ?! そんな差別的な良いわけがあるもんですか!」
「しかし。万が一にも将来有望な王女の身に何かありましたら、教師としての監督問題になりますゆえ、ご了承願います」
ルーデフィスタ先生が丁寧に頭を下げてくる。
これには、アルーラも強きでは行けないだろう。言い分としてはかなり問題はあるにしても、教師の監督という意味では納得せざるおえないか。
「それなら、親族の者が了承すればなんの問題もないわね?」
突然、後方から聞きなれた声が響いたかと思ったら、関係席に座っていた、ラリーアが立ってこちらを見ている姿が写った。
「な! 聖戦士ラリーア様・・」
驚くルーデフィスタ先生。ラリーアの登場で一変した。
「良いですよね?!」
「は、はい! う、承りました! た、ただ。」
何だって言うのだろう?
「アルーラ様に匹敵する戦士でないと、レバイティ君が相当なハンデを受けることになりますが?」
確かにそうだな。もしこのままレバイティ君にパートナーを選んだとして、その子が戦士としては、まだまだの駆け出し生徒だったら、後々何か言われそうだな。
「それ、私が、レバイディのパートナーに、なる」
突然、生徒の中から挙手する女生徒が現れた。
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