測定会 8
レバイディ君、登場。
「そう言われても、測定はここの生徒が全て行うようにするのが義務ですから、する、しない、を一生徒が意見する事などできませんので」
僕が丁寧に反論すると、眉間にしわを寄せ明らかに不機嫌になるレバイディ君。
「生意気な事を言う。私は学校の職員の方々がお前らE組に関わって要らぬ時間を掛けさせるのは合理的でないと言ったまでだ」
「何を言って合理的でないと言うのです?」
「ふん、分からないのか? 魔道具を2台も破壊するようなお粗末な魔力しかない生徒の面倒を見なけりゃいけない事を不合理と言うのだよ」
まあ、確かに魔導具を壊した要因はこちらにあるが、それは不慮の事故だ。
僕は、気になったので後ろを振り向いてみると、クルルが悲しそうな顔をしているのが見えた。
「おい、レバイディ君。あれは事故だ。それ以上でもそれ以下でもない。職員の方に直接聞いてみれば、生徒の不始末なのかどうか教えてくれるはずだ」
僕は、微弱な魔力を言葉にのせレバイディ君に向けて言い放つと、それを真面になんの防御を施していない彼は直接受け止める事になる。すると・・
「本当になまいき・・い? はぁ、はぁ、く、ふ、ふうう、ま、まあいい、今回は、見逃してやるが、こ、今度は、そうは、いかないからな」
明らかに声が震え、何かに怯えている様にも見えた。
僕は、クルルの方を見て、ウィンクして見せると、キョトンとした表情をしていた。
「クルル様、あれはフェル殿の魔力操作ですよ。微弱でしたがフェル殿の言葉に魔力を感じました」
「そうなの?」
「はい、たぶん魔道具が壊れたのは、クルル様のせいではありませんのに、あのいけ好かない男の言葉にフェル殿が怒られたのだと思います」
「じゃあ、私の為に?」
「はい、そうだと思います」
さて、ここで測定をそのまましても問題ないのだけど・・・
「ルールディ先生、ちょっと良いですか?」
「何?」
僕は先生に、他の見事を伝えると、即座に対応してくれると言って、職員さんと話し出してくれた。
「少々お待ち下さい。魔道具に不具合が見られますので、交換の間、フェルさんの測定を一旦止めさせていただきます」
そう言った職員さんが、目の前の魔導具を奥へと持って行くと、ルールディ先生も一緒について行かれた。
「なんだ? またE組の魔導具は故障か? そんなのでは、今までの測定もやはり間違いだった可能性が高いようだな。ははははは!」
勝ち誇ったように笑うレバイディ君。
さっさと終わらせて帰ればいいのに?
「レバイディ君、早く測定を終わらせた方が良いのでは?」
「何、お構いなくだ。お前の測定結果を見てから、私の測定値を見せて格の違いを見せてやろうと思っていな」
つくづく嫌味な男だな。
「お待たせしました。フェルさん、この新しい魔導具で測定をしますね」
「はい、お願いします」
僕は新たに来た魔道具を握り、皆と同じように操作すると、魔晶石に黒い点が発生し、徐々にその大きさを広げていった。
「こ、ここまでのようですね」
その黒い範囲は、魔晶石のほぼ、半分の範囲まで広がったところで止まっていた。
「その、数値ですが・・・」
「あ、それほどでもないですよね。先生にお伝えしてくれるだけでいいですよ」
「そ、そうですか? では・・・」
そう言って職員さんはルールディ先生に報告をしてくれているようだ。
ただ、その職員さんの顔が青ざめているようだった。ごめんなさい。
「はは! その程度か! 私の魔力魂の成長値をみせてやる!」
「はい、拝見いたします」
僕の魔晶石に出来た黒い影の範囲を見たレバイディ君は、勝ち誇ったように笑うと、自分の前に置かれた魔道具を握りしめた。
クルルを悲しませた報いは受けてもらわないと。
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