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幸か不幸か? 転生 10

打明けないのが良い事なのだろうか?

うわ! なんだその悲しい加護は? まあこの女神様を見ていたらしっくりくる加護のような気は、するけど・・・


「ああ! なんか馬鹿にしてるでしょ? これ凄いんだからね! 自分を大切にする加護なんだよ? グルフェル君みたに自己犠牲して周辺の人を悲しませない、とっても役にたつ加護なんだからね!」


そう言われると、反論のしようがないな。


「はあ、分かりました。多少抵抗はありますけど、もらっておきます」

「なんか釈然としないけどまあいいわ」


ボーン、ボーン、


ん? 時計の音。あれまだ5時か。少し早く起き過ぎたんだな。


「ああぁ! いけない! もうこんな時間じゃないの! 定例会議に間に合わない!」


時を告げる時計の音を聞いた途端慌てだしたぞ? 神様ってそんなに時間に縛られてるのだろうか?


「それじゃあ、私は帰るから後はグルフェル君に任せるわ! じゃあね!」


忙しい人だな・・いや神様か。

唐突に言いたいこと言って、いきなり消えてしまわれた。悪い女神様でないのは分かるけど威厳を全然感じなかった気がする。


僕は一人ベッドの上で、静かになった部屋の天井を見つめながら、重苦しい決断を迫られていた。


「転生の事、話しとくべきだろうか?」


でもそんな事、はいそうですか、なんて納得できるわけもないし・・・どうしたものか。

僕が頭を抱え悩んでいると、バタン! と大きな音と共に部屋の扉が開かれて、女の子が走り込んできた。


「僕! 一緒に朝御飯食べよう!!」

「アルーラ様?!」

「ああ! 昨日も言ったけど様は駄目だよ! 私と僕は友達なんだからね!」


そう言いながら、ベッドの上に上がり込んで僕の顔に思いっきり頬擦りしてくる。


「ちょ、ちょっとアルーラ様!」

「アルーラ!」

「・・・・アルーラ、なんでいきなり頬擦りされるんですか!」


キョトンとしてそんな不思議そうに見ないでください。


「え? 嫌なの?」

「べ、別に嫌とかでなくてですね、可愛らしい女の子がいきなり頬擦りしてくるなんて恥ずかしいじゃないですか」

「あ、照れているんだ! 可愛いい!! お姉さんがもっと良いことして挙げる!」


目を輝かせて僕に覆い被さってきたアルーラを、まだ力のでない体の僕には押し退ける事なんかできるわけがなかった。

て、貞操の危機!


「ゴオオオオ!!」


風?

そう思った瞬間、アルーラが吹っ飛びゴロゴロと部屋の隅まで転がって行ってしまった。


「まったく、誰に似たんだか? 僕、大丈夫だった?」


いつの間にかいらっしゃたのか、ラリーア様が入り口の方に立っておられた。

ああ、手をかざしてるって事は彼女が風の魔法を操ってアルーラを吹き飛ばしたのか。

僕は納得すると、ラリーア様にお辞儀する。


「助かりました。ラリーア様」

「ごめんなさいね。あの子がこんなに懐くなんて、よっぽど僕の事が気に入ったのね」


まじまじとラリーア様が僕の顔を覗き込んできた。

こ、こうして間近にちゃんと見ると、確かにラリーアだ。昔の可愛らしさはなりを潜めてしまったけど、そのかわり凄みのある美しい女性になっていた。


どう見ても20代後半の女性にしか見えないけど・・・それほど余命は・・・

うん、僕の事は話さないでおこう。

今更、転生したグルフェルだなんて言っても混乱するだけだし、今が幸せならそれでいいじゃないか。


僕は、彼女に転生の事は話さないでおくことにした。


「どうしたの? 難しい顔をして」

「い、いえなんでもありません。それより、こんなに手厚くしていただいて本当によろしかったのでしょうか?」

「あら、やっぱり子供らしさが無いわね。いいのよ。アルーラがあなたの事を気に入ったみたいで絶対に面倒をみるんだって! 騒ぎまくったのよ。ここで僕が断ったら大変なことになるわよ?」


いったいどう大変な事になるんだ・・・ああ、今も押し倒されて貞操の危機だったからな。5才の幼児に手を出すくらいだから、怒ったら何をするか分かったものじゃないかも?


「分かりました。僕も自分の身の危険は出来るだけ回避したいですから」

「それが良いわよ」


ウィンクして見せる、ラリーア様だった。


「それと、アルーラ! あなたこの僕に教えてあげる事があったんじゃない?」

「ああ! そうだった!」


復活されたアルーラが、一瞬でベッドの横まで移動してきた。

それにしても凄い運動能力だな。さすがわ聖戦姫の孫なのかな?


「えっとね! ジャーン! 僕の名前を考えてきました! 拍手ううう!」

「・・・・・・」

「お婆様も僕も乗りが悪いなあ?」


いや、エルフ族ってもう少し、物静かな一族だったと思ったんだけど・・全然騒がしいぞ。


「はい、拍手!!」

「「わーパチパチパチ」」


機嫌を損ねないように、僕とラリーア様が拍手を重ねる。


「んん? 微妙な感じだけどまあ良いでしょう!」

「ダラダラダラダラダラダラダラ! バン!」


なんだこの効果音モドキは?


「僕の名前は! フェル君です!!」


え? フェル? まさか気付いてるのか? 僕がグルフェルの転生した姿だって。


読んでいただきありがとうございました。

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