平穏な日 7
吸血鬼登場?
「サリダ? フェル君、君は・・・」
ラリーア様が、僕の呟いた言葉を聞いていたのをこの時は分からなかった。
ドーンン!!
僕とルールディさんとの間へと地面を突き破るかのような勢いで、銀髪の美少女が降って来た。
そのあまりの勢いに地面は彼女を中心に2~3メートル範囲でヒビが入り陥没した跡が残り、土煙と爆風が舞い起こった。
「きゃ!」
その爆風のせいで、ルールディさんの短めのスカートが巻き上がり見えちゃいけない物がちゃんと見えてしまっていた。
今までよりもさらに赤い顔をしながら両手で前と後ろを必死に隠して恥ずかしがるルールディさん。
しかし僕より背がかなり高い、というより僕が5歳児の上に栄養不足で成長が他の普人族より遅い事もあったかなり身長が低いので僕の目線はルールディさんのお尻あたりより下になってしまうので、手で隠されてもあまり効果が無かった。
僕は慌てて横を向き視線を外したのだが、そこには僕の事を不機嫌そうに見るアルーラの姿があった。
「フェル君、ルールディさんのを見た?」
僕は必死で首を横に振った。
「見たんでしょ?」
ブンブン
「しっかりと見たよね?」
ブンブンブン
「酷いよ! 私のは今朝断ったくせに!」
「断ってない! じゃなくて見てもないからね!」
何を突然言い出すこの子は!
「あら、朝からそんな事していたの? フェル君も小さいのにいっちょ前の男の子なのね?」
「ラリーア様! 違います! 僕は何もしていません!」
「あら、いいのよ?」
何が、いいんですか!
「お前! あたいのルールのパンツ見たわね・・・」
「見ていません!」
って、なんで僕が怒られているのかな?!
「私以外のしかも異性が見たなんて・・・許すまじ!」
「サリダ! 勝手な事を言わないで! 自分のせいでしょうが!」
「何を! あたいの大切なルールのスカートがめくれそうになったら、目を潰してでも見ないようにするのが、当たり前じゃ!」
「そんな理不尽な事、誰が出来ますか!」
あ! こら! アルーラ! いきなり訓練用のスパッツを脱ごうとしない!
サリダ! 拳に魔力を乗せて僕に向かって振りかぶらない!
「サリダ! そんな威力の魔力を乗せた拳を振り下ろしたら、ここら辺一体が吹き飛ぶよ!」
「はん! お前以外ならかすり傷程度で済むから大丈夫じゃ!」
・・・・・・・・・・・・「止めてください!!!!!」
混乱の中、ひときわ甲高く大きな声が響いたというより爆発したように轟いた。
僕は咄嗟に耳を手で防ぎ、その上に遮音防壁の結界を小さいながらも発生出来たので、ちょっと頭がフラフラとした程度に済んだのだが・・・
アルーラとサリダは耳を手で塞ぎながら地面をのたうち回っていた。
何故かラリーア様は平然と立っておられる。
あれ? 耳に手を当てて? 耳栓を取り出していた。
1人冷静に見ていたラリーア様だったから、たぶんこの声の主、ルーノルディ様の奇行に対処できたのかも?
さすがです。
「さて、一先ずお茶にでもしましょう。ルーノルディ、フェル君、良いわね?」
「は、はい、ありがとうございます」
「はい! ラリーア様! それと、フェル、君でしたね」
相変わらず、もじもじと恥ずかしそうだけど、先程よりはちゃんと僕を見て話しだしてきてくれるルーノルディさん。
「はい、先程は失礼しました」
「いえ! 私の方こそ取り乱してしまってごめんなさい。小さい男の子なのにあまりにも丁寧なご挨拶でびっくりしたのと、君の魔力の力というか、雰囲気というか、それに中てられてパニックになってしまったみたいなの。たぶん君の魔導の素質に私の魔導感性が大きく反応してしまったのね」
そうか、このルーノルディさんって精神系の魔導が得意なのかな? 魔力感応度が異常に高いんだろう。たぶん僕の前世の魔導士としての何かを感じたのかもしれないな。
これは気を付けておかないといけないかもしれない。
「でも、その歳で私の感性が震えたんだもの、相当有望な魔導士になれるかもしれないわ・・」
ルーノルディさんがおずおずとだけど、僕に手を差し出してきたので、僕もそれに応えて手を出し握手を交わした。
「いえ、若輩者ですが、先生の教えを守って魔導の一端を掴みたいと思います。よろしくお願いします」
「は、はい! よろしく・ね」
うん、背は高いけど、顔もそうだけど凄く可愛らしい方だ。
僕とルーノルディさんの挨拶が終わると、ラリーア様が手招いてくれ、お茶の席の方へと三人で向かったのだった。
・・・・・・・・・・「アルーラ・・・」
「なんですか、サリダ様?」
「あたい達の扱い酷く無いか?」
「サリダ様が、訳の分からない事を言い出して魔力をぶっ放そうとするからですよ」
「・・・・・お前だって、変態じゃないか」
「私のはお茶目な可愛いものです」
「・・・・・・・・あたい達も行くか?」
「・・・・・・・・はい」
耳の鼓膜も正常になったサリダとアルーラが皆の後を、トボトボとついて行った。
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