測定会 13
アルーラは凄い!
「別に、変な事は考えてないわよ。単純にクルルちゃんは良い子だと思ったからね。将来フェルのお嫁さんになっても問題ないかなと思ったのよ」
は? なんだそれ?
「い、いったい何でそんな話になるの?!」
「これでも色々考えているの。フェルは私の将来の旦那様なのよ? つまりエルフ族の次期女王候補筆頭の私の旦那様なの。取り入ろうとする女は多くなるのは必然なの。分かる?」
そんな事、考えた事もなかった。
「その時、フェルの傍には信頼のおける人がたくさん居る必要があるの」
「それが、クルルって事?」
「そう。まあ本当に側室になるかどうかは分からないけど、そういう繋がりは作っておくべきなの」
王族って難しい事考えているんだな。
「アルーラ様、ありがとうございました」
「あら、あなた、レノアラーヌさんだったわね」
「はい、レノアとお呼びください」
「そう、分かったわ。レノア、今の話し聞いてたわよね?」
レノアは小さく頷き返す。
ちなみに、クルルは今、少し離れたところでファーナとゴルドのところで話してもらっている。
「とは言ってもまだ可能性の話しだからね? ただ、フェルにとってこの学校、特にE組の人達との繋がりは、将来重要だと思うから、大切にして欲しいの」
神妙な面持ちで聞いているレノア。
「アルーラ様、フェル殿は一体、どういったお方なのです? アルーラ様の婚約者の方というのは分かるのですけど、それを踏まえたとしてもフェル殿に対する保護といいますか、なんと言うのでしょうか・・うまく言葉にできませんが・・」
「ああ、言いたいことは分かるわよ」
「サリダ学校長の就任も、ラリーア様の寮官への着任も、全てフェル殿のためですよね?」
「やっぱり、分かる人は分かるのね」
レノアって凄いな。周囲の事を良く観察している。
「その事は内密にお願い。いつかは話しますからそれまでは知らなかった事にしておいてね」
笑顔でウィンクするアルーラにレノアは、深くお辞儀をして了承の意を示した。
「事情はどうあれ、クルル様にとってフェル殿の存在は大切なものになりつつあります。クルル様を守るのが私の役目ならば、その大切な方を守るのも私の役目であります」
胸に手を当て、僕に向かって頭を下げるその姿は、忠誠を誓う騎士のようだ。
「それは、ロンディ公爵家としての言葉と解しても良いのかしら?」
「! ・・・そこまでご存じでしたか」
え? 公爵? クルルが?
「私は、シーレイン帝国、ロンディ公爵の第一公女クルル・ロンディ様の従者、レノアラーヌ・フリューともうします」
「え? クルルって公爵令嬢なの?!」
「はい、隠しているつもりはありませんでしたが、正式にはお話しておりませんでした事、申し訳ありません」
「いや、そんな事は別に構わないんだけどね」
驚いたな。クルルが公爵令嬢、しかも第一公女ともなれば、時期、王位継承権を持っている事になる。
「それと、先ほどのお答えですが、ロンディ公爵家の言葉ではなく、クルル・ロンディ様のお言葉と解釈していただけますでしょうか?」
「なるほどね。レノアもなかなか大変そうね?」
「恐れ入ります」
二人は、何か分かったような口ぶりで話し合っているけど、僕には何のことやらさっぱり分かりません。
僕が、頭に?マークをいっぱい飛ばしているのが分かったのかアルーラが僕にニコリと微笑んでくれた。
「フェルには後でゆっくり二人っきりで話してあげるね」
おお、優しい笑みの中に、有無を言わさない圧力を混ぜてこないで!
「う、うん」
と、言うしかないじゃないか。
「これだけは、覚えておいてね」
「はい?」
「E組の活動の時、なるべくフェルの事を守って欲しいの。その代わり、クルルに降りかかる何かが発生したなら、いくらでも協力するからね。いい?」
「・・・はい! アルーラ様、フェル殿、ありがとうございます!!」
深々と頭をさげアルーラと僕に感謝の意を示してくれているんだけど?
「僕って何か感謝されることってあった?」
「これからするかもしれないって話し。さてと、そろそろ最後の測定が始まるわよ」
アルーラの言葉を聞いた僕たちは、生徒達の中央に各クラスの先生が集まって居ることに気づいた。
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