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1年E組 8

学校の朝といえば登校姿。

朝食を終え、登校の準備をしようと一旦自分達の部屋へ戻ったのだけど、


「アルーラは違うでしょ! 戦士課の棟に戻って! ここは僕の部屋だよ!」

「大丈夫! 準備は済ませているし、この部屋の鍵を持っているんだから、私の部屋でもあるわけよ」


自信満々に言いきるアルーラ。

ラリーア! 恨むよ!


とにかく、これ以上言っても無駄のような気がしたので、無視して登校の準備を終え、その後、カルファーナ嬢とゴルドと合流。4人一緒に登校をした。

登校と言っても、同じ敷地内なので、目新しさはないけど、その広さに再度驚いてしまった。

だって、子供の足とはいえ、20分くらい歩かなきゃいけないんだもの。


学生寮から学校までの間、各学年、戦士課、魔導士課の面々がそれぞれある程度のグループになって行動していた。

学校だものね。友達になればどうしても一緒に行動する様になるから仕方ないかなと思っていたのだけど、どうもそればかりじゃ無いような気がしてきた。


「ねえ、あの所々で異様に人が群れて動いている集団が幾つもあるけど、あれって何?」

「あら、知りませんの?」

「うん」

「そうですか、ではお教えしてさしあげますわ」

「うん、お願い」


ボッ!


僕が笑顔で頷くと、カルファーナさんの顔が一気に赤くなった気がした。


「フェル、カルファーナを誘惑しない!」

「え、え? 誘惑なんてしてないよ?」

「カルファーナには、一応、私とフェルの仲は話しているけど、もしフェルが彼女もと言うことなら、側室でも私はかまわないよ? でもその気が無いのに誘惑するのは駄目だからね?」

え? 誘惑? 僕が? カルファーナを?


僕はブンブンと首を振って否定する。

すると、アルーラはため息をつくし、カルファーナはなんだか寂しそうな顔をしてるような?


「もうちょっと、女心を知ろうね? フェル」


なんだかアルーラの表情が怖いです。


「モテル男は辛いな、フェル」


分かったような事を言う、ゴルド。

僕は今一、?マークのままだった。


「あ、あのフェル様、先程の続きなのですけど?」


少しもじもじと控えめにカルファーナが、先程の僕の質問についての答えについて聞いてきた。

僕はもう一度頷く。


「えっと、ですね。あの集団はA組の戦士や魔導士に集まる、B組とかC組の人達ですわ」

「そうなの?」

「はい。アルーラ様もそうですが。A組に在籍するということは、最高の戦士、魔導士に認められる一番近い位置にいる人なんです。それにその力は、概ね遺伝によるところが大きいので、力あるものは貴族として取り立てられ、その子もまた優秀な戦士、魔導士になる確率が高いのですわ」


僕は納得したと大きく頷いた。

なるほど、優秀であればあるほど、地位も高い貴族の子息の可能性が高い。だからこの学校でより高い地位の優秀な生徒に取り入ってもらうために、ああして顔を売るのか。


「え? でもアルーラなんてその筆頭じゃないの?」


フィーレフューナス王国の王女で戦士としてA組に在籍なんだから。


「それは、フェル様がいつも隣に居るからですわ」


不思議な事を言う。

なんで、僕が一緒なら他の人が集まらないんだ。


「アルーラ様がフェル様のことを、パートナーで許嫁だと、昨日散々言いふらしてましたからね。諦めたのではないかと・・」


そんな事してたんだ。

なに嬉しそうに身体をモジモジさせてる?


「はあ、そんな事、ほいほい言う事じゃないと思うけど?」

「だって~、嬉しいんだもん!」


そんな可愛らしく言っても駄目・・・なんだ・・よ・・・・まあ良いか、可愛いから許す。


「それじゃあ、一人で登校したら、どうなるのかな?」

「・・・・・・・よし、校舎が違うから、ここで分かれるので検証してみよう!」


思いつきで実験をしたくなった。


「それでわ! アルーラよろしくね!?」

「え!? ちょ、ちょっと! 待ってフェル・・うわ!」


それはほんの些細な時間の出来事だった。

僕とカルファーナ、ゴルドが、ちょっと向きを変え歩き出したとたん、一陣の風のごとき素早さで、アルーラの廻りに黒い人だかりが出来てしまった。


「す、凄い」

「まだ、フェル様も子供ですから、先はどうなるか分からないと思っている人がいっぱいいるよですわ」

「さすが、王女様人気も半端ねえな」


予想以上だ。アルーラって人気があるんだな。嬉しいけど、ちょっと腹もたつ。


「なんだ? フェル。そんな不機嫌な顔してよ」

「な、なんでもないよ。行こう教室へ」

「よ、宜しいのですか?」

「・・・・・・・・」


バチッ!!


「きゃあああ!」

「な、何が起きた!?」


アルーラの人だかりの真ん中で何かが弾け、一瞬光った。慌てる生徒達が、何が起きたのか探ろうとキョロキョロと回りを見ていた。

つい、やってしまった。


「へへ、フェル、ありがとう」

「べ、別に」


いつの間にか僕の真後ろにアルーラが僕を後ろから抱え込むように立っていた。


「ちょっと、意地悪するフェルもなかなかに可愛い」

「え? アルーラ様?」

「うぉ! い、いつのまに!?」


「私が他の人に囲まれているの嫌だった?」

「べ、別に、ただちょっと可哀想だったかなと思ったのと・・・」

「・・のと?」

「・・・・・・・言いたくない!」

「え~! そこが聞きたいのに!」

「・・・・・・・・・」

「聞きたいな?」


何故に疑問形? 


「う、うう~・・・・他の・・・」

「他の?」

「他の・・男に言い寄られるアルーラ見ているのが、凄く・・・嫌だった・・から・・・・」

「やっぱり、フェルは優しいね」


そう言って僕の頬に軽くキスしてくれた。

今の僕、顔、見られたものじゃなくなっているだろうな?

読んでいただきありがとうございます。またお越しください!!

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