《聖女パーティー》エルマ視点22:余計なことしてんじゃないわよ!?
テラさまに続き、トゥルボーさまからもお力を賜ったあたしたちは、次の女神のもとへと向けて旅を続けていた。
なんでもここから遙か南西の海域に、水の女神――シヌスさまがいるらしい。
となれば、まずは近い町まで向かうしかない。
そう考えたあたしたちは、アフラールから街道を南に進み、軍事都市――ベルクアへと到着したのだが、
――たゆんたゆんっ。
「あの、聖女さま……?」
「はい、なんでしょうか?」
慈愛の微笑みで振り返るあたしの胸元を小さく指差しながら、ポルコが控えめに言った。
「もう町に入りますし、その防御壁は必要ないのではないかと……」
「……」
微笑みを崩さないまま、あたしは自身の胸元を見下ろす。
そこにあったのは、それはもうたわわに実ったバストだった。
歩く度にたゆんたゆん揺れるほどの代物である。
が、もちろん本物ではない。
トゥルボーさまから賜ったサブスキル――《エアバッグ》の力により、胸元に風の防御壁が出来ていたのである。
何故ほかの部位だと外側に出来るのに、胸元の時だけ服の中かつこんな巨乳みたいな形になるのか。
それを議論することほど愚かなことはこの世にないので、あたしは一切語るつもりはない。
……。
ないったらないの!
「何を言っているのです? ポルコ。身の危険というのは、いつどこから降りかかるかしれたものではありません。ゆえにたとえ町の中であろうとも、常に意識を張り巡らせておかねばならないのです。とくに心臓は命の要。胸を守ることを第一に考えるのは当然のことと言えましょう」
「な、なるほど。そういうことでしたか」
納得したようにポルコが頷く。
ふん、チョロいもんね。
どうせあんたもあれでしょ?
巨乳になったあたしの魅力にがっつりやられてるんでしょ?
分かってるんだから。
あんたの視線がいつもよりいやらしいってことくらいね。
でも困ったわ。
ただでさえ絶世の美女なあたしがこんなバストまで手に入れちゃったら、もう無敵なんてレベルじゃないじゃない。
馬車に乗せてくれた商人もあたしの胸をちらちら見てたし、このままだと清純な聖女のイメージで通っているあたしが男どもの性の捌け口になっちゃうわ。
あー困った困った、と今から男どもの反応を想像して、内心にやけ面の止まらないあたしだったのだが、
「そういうことでしたら――是非この不肖ポルコめも存分に警戒させていただきます!」
ぼんっ! と豚が爆乳化する。
……はっ?
え、この豚何してんの?
そんなのどう見たって不自然じゃない!?
てか、あたしの巨乳が霞むじゃない!?
何考えてんのよこの豚!?
だがもちろんあたしの思いなど豚には届くはずもなく、唖然とするあたしに豚は男らしく拳を握って言った。
「さあ、参りましょう! 救済を求める人々が我々を待っています!」
――ぼよんぼよんっ。
「……」
当然、あたしは死んだ目でしゅるしゅるぽんっとお胸を元に戻し、この町は安全そうだから大丈夫だと豚に告げたのであった。
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