測定会 12
アルーラ対クルル!
「おい、あいつ、今何をしたんだ?」
「え? 分かる訳ないだろ!」
「いや、術式の結界だとは思うけど・・・」
「馬鹿か? 術式の結界があんな短時間で構築出来る訳ないだろ!?」
「でも・・」
何やら、周りがガヤガヤとうるさいけど、今はそれより・・
「アルーラ、いつまで頬擦りしてるの?」
「もう少しだよう・・スリスリ」
何が良いのか、抱きついてきたアルーラがず~と頬擦りをしてなかなかやめてくれない。
「アルーラ様、周囲の生徒が見ておりますよ? 宜しいのですか?」
「大丈夫、大丈夫。今、フェル魔力を充填中だからもう少し待ってね」
ファーナが一応、忠告するけど、お構い無しのアルーラだった。
だいたい、フェル魔力って何なんだ?
ギュウ!!
「え?」
「お姉ちゃん誰よ! 今朝もお兄ちゃんと一緒に居たみたいだけど何者なの!?」
いきなり怒鳴りながら僕に抱き着いて来たのは、クルルだった。
ブーブー良いながら、アルーラを睨み付ける姿は、僕より年上とは思えないな。
「お兄ちゃん? フェルの事? あなたこそ誰? こんな幼い子が居たの? 貴女も特待生なのかしら?」
アルーラも自分より年下だと見えるわけだ。
「私は、クルル・ロンディよ! 10才よ!」
「え? 10才?! 私と同い年? うそ~! どう見ても6、7才にしか見えないよ?」
「ふん! 見た目が老けているより良いじゃない!」
「あら、それ私の事を言っているのかしら?」
「え? そんな事も分からないの? いやだ頭まで、老けているんだ?」
カチン!!
え? 今、僕の耳に何かが弾けた音がしたような?!
「言ってくれるわね、年齢詐称の幼児体型!」
「よ! 幼児体型ですって?! 私のどこが幼児体型だって言うの!」
「鏡、見たこと無いのかしら? その植林された針葉樹みたいに真っ直ぐに凹凸の無い身体を!」
アルーラ例えが苛烈だよ。
「う~! 何よ! こういう体の方が歳とってからは若く見えるもん! あなたみたいに10才で爆乳なんて歳とったら垂れて見られたもんじゃないよ!?」
「残念でした。私はエルフ族だからね。2,300年は若いままよ!」
胸を突き出し威張って見せるアルーラ。
「だいたい、何でエルフ族で爆乳なのよ! あなたの一族はだいたいスレンダーじゃないの?」
「フ、フ、フ、私の家系は代々爆乳よ!」
うん、ラリーアも、サーラル様も確かに大きい。
「フェル殿」
二人が言い合っている中、レノアが僕に耳打ちしてきた。
「クルル様とアルーラ様を止めて下さい。女の子としてさすがに看過できないほど恥ずかしい姿を公衆に見せていますから」
確かに。ただでさえ薄手の訓練服を着ているアルーラなのにあんなに胸を強調している姿はさすがに駄目だし、クルルなんか、「ちゃんと私だって胸あるもん!」とか言って両手で胸を寄せているし、さすがに止めさせた方がいいか。
「アルーラ! クルル! 止めなさい!」
「「!?」」
僕が大声出した事で、ようやく恥ずかしい言葉の応酬が止んだ。
「二人とも、ちょっと落ち着いて! だいたいなんで喧嘩しているの?」
「フェル、なんでって! ・・・あれ? なんでだろう?」
「何言っているの、だいたいお姉ちゃんがお兄ちゃんにいきなり抱き着くから・」
「え? だって私達婚約しているんだもの、当然じゃない?」
当然かどうかは別として、アルーラは普段からスキンシップは強めなのは確かだな。
「え? ええ?! お兄ちゃん、結婚していたの?!」
「違う! まだ婚約だよ! 結婚はしてないからね?」
「私は、今でも良いわよ?」
僕はキッ! とアルーラを睨むと、テヘ♪ とか言いながら舌を出してお道化て誤魔化していた。
「ご、ごめんなさい! 私てっきり、お兄ちゃん恰好良いから変な女が襲って来たのかと思って・・」
あらら、クルルが落ち込んじゃったよ。
「ありがとうな。僕の為に頑張ってくれたんだよな?」
「う、うん・・・」
僕はアルーラにも、目配せして何とかしろと訴える。
「え? ああ! えっと、クルルちゃんだったかな。私の方こそごめんね。訳も分からず怒鳴ったりして。あんな登場の仕方したら変な女に見えるよね?」
「そ、そんな・・こと・・」
「そうだ! 私ともお友達になってくれるかな?」
「お姉ちゃんとも?」
「そうだよ! だって私達フェルを大切思う仲間じゃない? ね?」
「仲間・・そう、だね。うん!」
「お姉ちゃん! 分かったよ! 友達としてお兄ちゃんに付く変な虫は私が追っ払ってあげる!」
「ありがとう! クルルちゃんよろしくね!」
「うん! 任せてお姉ちゃん!」
「こら、アルーラ」
「何?」
「上手く、手懐けてないか?」
「そうお?」
アルーラ、末恐ろしい子。
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