1年E組 1
新章です。E組始動です。
まず、教室に入った瞬間、意外に広い事に驚かされた。
教壇を中心に左手の方に半円状態で後方にせり上がる様に作られた長机。たぶんあそこに座ると教壇とその後ろの黒板を見下ろすようなかっこうになるのだろうな。あれなら、先生の事も黒板に書かれた文字も良く見えるだろうな。
でも、その長机、10段くらいは有りそうだな。これなら50人くらいは入れるんじゃないか? なのに、今僕の目に入ってきている生徒の数は5人くらいだろうか?
女の子が4人、男の子が1人だ。
「皆さん、遅れてごめんね。ちょっと迷子の生徒を探していたものだから」
う、何気に酷い。でも確かに絡まれて迷子っぽくは、なっていたけど・・
「ちっ、こんな分かりやすい場所で迷子になるかよ」
僕を除けば唯一の男子学生が、一番奥の一番窓際に座って、両手を頭の後ろで組んでこっちを睨んできていた。
いや、結構ここまで遠かったぞ? 初めてなら結構分かりにくいはずなんだけどな。
「はは、ごめん。これだけ大きな学校だから分かりにくくて」
「ちっ」
また舌打ちされた。
何が気に入らないのだろうか? こんどちゃんと聞いてみよう。せっかく同じクラスになたんだから友達になりたいしね。
「あら、結構可愛い顔しているじゃない」
今度は一番前の中央に座って、何故か胸を張って威張る姿の金髪ウェーブの女の子。僕の事をジーっと見てくる。ちょっと落ち着かないぞ。
「さあ、フェルさ、くん、適当に座ってちょうだい」
「はい」
僕は丁度真ん中辺りに座ると、一回周辺を見渡した。
さっきの男子生徒の方を見ると、また、チッ、とか言って顔を背けた。嫌われたかな?
後は、最前列の女の子以外に、教室の入り口に近いところに座る女の子が二人。隣同士に座っているという事は、もともと知り合いなのかな?
「はい! 注目!」
ルールディ先生の声が響く。
「全員集まったね。それじゃあ恒例の自己紹介から始めようか!」
ルールディ先生って案外、体育会系な感じがする。見た目は、おしとやかなメガネ美人さんなんだけどな。
「先ずは私からね、名前はルールディ・ディファイ。これから5年間、あなた達E組の担任を任されました魔導講師ね。一応、聖戦姫サリダ様の専属魔導士でもあります。よろしくね」
案外、可愛らしい挨拶されるな。見た目は良いけど、実際の年齢は・・
「フェル君、今、何か言いました?」
「い、いえ!」
絶対にこの学校の関係者は読心術を習得しているぞ?
「それでは、入り口近くの彼女から自己紹介しましょうか」
「はい」
最初の女の子は、長い黒髪の女の子だ。後ろからだから分かりにくいけど、凛とした雰囲気がする、清楚な感じの女の子と言うより大人の女性って感じがする。
彼女は立ち上がると、僕達の方に向き直ると、背筋を伸ばした。
「レノアラーヌ・フリュウ、水人族です。11才です」
大きくお辞儀をする。いや、ちょっと深くお辞儀しすぎじゃない? 物凄く真面目なんだろうか?
お辞儀が終わると、スーっと姿勢を直し着席した。
「あら、それだけ?」
「はい。駄目でしょうか?」
「いえ、いえ、問題ないですよ!」
「そうですか?」
凄く淡白な人なのかな?
「次、そのお隣の彼女、お願いしますね」
「は! はい!」
お、今度は、元気な声の子だな。
「お、お初にお目にかかります! クルル・ロンディと言います! 水人族、10才です。将来は戦姫の専属魔導士になるのが夢です! どうぞよろしくお願いします!」
ほんと、元気の良い子だな。水色の短い髪がパタパタと忙しなく動く。じっとしていられないって感じだな。可愛いらしい女の子だ。
「はい、よろしく! では次、正面の彼女どうぞ」
ルールディ先生が、声を掛けると、その彼女は立ち上がり僕達の方を振り向いた。
「おーほほほ! 皆さま! お待たせしましたわ!」
別に待ってはいないけど?
「この私が自己紹介のような、はしたない事は本当ならいたしませんが、今日は特別に私の事をあなた達に教えて差し上げますので、よおおおく、お聞きくださいまし!」
金髪ウェーブの美少女なんだが、喋り方は貴族のおば様方のようだった。
「私の名は、普人族の貴族、オリバーン辺境伯家の長女にして、グルフェル様の再来とまで言われております、カルファーナ・オリバーンと言いますのよ。今は9才ですが、再来月には10才になりますわ。何か分からない事がありましたら、私を頼って下さいまし。無学なあなた達に、魔導士とは何たる者か、事細かく教えて差し上げますわ。オーホホホホ!!」
たぶんこのクラスの中で僕以外には一番背が小さいと思う。
だけど、態度は一番大きいかも?
「はい、とても元気が有ってよろしいですね。でもあまり地位や権力を見せびらかすのはこの学校では、禁止ですからね?」
「え? え?! は、はい!!」
あれ? 案外可愛らしいところもあるのかも?
「さて、それでは窓際の君、どうぞ」
「フン! ゴルドラン・ブルスダーだ、普人族だ。11才だ」
・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・あの、それだけですか?」
「十分だろ?」
「い、言え、もう少しですね?」
「もう良いよ! 次だ、次!」
赤に近い茶色の髪に背格好は、結構鍛えてるのか大きくて筋肉質だな。その顔というか目つきが怖い印象の男の子だった。
うん、魔導士には見えないかも。
はあ~、このE組、くせ者ばかりだった。
読んでいただきありがとうございます。
是非、次も来て下さい。




