入学 11
ライバル? 登場でもちょっと
さて、1年Eクラス。案内ではこっちで合っているよな?
僕は、学校の案内図を片手に自分がこれから1年学ぶ教室へと向かっていた。
先ほどまでいたエントランスホールから、クラス毎に別れてそれぞれの教室に向かったのだが、別れるのが寂しいからと、アルーラに抱きつかれてしまい、その間に皆が教室に向かってしまったので、一人、置いてきぼり状態になってしまっていた。
「さて、結構、教室、奥の方だな」
この学校、その特殊性もあるのかもしれないけど、どの建物も異常に大きいし、その装飾も結構凝っていて、ここが皇宮と言われても納得してしまうだろう。
天井も高いし、床に使われている石も綺麗に磨かれた天然石を加工したものだ。等間隔に配置された窓にも全てガラスが使われている。大きさもそうだけど、これだけのガラスの窓があること事態が普通じゃない。
それだけこの育成学校の意味が大きいということだろう。
「おい! きさま!」
突然、男の声が廊下に響いた。
ん? 僕の事かな? たぶん? 周囲を見渡すけど、長い廊下には僕以外、その呼び留めた男の子しかいない。
「あのう? 僕の事でしょうか?」
「他にだれが居ると言うのだ!?」
「はぁ、まあそうですね」
やたらと、威張る君だな。
歳の頃は13、14才くらい? アルーラよりちょっと上かな? 体つきががっしりしているし、顔も強面だし。
「たるんだ返事だな? なんでこんな奴が!」
どうにも良く分からないな。とりあえず聞いてみるか?
「あのう、あなたは? 僕に何か御用でしょうか?」
「は! そんな事も判らないのか!?」
それは無茶ですよ。
「さすがに、見当もつきませんが? 先輩に会うのも初めてですし」
「先輩? 何を言っているんだ? 俺は11才だぞ? お前達と同じ新入生だ」
え~!? ちょっと老けすぎじゃないのか?
「お前、今、俺のこと老けているとか思わなかったか?」
「い、いえ、そんな事・・」
ここの生徒はみんな読心術でも習ってるのか?
「まあ良い! 問題はそこではないからな!」
「はあ?」
「きさま!」
怒りをぶちまけるみたいに、いきなり指さして怒り出す彼、いったい何なのか?
「はい?」
「きさまのその腑抜けた態度を見て確信した! お前は、アルーラ・ミレ・フューナス様に相応しくない! そっこく学校を辞めここから姿を消すのだ!」
ムッ! いきなり何言い出すんだこいつ?
「よく言っている意味が分からないのですが?」
「は! これだから学と地位の無い人間は駄目なんだ! お前みたいなボケボケの子供がアルーラ様と仲良くしているのがおかしいと言っているんだ!」
「は? 何を言ってるんですか? 僕とアルーラが仲良くして何がいけないのですか?」
「そんな事も分からんのか? じゃあ頭の悪い貴様でも判るように教えてやろう!」
「・・・・・・・」
「いいか、アルーラ様はエルフ族の次期戦姫に一番近いお方なのだ。貴様のような無属性の子供魔導士が近づいて良いお方ではないのだ!」
「無属性じゃないですよ? 支援属性がちゃんとあります」
僕が反論すると、あざけ笑う様な顔で見下してきた。
「お前はやっぱり馬鹿だな? 支援属性は魔導士なら誰でも持っているから、属性持ちとは言わないんだよ! 攻撃力の高い、火水土風の四元属性と、耐性強化属性、闇属性の三持ちの俺の様な優秀な魔導士を真の魔導士と言うのだよ!」
そんな事は分かってるよ?
「そういう点で俺は! アルーラ様に一番相応しい魔導士なんだ! お前が出る幕じゃないんだよ!」
「そんなにあなたは凄い魔導士なんですか?」
「は? 俺を知らないのか?」
知るわけ、ないでしょ。今、会ったばかりなんだから。
「お前、相当な田舎者だな? じゃあ教えてやろう!」
白地に金糸で刺繍された豪華な魔導士用のローブを片手でバサッ~て広げて、僕の方に腕を伸ばしポーズを決めてきた。
いちいち、派手な男だな?
「俺の名は、レバイディ・ルーデフィスタ。普人族のフューマレーフェン王国の大貴族、ルーデフィスタ侯爵家の嫡男で、天才と幼き頃から呼ばれる、真の魔導士だ!」
胸を張り、ローブを必要も無いのに翻し、ふんぞり返るレバイディ君。
こんな恥ずかしい事を自己紹介する時、全てにしているんだろうか?
「あの~、恥ずかしくないですか?」
「!!!!!! き、貴様あああ! この私を侮辱するのか!?」
「いえ、そんなこと。でも僕ならそんな自己紹介出来ないなと思ってですね?」
「なんと、無礼な! もういいここでお前を不敬罪でその首を落としてやる!」
激高し我を忘れたのか、レバイディは、腰に下げていたサーベルを抜き、その手に持つと、その切っ先を僕に向けて突き付けてきた。
血の気の多い男だな。でもどうしよう、こんなところで魔法を使っても良いのだろうか?
「あなた達! 何をしているのですか!?」
僕がどうしようか悩んでいると、廊下の向こうから血相を変えて走ってくる、ルールディ先生を確認することが出来た。
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