6、作品をエタらせないために「読者」が出来ることと、このエッセイのまとめ
お名残惜しいことに、とうとうこのエッセイも今回で最終回。
こうしてタイトル通り、無事にエタらず完結まで漕ぎつけることが出来たのも、第5回目の「エタらないための心得、9か条」の【1】の項目の実践と、何といっても、ここまでこの作品を読み続け、ブクマ・評価・感想などで応援して下さった皆様の存在のおかげである。
同時に、このエッセイの最後のテーマである「作品をエタらせないために、読み手が出来ること」についての答えもここにある。
――と、本題に入る前に、改めて、第2回のラストにも書いたように、このエッセイでは「書籍化レベル」の作品を最初から除外していることについて触れておく。
個人的に発表している作品と違い、商業化されたものについては作者の自由に出来ない面があるのと、これは私の経験と実感に根ざした「エッセイ」であり、想像で物事を書くのは「小説」だけで充分だからだ。第一、そのレベル(書籍化)に達していない書き手の私が想像で書いたことなど、誰の参考にもならないだろう。
それを踏まえて話を戻すが、今回のテーマを語るうえで重要なのは、第2回の「エタる原因」にあげた、作品への「創作意欲の減退」と「モチベーションの低下」である。
はっきり言って、作者の性格(根気)を含めた能力については、読者には関与する余地がなく、協力出来るとしたら心理面しかないからだ。
モチベーションが低下して、執筆する意欲が足りなくなったり、完全に切れた時、その作品の更新はピタリと止まり、エターナル作品が生まれる。
そうなる前に読者が出来ることは作者の「創作意欲」を高めてあげたり、低下させないことだ。
では、具体的などのようにしたらいいのか、分かりやすいように二つの項目にまとめてみた。
1、作者や作品を応援してあげよう。
単純なことだが、人目につくところに作品を発表している以上、作者は読者からの何らかの反応を求めている。
その要求度は書き手によって段階があり、「ただ読んで欲しい」というささやかなものから、「感想が欲しい」「誰かに作品を肯定されたい」などなど、一番上の段階だと「書籍化するぐらい人気を得たい」という非常に欲張りなものになる。
あなたの読んでいる作品の書き手がどこまで求めているかは不明だとしても、モチベを上げるために【ブクマ】・【評価】・【感想】の三種の神器を使って、積極的に作品を応援してあげよう。さらに、この3つの上位である、最終応援武器である【レビュー】を「心を込めて」書いてあげれば、大抵の作者は大喜びしてやる気が倍増するはずである。
かく言う私も、普段漫画ばかりでなろうで読んでいる作品は少ないものの、読んでいる作品には必ずブクマをし、最新話まで辿りついた作品については評価もしている。
当たり前のことかもしれないが、読みもしない作品には絶対ブクマも評価もしない主義である。
(逆に言うとブクマした以上はつきあいだろうと必ずその作品を読みます)
そして、特に気に入っている作品についてはレビューとFAまで書いている!(『シャチになりましたオルカナティブ』という作品である)
ファン・アートについては欲しくない作者もいるかもしれないのでさて置き、レビューはファンとして出来る最上位の応援手段である。作者にとっては、いわばその作品を他の人にもオススメしたいとまで思わせるほど読み手に面白いと感じさせた証明、勲章なのである。(ただし相互お気に入りの作者が書いた慣れ合いレビューや、書いたレビューのお返しに貰ったレビューは例外とする←私が確認したところかなり多い)
レビューを書くのは敷居が高いということなら、感想欄を開いている作者であれば感想を欲しがっているはずだから、作品を読んで感じたことを何でもいいから書いてあげよう。
作品について具体的に面白かった点や、続きを楽しみにしていることを伝えれば、確実に作者のやる気アップに繋がる。
私も現在連載している「蝿の女王」では、作品への感想が、続きを書くうえでの大きな原動力になっている。
実のところ「熱心な感想をくれた人達が連載についてきているうちはエタるの止めよう」と心に決めているぐらいだ。
逆に言うと、ブクマやPVが激減して感想も来ない、作品を読んでくれていた人達も脱落した状態になれば、あまり罪悪感なしにエタれるかもしれない。
初連載の「喪ビッチ」の更新停止についても、未だに作品を好きだと書いてくれている人達がいるから、放置していることを「悪いな」と感じ続けているのだ。
感想も気後れする、ということなら、ブクマ+評価で応援しよう。
ブクマすることで、連載なら続きを読みたい、完結作ならもう一度読み返したいという意志表示になり、評価点を入れることで、最新話まで話を読みきった事実と、面白かったという気持ちを伝えることが出来る。
他にも小説家になろうのサイト内だけではなく、SNSなどにも面白かったと感想を書いたり、他人におすすめして、作者の広報活動に協力してあげるのも、モチベアップに繋がるだろう。
ただし、間違っても2ちゃ○○に、その人の個人サイトの情報を晒したりなんかしてはいけない。
2、作者にプレッシャーやストレスを与えない。
今回このエッセイを書く参考として、特に「ブクマ数の多い」長期更新停止作品の感想欄を中心に多数覗かせて頂いたのだが、いやはや、人気作はその感想の数の多さもさることながら、期待値が高い分、読者からの称賛コメントだけではなく、厳しい指摘や意見も多かった。
そこで読んでいて「自分がこれ書かれたらモチベ下がるな」という感想を、系統ごとにおおまかにまとめてみた。
【答えるのが厳しい質問】
私の頭が弱いせいだと思うが、発問が難しすぎて、答えに窮する質問を複数見かけた。「これは○○なのにどうしてこうなるのか? 実際の歴史的(科学的)根拠(あるいは常識)に照らして合わせて見ても、通常○○なら、こうなるのが普通ではないか?」
その他、いちいち細かい矛盾点など、毎回、厳しいつっこみや指摘をされるのでは、続きを書くのが「憂鬱」になってくる。
作者様ではないが、その異世界ではそういうものなのだと理解して、許してくれないかな、って思った。
【展開への批判】
読者にブクマを外す権利があるように、作者には好きな「展開」を書く権利がある。アドバイスとして「こうした方が面白いと思う」というものなら理解も出来るし、参考にもなって有り難いのだが、「こんな展開は有り得ない」「おかしい」「胸糞が悪く不愉快だ」「面白くない」などという、展開に対する批判感想を散見した。
作品への様々な反響は作者様の実力の証明かもしれないが、自分がもしも書かれたら創作意欲「急下降」必至である。
【高い要求】
作者は誰だってより良い作品を書きたいし、忙しい日々の生活の中、どうにかやりくりして執筆する時間を作り、頑張って作品を更新している。
大きすぎる期待もそうだが、現在、精いっぱいやっている作者に対する「もっと頑張って欲しい」「こうして欲しい」系の感想は、内容でも更新頻度についてでも同じ、行き過ぎると作者にとって大きなプレッシャーや重荷になる可能性がある。
読者の思い入れによる出来れば○○の番外編読みたい、とか、先の展開がこうだったらいいな、という要望なら大歓迎だが、「表現に工夫が欲しい」「語彙を増やすべき」(←本当にあった)「一話あたりの文字数を読みやすく再編成して欲しい」とか、「更新ペースを上げて欲しい」とか、作者が自信を無くしたり負担になるようなものは控えた方がいいと思った。
ここで大切な注意点として、もしも作者が落ち込むような感想を見かけても、絶対に感想欄で他の読者と戦ってはいけない。よけいに炎上して、エタる確率を上げてしまう。
あと、実力向上のために厳しい意見を求めている書き手の人も多いと思うので、あくまでも上であげたのは「エタらせない」という観点のみに的を絞った意見であることを強調しておく。
――以上、書き手としての願いも込め、作品を「エタらせない」ための読み手からのアプローチについて書いてみた。
完結して欲しい作品がある場合はぜひとも参考にして頂きたい。
というわけで、最終テーマについても書き終わったところで、最後に告白しようと思う……。
私がこの「エタらない技術」を書き始めた、そもそもの一番の動機こそが、実は、自分の作品を「エタらせない」ためだったのであると……。
だって、このようなタイトルのエッセイを書いた私が、作品をエタらせたら、それは相当な笑い者。噴飯ものである。いわばこのエッセイは、自らを追い込み、奮起させるための行動であり、私の決意表明だったのだ。
作品を完結させる! と心を決めた瞬間から、長期更新停止作品は「エタ作」とは呼べなくなる――冒頭で紹介した「喪女がビッチな悪役令嬢は、無理ゲー過ぎる!」にしてもそれは同様のこと。
「エタらない心得9か条」【9】項目にのっとり、エタった原因を分析し、反省するならば、「喪ビッチ」をエタった原因は、先にも触れた通り、いきなり無謀にも難易度が高い大長編に挑戦したことと、更新するたびにポイントが減るようになってモチベが下がり、新作「蒼白のレティア」を書きたい衝動を抑えきれなかったからだ。そうして一ヶ月間、別の作品を書き、どっぷりその世界にひたって完結させた結果、前作の余韻と執筆のブランクから「文体の調子が戻らず、スランプに陥入り」、その苦しみに耐えきれずまたもや新作「蝿の女王」の連載を始めて逃げてしまった。
実は今も、連載の合間にちょこちょこ思い出したように「喪ビッチ」の続きを書いているが、残念ながら筆の勢いと調子はなかなか戻らない。
けれど私は決して諦めたくないし、一日10文字でも、亀どころか、蟻んこの速度でもいい、続きを書き進めていきたいと思うのだ。
わずかずつでも書き続ければ、いつか必ず完結に辿りつける。
作品をエタらせないために「最も必要」なものは、100の技術や理屈よりも「作品を完結させたい」と思う、作者本人の強い「意志」だと知っているからだ。
今は連載を畳むことが出来なくてもいい、終わるのは「いつか」でもいい。
その時にはみんながその作品のことを忘れ、完結したことにすら気がつかなくてもいい。
書き手が「完結させる」意志を失わず持ち続けている限り、その作品はエタっていないのだ。
すべての読者が興味を無くして忘れても、自分だけは作品への「愛」を胸に抱き続けていたい。書いていた時の楽しさ、何万、何十万文字もともに物語を歩み一緒に冒険してきた登場人物たちのことをおぼえていたいのだ。
自分の作品の一番の読者は自分自身なのだから。
「喪ビッチ」の失敗から学んだ私は、現在、連載している作品の更新を基本的に一週間以上、開けないように心がけている。
器用でも、小説を書く能力、実力が高いわけでもなく、根性もない私が、作品をエタらせないためには、無理をしないで、自分のペースで着実に完結に向かって歩み続けるしかない。
「蒼白のレティア」をきちんと最後まで書き切ることが出来たのも、一定間隔で「途絶えることなく」更新し続けたことによるところが大きかったからだ。失敗からだけではなく一つの作品を完結させたことで、私は大切なコツを学ぶことが出来た。
とにかくその作品を書き続けること、これこそが単純にして一番の、私にとっての「エタらない技術」なのだと――
【完】
皆さんのブクマや温かい評価・感想をはげみにして、このエッセイを「エタらず」に最後まで書ききることが出来ました。本当に、読んで下さってありがとうございます。
またいつかどこかで、私の作品、あるいは他の人の作品(の感想欄)などでお会い出来ることを祈りつつ、このエッセイの筆を置きたいと思います。
追記:たくさんのブクマや感想、評価のみならず、レビューまで頂けて感激です!
さらに追記:この作品をもって(エタらないための心得9か条【7】の項目に従い)エッセイからは完全に足を洗わせて頂こうと思います。記念すべき最終エッセイをお読み下さった方々ありがとうございます。(小説は書き続けますし、他の方のエッセイは読みます!)
【参考用】※未完で削除した作品はないです。
○大晦日に喪ビッチの連載を一年ぶりに再開しました。ブクマ大量に剥がれるかなって思ったら、マイナス7ぐらいで、逆にその後増えました。
○2017年、12月。2話目で検索除外にしてあらすじ欄で「エタ」宣言していた作品を(検索除外)のまま、【二年の休止期間を挟んで】当初の予定通り全5話で完結させました。これで検索除外している作品は【全作完結済】になりました。
○2018、1.27、5ヶ月間更新休止していた「侯爵令嬢は破滅を前に笑う」を、すべてのエピソードを無事書ききり、完結させました。
○2018,4.20、一年と三ヶ月ぶりに長期更新停止していた「蝿の女王」の連載を再開しました。ブクマはそんなに減らず、最終的にプラス10でした。
〇2021、3/18、アルファポリスの恋愛大賞に参加した作品約90000文字を完結。やっぱり10万文字以下の作品なら完結は余裕。




