入学 10
クラス分け。思惑が、
「う~、クラス分けかぁ~、さすがに戦士課と魔導士課だからね、フェルと一緒という訳はいかないもんね」
「それは、仕方ないよ。でも合同演習もけっこう有るらしいし、座学などは結構合同もあるみたいだよね?」
「まあ、それで我慢するしかないね。でもフェル、私が居ないからって浮気しちゃだめよ?」
アルーラ、目がマジで怖いよ。
「だ、大丈夫だって・・ね? そ、それよりほらクラス分けの発表みたいだよ」
僕は、エントランスの吹き抜けに張り出すように作られた2階廊下手すりに括られた、長い布の様な物に注目するようアルーラを促す。
あの布には、クラス分けの名前がそれぞれ書かれているとのことだった。
クラス分けは入学試験の結果と、適正、属性などを加味して分けられるそうだ。
まあ、入学出来ているわけだから、その時点でそれなりの実力なのだろうけど、個人格差はこの年なら結構あるはずだからね。現時点でのレベルが似たような者を集めて、授業さえた方が効率はいいだろうけど。
「それでは、これよりクラス分けを発表します。確認した者から、それぞれの教室に向かう様に、いいですか?」
「「「「はい!」」」」
ルールディさん、違うか、ルールディ先生の言葉に、生徒の皆が一斉に返事をする。
それと同時に巻かれていた布が解かれ、廊下の手摺に垂らされた。
クラスは戦士課、魔導士課でそれぞれA~Dにクラス分けされており、それぞれに名前が30名ずつぐらい書かれていた。
「アルーラは、あった。戦士課のAクラスだね。さすがトップクラスだね。おめでとう」
「ありがとう、でもあまり意味は無いけどね。結局は、魔導士との相性で自分の能力も全然違ってくるからね」
「でも、基礎がしっかりしてないとやっぱり伸びないもの。その点アルーラは今の時点でもトップ戦士として活躍できるだけの実力があるから当然だね」
「へへ、フェルにそう言われると、ちょっと嬉しいかな」
お、照れている、照れている。うん可愛いよ。
さて、僕はと・・・あれ? 無い?
「おかしいよ? フェルの名前が無い」
「そうだね? 何かの間違いかな?」
僕と、アルーラは、何度も見直すけど、結局僕の名前は無かった。
「ごめんなさい、もう一クラス出してなかったね。今出すから確認して」
ルールディ先生が、指示をして職員の方がもう一つの布の巻物を手摺に括りつけて垂らした。
そこには、他のクラスとは違って、10人にも満たない名前が書かれていた。
魔導士課Eクラス。
「あ、あった。フェルの名前があったよ」
「本当だ。でもEクラス・・・Dよりも下?」
「なんだ、あれ?」
「Eクラス? そんなのあるんだ」
「え、でも最低でもDクラスって聞いていたけど?」
「は? じゃあDにもならない最低の成績なのか?」
「いや、そんな者が、この育成学校にそもそも入学出来る訳が・・」
「待って、あの名前、殆ど貴族だよ」
「それも、かなり有名な・・・」
「「なるほどな・・・・」」
周りにいる生徒がガヤガヤと、騒ぎ出していた。
色々な憶測を巡らし、行きついた答え。まぁそう考えてもおかしくないか。
つまり、成績は悪くても、有力貴族なので無下に入学を拒否することも出来なくての処置。
「私、ちょっとお婆様に文句言ってくる!」
「だ、駄目だよ!」
「どうして?! フェルの実力はお婆様達が一番知っているのに!」
「何か考えがあるんだよ! ね? だから怒らないの、美人が台無しだよ?」
「う・・・フェルがそう言うなら・・」
ふう、今にも跳び出しそうな勢いのアルーラを何とか宥めたけど、怒りが収まらない様子だ。
「おい、あの連中、無属性らしいぞ?」
「は? 無属性で魔導士?」
「そんなのあるのか?」
どこからそんな噂を嗅ぎ付けるのか感心する。けど無属性? つまり支援属性しか持っていない魔導士か!?
そういう事か、ラリーア、サリダ。
僕が、彼女達の方を見ると、彼女達も僕の方に微笑み返してきた。
「なお、各クラス担任は後ほど教室でそれぞれ紹介されますが、私ルールディはこのEクラスの担任になります」
「「「「「「えぇえぇえぇえぇえ!!!」」」」
今日何度目かの悲鳴にも怒声にも聞こえる声が上がった。
学校での生活面白くなりそうだな。
僕は何故だか、心が弾むほどに楽しみだと感じていた。
読んでいただきありがとうございます。
是非、次もお越しください。




