平穏な日 9
フェルの訓練開始です。
「おはようございます」
「おはよう! ルールディ先生!」
「お、おはよう。フェルさん、アルーラ様」
今朝も、いつもの修練場で、僕とアルーラ、そして僕の魔導師の師として色々教わっているルールディ先生の三人があつまり朝の挨拶から始まっていた。
しかし、ルールディ先生は相変わらず人見知りだね。そろそろ僕に馴れて欲しいのだけど。
「ルールディ先生! 一つ質問があります!」
「な、何でしょう? アルーラ様」
いきなり質問から入るアルーラ。嫌な予感がする。
「先生はフェル君を何故呼び捨てにしないのですか? 生徒ですよ? ルールが先生なのですよ? 物凄く年上なのですよ? フェル君、王族でも貴族でもないのですよ? なんでさん付けなんですか?」
そこに食いつくわけか!?
「え、え、でも、その・・・魔力の質、と言いますか、色と言いますか、雰囲気といいますか、その、ですね、凄く、ですね、素敵なのですもの・・」
ポッ
ってなんでそこで頬を赤くするんです! アルーラが勘違い・・・
アルーラの目が小動物を狙うフクロウみたいな目になっている!
「5才児に欲情するなんて、しかもルールは150才はいっているおばあちゃんのくせに。信じらんない!」
欲情って、僕に? え? それより150才なの? 全然見えない。まだ10代後半かと思っていた! そうか吸血鬼族のサリダの眷属になったせいか。ルールディさんって普人族なのにその年齢はそういう事か。
「ち、違います! ただたんに、魔導士としての興味といいますか、憧れみたいな感じなんですよ!」
「5才児に憧れるのは変態というんですよ!」
「変態じゃないもん!」
ないもんって、可愛らしい、けど150才?
「じゃあ、これは何?!」
と言って、アルーラは神業の様な鋭さで、ルールディさんの只でさえ短いスカートをおもいっきりめくりあげた!
「きゃあああああ、な、なんて、事するんですかあ!!」
「それはこっちに台詞よ! 何この透け透けのパンツは!? これでフェル君に言い寄るつもりなのね!」
「違います! これはサリダ様の趣味です! 朝、ベッドの中でこれを履かせていただいたので・・・ポッ」
こら! アルーラ! 見ちゃったじゃないか! しかもサリダ様が、ベッドの中で
って・・・・想像したら、顔から火が出そう・・・
「ああ! フェル君! 今想像したでしょ! 駄目よ! 想像するなら私にして!」
ああ、駄目だ、顔が熱い、頭がボーッとする。アルーラ、朝から何言ってるんだよ?
「お前ら、朝から何をやっておるのじゃ?」
僕達のお笑い芝居でグダグダになっているところに、サリダ様が眉間にシワを寄せながらこちらに歩いてこられた。
僕より少し背がある程度の身長に、白磁の様な肌と、ウェーブのかかった金色の髪に鮮やかな赤色を持つ瞳の少女。
フリルがいたる所にあしらわれた紺と白のコントラストが特徴的な服装が、作り手が命をかけて生み出した人形の様に、怪しい美しさを漂わせていた。
と、言ってもしょせんは、幼女にしか見えないその体型では、一部の変態を除けば、ただの子供にしか見えないだろう。
「フェル、君、だったかの?」
「はい?」
「今、変な想像したじゃろ?」
ブンブンブン!!
僕は一生懸命に首を横に振る。
うう、そんなに、じぃ~と見つめないでください!
「まあ、良いわ。それより早く修練を始めんか! あと、アルーラにはルールを虐めた罰として、ルールが直々にお主を支援強化するのでな、魔導士との共闘訓練を実施しろ。ただしアルーラの体には、超荷重の魔法も掛けるからな」
「えぇえぇえ! そんな無茶言わないでください!」
「ふん、ルールを虐める奴は、皇帝だろうが神だろうが、このあたいが許さん!!」
「サリダ様・・・」
ルールディさんが、サリダ様を恋する乙女の瞳で見つめていた。
そう言えば、サリダ様って昔から女の子が好きだったよな? それにしてもルールディさんを相当可愛がっているんだな。
「それじゃあ、ルール、アルーラの嬢ちゃんの訓練を始めるのじゃ!」
「はい! サリダ様! 頑張ります!」
「ちょ、ちょっと待って!」
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