入学 6
入学式!
「それでは、第275期生、連合共立魔戦育成学校ラグスウィル校の入学式を執り行う!」
学校教員の宣言にて入学式が始まった。
僕達は今、連合共立魔戦育成学校ラグスウィル校、通称、ラグ校の講堂に、新入生としてこの場にいた。
入学式前、最初に僕達が集まったのは、本学舎の正面玄関から入った大ホールだ。そこで待っていた事務局の方に受付をしていただき、戦士課と魔導士課に先ず分けられる。
この時、アルーラが、僕と離れるのが嫌だと手を離さなかったという事態が起こったが、さすがにそれはまずいだろうと、何とか説得した。
この時はまだ会うのが初めてという子ばかりだったので、アルーラがエルフ族の王女だという事は分からなかったようで、特に騒ぎにはならずにすんだのは幸いだった。
それからは、戦士課と魔導士課に分かれて講堂へと入り、今に至る。
それにしても、この講堂も異常に大きい。屋根はどうやって支えているのかと不思議に思う程に中の空間が大きく、僕がしるコロシアムよりも広いくらいだ。
その中に、新入生が、戦士課が150名、魔導士課が200名集まり、それ以外にも5年生までの在校生が1000人程、僕達の後ろに座りこの式を見守っておられた。
そのまた後ろには、新入生の家族などもあつまり、総勢2000人程がこの講堂にいる計算だ。
だが、そんな僕達とは違う、講堂の正面舞台の左右上部客席には、この式に関係する各国の要人が僕達を見下ろすように鎮座されていた。
「それでは、最後に、新入生を励ましていただくために今日お越しくださいました、戦姫とそのパートナーであられる賢者の方がをご紹介いたします」
「ウォオオオオオオ!!!!」
「キャアァアアアアア!!!」
おお? なんだこの異様な雰囲気は?
「今年は、いつになく多くの戦姫様が来られているからな、こんな事は滅多にないぞ!」
「私、この入学式に出られただけで、もう十分だわ!」
「それにだ、今年は聖戦姫様も来られているらしいぜ?」
「本当!?」
「ああ、なんでも、戦姫様の親族が何人か、この戦士課の新入生の中にいるという噂だ」
「それで!」
「ああ、私を見初めてくれないかしら・・」
「俺もアピールして、玉の輿だぜ!」
「・・・・・・・・・今の若い子は、なかなかに強欲だな。僕も見習わなきゃいけないのかな?」
「それでは、まず初めに我がラグスウィル帝国の戦姫であられ、現女帝であられる、サリエダ・ラグスウィル様! そしてパートナーの賢者リリエ様!!」
紹介と共の客席に座っていた、サリエダ様が立ちあがり手を僕達の方に向け振られた。
「きゃああああああ! サリエダ様!!」
「サリエダ様、可愛いい!!」
「リリエ様ああああ!!」
す、凄い人気だな。特に教師全員が、総立ちになって拍手で迎えている。
「若人よ! 努力を惜しまず突き進め! 君達の未来は輝かしいものだと私は信ずる!」
!!! 物凄い拍手が講堂にあふれた。
しかし、声援の中に可愛いという言葉があちこちから聞こえる。まあ確かにサリダに似て身長があまり高くないからな。
それに比べてパートナーの魔導士リリエ様は身長が高い。ルールディさんよりも高そうだ。
「続きまして~! ラグスウィル帝国の盟友! 隣国ミレフューナス王国からお越しくださいました、サーラル・ミレ・フューナス女王殿下!! そしてパートナーのヘルテス・ミューヘン様ぁ!」
「サーラル様だわ!」
「お美しい!!」
「賢者、ヘルテス様ぁああああ!」
「お慕いしております!!!」
サーダ様と入れ替わるように立ち上がり、生徒達に向け優しく微笑みながら手を振るサーラル様。この微笑む姿は、昨日とは別人の様だ。
「!?」
今、僕の事をキッ! と睨んで来なかったか? まさか僕の思っている事が分かったのか? はは、まさかね。
それは良いとして、なんだか入学式が、何かの催しの様になってきてないか?
「さあああ! 皆さま! お待たせいたしました!!! 最後のこの御二方をご紹介いたします!! 300年前の異界大戦にて、アマラス神様より加護を授かり、聖の文字を頂く最後のお二人。邪竜神との激しい戦いを今の世に伝える伝道者!」
うん、完全に主旨が違ってきているような気がするけど、これだけ皆が喜んでいるのなら問題無い・・・のだろうか?
「我等が英雄! 先女帝であられる、聖戦姫サリダ・ラグスウィル様とパートナーのルールディ・ディファイ様!! そしてぇ! ファルナザード世界の至宝と言われる美しさは誰もが認めし常識、聖戦姫ラリーア・ミレ・フューナス様だああああ!!」
「きゃああああああああああああああ!!!!!」
「ううぉおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
「ご尊顔を拝し、これ以上に喜びございません!!」
「初めて見たよおおおお!!」
「うう、な、涙で何も見えないわ! でも見たい!!」
「サリダ様ああ! ラリーア様ああ! 結婚してください!!!」
講堂に居る皆が席を立ち、拍手喝さいと声援を、二人に送っていた。
ただ、あまりにもの大声援で、講堂の窓ガラスがビリビリと響き今にも破壊されそうだった。
改めて二人の存在が、今のこの世界でどれだけ重要かを物語っていた。
サリダは、無い胸を目一杯膨らませ小さい体を仰け反り、どうだと言わんばかりのポーズをとる傍らには、ごく自然な微笑みをしながら、小さく手を振るラリーアの姿があった。
鳴りやまない声援と拍手。
これ、本当に入学式だよね?
読んでいただきありがとうございます。




