測定会 7
フェルの測定はまだかな?
「おーい、レノア。大丈夫か?」
「え? あ、はい。大丈夫? ですよね?」
あ、まだ戻って来てないか。
「レノアちゃん! レノアちゃん!」
「え? クルル、様?」
まだ方針状態のレノアにクルルが抱き着いて大声で叫んでいる。
「私、やったよ! なんだか凄いって褒められたよ!」
「ほ、本当ですか?」
「うん、本当だよ! ルールディ先生も凄いって言ってくれたんだよ」
「そう、ですか・・・・ほ、本当ですか?」
お、やっと正気に戻ったかな?
「それと、壊れた魔道具は、別に弁償しなくていいと、言質はとってあるから心配しないでいいからね」
「ほ、本当ですか!!?」
クルルの好成績より、そっちの方が心配だったか。
「私、てっきり、クルル様の魔力魂が不安定で、魔晶石を壊したものばかりだと思って、どうしようかと・・・良かったぁ~」
もの凄く安心した顔になった。
確かに魔導具は高価なものだけど、どう見てもクルルってどこかの貴族の令嬢だと思うんだよね。しかも結構、地位のある。だから魔道具が壊れたからと言って、弁償出来ない事はないと思うんだ?
「ねぇ、クルル、レノア」
「「は? はい?」」
「たぶん二人も色々と事情があると思うけど、もし、もしもだよ、何とも出来ない事が起こったら、力不足だけど僕も相談にのるからね?」
「え? フェル殿?」
「・・・・・お兄ちゃん、ありがとう」
うん、やっぱり何かあるんだろう。この二人。いつか話してくれれば良い。
「さて、次はレノアだぞ。頑張ってこいよ」
「は、はい!」
「レノアラーヌさん、こちらにおいで下さい!」
職員さんがレノアを呼んだ。
「おい、またE組だぞ?」
「まだ、いたのかよ?」
「おい、その前の小さい女の子、あれもE組らしいけど、魔道具2つも壊したそうだぞ?」
「は? なんだそりゃ?」
「学校の備品もろくに扱えないのかね」
「弁償もんだぞ、そりゃ」
詳しい事情を知らずに、周りで見ていただけの生徒達が、ある事無い事を言い出していた。
E組というだけで、偏見を持たれてしまっているのは、僕はともかく、皆は良い気持ちしないだろうな。
それにしても、あまりにも偏見が過ぎるような気がする。
もしかしたら、誰か故意にそういう話に持って行こうと画策していないか?
そんな事を考えていたら、レノアの測定が終わったようだ。
「レノアさんは普通で良かったわぁ」
職員さんがほっと胸を撫で下ろしながら呟いていた。よっぽど、ファーナやクルルの異常性が続いたので、E組担当の職員さん、緊張していたのだろう。
「とは言っても、30あるのよね。十分すぎる程の成長度だわ」
職員さん、少し呆れてきたようだ。
「向こうの、D組より上の方が、心労が少なくて良かったかも・・・」
なにやら、自分達の知らないところで色々と迷惑をかけている様な気がしてきた。
「おーい! フェル! 俺も終わったぞ!」
レノアが終わった頃、ゴルドもようやく終わったのか、手を振りながらこっちに向かってきた。
「どうだった?」
「ん? なんだかよく分からないが、職員さんが困った顔して相談していたぞ?」
「え? まさかゴルドも好成績だったの?」
「なんだか、その言い方、俺には期待していないみたいな言い方だな?」
「そんな事ないさ。ちゃんと信じていたぞ」
さっきまで忘れていたけど。
「まあいいさ。なんでも数値的には58とか言っていたぞ」
数値58? ファーナとまったく一緒じゃないか。ゴルドも凄かった。
「ちょっと、お待ちになってくださいまし。この脳筋男が私と同じ数値ですって?」
「なんだよ? もんくあるのか?」
あ、駄目だまた、いつものじゃれ合いが始まりそうだ。
「じゃ、じゃあ今度は僕の番だから行ってくるね」
「え? はい! 頑張ってきてくださいまし」
「おう、フェル、頑張れよ!」
「お兄ちゃんも、たぶん凄いよね?」
「フェル殿、ご武運を・・」
みんなありがとう。
レノア、僕、戦場に行くわけじゃないから。
さて、今の僕はどれくらいの魔力魂なのか、楽しみだ。でも、せめてクルルに近い数字はほしいかな? 感覚では、前世の時に比べて半分にまで成長していない気はするんだよね。
どんな数値がでるかな?
僕は、クルルとレノアが受けた職員さんが僕の担当さんみたいだ。
「よろしくお願いします」
「えっと、フェル・ディアダナス君ね。きみもE組か。お手柔らかにね」
「そんな。こちらこそご迷惑おかけしてすみません」
さっきからこの担当さんには面倒なことばかり起こしている様だったので、一応謝罪しておいた。
「別に、君のせいでもないし、ましてや、E組も悪くないから謝らなくていいわよ」
「はい。ありがとうございます」
「それでは、始め・・」
「なんだ、お前か? 測定なんかする必要があるのか?」
僕の隣の測定場所に、偶然にもレバイディ君が座ってきた。
偶然なのか?
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