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魔石職人の冒険記  作者: 川島 つとむ
第三章  異なる世界
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魔術師結社

登場人物 ロップソン=ロプ(台詞表記) 小林幸=幸(台詞表記) 鹿島雄二=鹿島(台詞表記) 佐竹寿美=佐竹(台詞表記) 武田亮二=武田(台詞表記) ログロレット=ログ(台詞表記)

 数日後に不思議な報告と言えばいいのか、意外な報告があがって来た。どうやら不審者は二つのグループがあるらしく、研究所周辺で小競り合いをしているのが目撃されたそうだ。

 そんな報告を聞いた翌日、その片方のグループから面談したいとの要請があったと、鹿島さんから聞かされる。その接触して来たグループからは、極わずかながら魔力が検知されたという話だった。

 そして結局そのグループは何者なのかという質問には、予想通りの魔術師結社だと名乗っているらしい。

 襲撃を受けたばかりで相手を信用することはできないものの、襲撃したグループとはまた別の魔術結社であり、僕を新たな仲間として迎え入れたいので、話をさせて欲しいという申し入れだそうだ。

 そして、一度僕を交えないで話をしてみて、様子を窺ってみようという話になったようなので、今日はその話し合いを別室にて見る為にいつもの四人で大型テレビの前に待機していた。

 現れたのは中年くらいの男で、日本人ではなさそうだな。異世界人である僕には、どこの国の人間なのかは不明であったが、どうやら言葉は通じそうだった。


 武田 「それでは貴方の所属している魔術師結社についての詳しい情報をもらえますか?」

 魔術師「詳しい事は教えることはできないが、本部はイギリスにある。そして今回こちらに襲撃を仕掛けた者達は、結社タルタロスと名乗っていて魔術師による統治を目的にして活動している組織です。ここへの襲撃は、魔石を作れる者がいるとわかった故に、戦力として組織強化を図る為の襲撃だったのだと予測しています」

 武田 「もし仮に今言ったことが全部事実として、それを証明することはできますか? そして彼をあなた方が連れて行ったとして、その能力を悪用しないと証明はできますか?」

 魔術師「そうですね。いきなり信じてもらうというのは難しいと思いますし、証明も信じてもらうしかないです。ですが先日の襲撃で魔術師に対抗するには、こちらも魔法を使うのがいいことは、そちらにもわかっているんじゃないですか?」

 武田 「あの後襲撃が無いのは、こちらの防衛策が今のところ機能しているからだと思われますが?」

 魔術師「確かに、こちらが駆け付けたという事もあるのですが、多少の効果はあるようですね。しかし完璧ではないと思います。せめて協力してタルタロスに対抗するようにしませんか?」

 武田 「協力できるのなら、それは嬉しいことなのですが、まだあなた方が味方であるという保証がないので、直ぐにとは行かないですね。後ろから襲われるのは嫌ですからね~」

 魔術師「そうですか。残念です」

 武田 「ええ、自作自演で仲間をここに送り付けるなどは、よくある話ですからね。安全が確認できなければ、早々安易に飛び付けない状況ですよ」

 魔術師「では、今日のところはこれまでにしておきますよ」

 武田 「次はもっと有意義な話ができれば嬉しいですね」

 魔術師「そうですね」


 そう言って、魔術師は研究所から出て行ったようだった。


 ロプ 「結局、わかったことは、片方の、魔術師結社の、名前が、タルタロスって、事くらいでしょうか?」

 佐竹 「そして、イギリスに本部があると言っていましたね」

 鹿島 「聞いただけだと、身内で意見の対立があるだけとも思えるな。武田所長も言っていたが、自作自演の線もある」

 幸  「どちらにしろ、まだまだ油断はできませんね」

 鹿島 「そうだな。というか顔を見せたって事は、さらに油断ができなくなったということかもしれないしな。今回の訪問が、何かの策だったって線もありそうだしな」

 幸  「それはありそうですね」

 佐竹 「時間差で発動するような魔法とかも、あるかもしれませんね」

 鹿島 「少し周辺を捜索してみるか。怪しい仕掛けがあるかもしれないしな」

 佐竹 「そうですね」

 鹿島 「念の為、しばらくロップソンは地下シェルターに避難していた方がいいかもしれないな」

 幸  「じゃあ、私が一緒に行きますよ」

 ロプ 「よろしくです」

 鹿島 「所長にはこっちで報告しておくから、今から移動してくれ」

 幸  「わかりました。ではそちらも気を付けてくださいね」

 佐竹 「また後でそっちに行きます」


 こうして僕達もそれぞれに別れて移動することになった。

 その後研究所の職員も含めていろいろ怪しいところがないか、調べてみたのだけれど、特に異常は発見されなかったようだ。魔法的なトラップの場合、見た目ではわからないものの、とりあえずは安心って感じかな?

 しばらく後、研究所の敷地外で小競り合いが発生した時に、ゴーレムを召喚されたようだったけれど、前もって武器と弱点を知らせてあった為、三体召喚された内の二体を撃破する事に成功したようだった。これにより、相手にもこちらの力を証明すると共に、下手に手を出した場合は逆に痛い目を見るとわからせることができたと思う。

 以前やって来た魔術師も、少しずつ信頼を深めようと度々顔を見せるようになった。タイミングなども含めると、まだまだ信用できる感じではなかったのだけれど、情報を手に入れる為にこちらもなるべく接触するように動いているようだな。

 何度目かの接触で双方の防衛状況改善を目的とした顔合わせをしようという流れになったのは、そろそろ春が来るという時期であった。

 本当ならクリスマスパーティーや、正月のお参りのイベントがあったようだけれど、襲撃者の問題があった為にそれらを楽しむ事はできなかった・・・・・・その代わりというのかバレンタインデーというものは、経験することができた。

 女性からチョコをもらえるイベントのようで、三月にはお返しにクッキーや、キャンディーをお返しする風習があるのだそうだ。

 僕はせっかくなので、錬金術を使ったクッキーを渡すことにする。こちらには、加熱板に似た電子レンジというものがあるそうなので、それを使えば焼き立てのクッキーが食べられるはずだ。

 工房にて、女性の入出を禁止にして魔法陣を描いていると、初顔合わせの時間がやって来たので、作業を一時中止して待ち合わせの部屋へと移動することにした。


 ロプ 「初めまして、ロップソンと、言います」

 魔術師「初めまして、秘密結社ノアの幹部、ログロレットと言います。同士よ、歓迎しますよ」


 その魔術師は、確かにどことなく僕の世界の顔立ちに似た部分があるように感じられた。確かに仲間と言われれば、日本人よりも仲間なのだろうね。心情的にはすっかり日本人って感じなんだけれど・・・・・・


 ログ 「それではまず始めに、私の組織の生い立ちから説明しましょうか」


 魔法使いは、そう言って話しを始める。


 ログ 「組織を始めに作った者は、ロップソンさんのいた世界の人でした。その目的は故郷に帰る方法を見付ける為でした。それと同時にこちらの世界に飛ばされて来た人を見付ける事も、組織の目的であったと聞いています。しかし、創設者が存命の間にそのどちらの目的も達成されることはなく、彼の子供達がその役目を引き継ぐことになったと言われています。

 まあでも、こちらの世界で生まれ育った子供達には、別の世界に帰りたいという欲求はそれ程無かったそうで、魔法技術を学ぶ為に異世界へと行く方法を探すという目的に変わっていったという話です」


 まあ僕のように飛ばされた人は、故郷に待っている人や知り合いがいるだろうから帰りたいと思うだろうけれど、こっちで生活している人が向こうに行けば、逆にこっちに帰りたいと思うのが当たり前なんだろうな~


 ログ 「その後も創設者の魔法技術を維持しつつ、研究と異世界からの訪問者を探すという活動を続けた結社は、ついに異世界人を見付けることになりました。その者は向こうの世界で賢者と呼ばれる程の魔法の才能を持っていたという話で、その当時の魔法技術は爆発的な進化を遂げることになったと聞いています。ですが、そんな偉大な賢者であっても異世界に飛ぶ為の魔法を使うことはできなかったそうです」

 ロプ 「理由は、わかりますか?」

 ログ 「ええ、理由は結構単純なものでした。お互いの世界がどの位置にあるのかがわからない為らしいです。賢者の話によれば、偶然この世界に来ていなければ、次元の狭間を彷徨い続ける人生が待っていたのではないかということでした」

 ロプ 「それはつまり、僕も、帰る事は、できないと?」

 ログ 「残念ながらそうなりますね。さて、そこで異世界と行き来するという結社の活動は無くなりました。それからの結社の活動は魔法技術の研究と、発展でした。ただ、ここで意見が別れることになります。我々秘密結社ノアは、創設者の意思を継ぎ、異世界からやって来た者の保護と、魔法の研究発展を目指すことになりましたが、結社タルタロスは自分達がよりよく生活する為に世界を変えて行こうという目的を掲げました」

 ロプ 「つまりは、元々同じ、魔術師結社だった、のですね」

 ログ 「そうですが、それはもう遥か昔のことですので、今では完全に敵対するだけです。我々としては、魔法を使った騒動を起されてはいずれ危険視されて排除されないかと恐れています。おそらくもうわかっているかと思われますが、魔術師を名乗ってはいますが、我々に使える魔法はほんの些細なものでしかありません。おそらく銃を持って来られたら、我々に勝ち目は無いと思われます」

 ロプ 「この世界には、魔力が、無いから、ですか?」

 ログ 「そうです。我々はマナと呼んでいますが、ごく一部の土地でしか、マナを得ることはできません。ですから魔法はそこまでおおっぴらに使うことができない、切り札とでも呼ぶべきものでしかありません。手元に武器が無く、逃げる事もできない時に使う程度の物なのです。その際には魔晶石というマナの結晶を使って魔法を使いますが、とても貴重な物の為早々使えるものではないのです」

 ロプ 「では、タルタロスの、襲撃が、無いのは、そのせいなの、ですか?」

 ログ 「それと、ゴーレムを失ったからですね。ゴーレムを作り出す技術は失われてしまっていますので、ここで強行策を使ってさらにゴーレムがやられてしまっては、戦力増強するどころの話ではありませんからね。今後の彼らは諦めるか、損失を気にしないで攻めて来るかになるでしょう。ロップソンさんには魔石を作る能力があるようなので、彼らが全てを失ってでも手に入れようと考えたならば、この先も襲撃があるかもしれません」

 ロプ 「なるほど」

 ログ 「そこでお互いの技術を持ち寄って、防衛システムを作り出しませんか?」

 ロプ 「防衛システムですか?」

 ログ 「ええ、聞いたところによるとロップソンさんは、防御や探索系魔法は不得意だとか? そこはこちらで補いますので、それを組み込んだ魔道具を作りませんか? 防御系の魔道具なら、悪用されることも無いので安心でしょう?」

 ロプ 「そうですね、その魔道具なら、開発する価値は、あるかもしれませんね」


 こうしてしばらくの間は、共同開発をすることになった。まあその前に、クッキーは作りたいけれどね。

 クッキーそのものは、商業ギルドの共同開発で素材から手順に至るまで全てに関わっていたので、材料を調達することができれば作ることは簡単であった。後はラッピングといって、装飾の部分の工夫を求められる。ただ渡すだけでは誠意が無いと言われたので、そっちの方に手間取ることになる。ただ結構センスが問われる作業だったよ。そして意外にも鹿島さんがいいセンスをしていた。

 まあそんなイベントを間に挟みつつ、防衛用の魔道具を開発していく。工程としては、とりあえず物理防御と考えて土の魔石を用意する。それにシールドの魔法をかけてもらい、その魔法を魔石に記憶させる。本来はこれを自分でやる為に、タイミングとか調整とかがかなり難しい部分になってしまったのだけれど、まあ仕方がない。そして魔石がシールドの魔法を使えるように魔法の効果をいじればシールドの魔道具が完成する。

 ただ、この場合は魔力を流してシールドが発動するってだけの石なので、これを本来の結界用に作り変えなければいけないのだけれど、まずは後回しにして同じような各属性のシールドの魔法を込めた物を他に六個作っておく。


 ロプ 「協力、ありがとう、ございました。後は調整しないと、いけないのですが、それはこっち、でやりますね」

 ログ 「思っていた以上に手間隙がかかるものなのですね。もっと魔法をかければ直ぐにできるものだとばかり思っていました」

 ロプ 「本来は、魔石に、魔法を封じる、過程に、魔法を改良する、ものですので、ただの魔法を、魔石にかけると、まったく使えない、ものになるのですよ。あるいは、魔石が、防御力アップする、だけって、感じですね」

 ログ 「なるほど。魔石の防御力を上げたいのではなく、魔石にシールドの効果を使ってもらいたいのですから、魔法を変えないといけないという訳ですか」

 ロプ 「ええ、そうです。ただこれは、僕も使えない、魔法なので、少し手間取る、かもしれません。ちょっと、じっくりいじらせて、もらいますよ。多分、一つの魔石が、成功すれば、他も応用できると、思うので、直ぐ終わるとは、思いますけれどね」

 ログ 「それは確かにお手伝いできないですね。できれば、呪文を理解している私がそれを覚えようとも思ったのですが」

 ロプ 「多分、この改変された、呪文は、魔道具作製以外では、何の価値も、出ませんよ。おそらくは、発動もしないでしょうね。そのわりには、精神力だけは、消費させられる、ものかと思います」

 ログ 「それは厄介ですね。わかりました、後はお願いしますね。後我々の拠点にも、使わせてもらいたいので、完成したら同じ物を作ってもらってもいいですか?」

 ロプ 「こっちの物は、配置した後で、リンクさせる、必要が、出て来るので、難しそうですね。少し違う、形式になっても、かまわないですか? 拠点の中の、中央部分に、設置するとかで、半径何メートルかを、結界で守るとか、そういう形なら、できますが」

 ログ 「わかりました、ではそんな感じでお願いします」


 一応お互いに使える魔法などを聞いたりしたのだけれど、探知系の魔法を使っても個人の特定はできないのだそうだ。魔力で見分けることは可能なのだが、それは魔法使いにしか通用しないらしい。つまり、こっちの世界の魔力を持たない人だと、感知できないのだそうだ。

 まあ、彼らの本拠地に置く魔道具は後回しにして、こっちの防衛用結界をまずは作り出そう。といっても調整がうまく行けば完成なんだけれどね~


 襲撃も無いまま数日が経ち結界の魔石の調整が終わったので、防衛用の結界を完成させる準備が整った。後は既にできている魔道具を掘り起こして組み込むだけなのだが、ここで一度結界を解いて組み込み、リンクさせてから再び埋め直さないといけない。

 その為、一時的に無防備になってしまう事を予想して、シールドの魔石を用意しておくことにした。研究所全体を守ることはできないのだけれど、僕がターゲットになると思われる為、集中防衛する方針らしい。


 鹿島 「相手からしたら、最後のチャンスだろうからやっぱり来るだろうな~」

 佐竹 「ええ、必ず来るでしょうね」

 幸  「逆に言えば、これを乗り越えてしまえば、もう安全だという事ですよ!」

 鹿島 「まあ研究所は、だけれどもな」

 幸  「そうでした。外に出たら、まだ襲われる可能性があるのですね」

 鹿島 「だな。まあその為の護衛なんだけれどな」

 佐竹 「しかし我々も、万能ではないので、隙を衝かれたり魔法で来られれば、守り切れる保証はないですね」

 鹿島 「そうなんだよな~ 万能ではないといっても、やっぱり魔法は厄介だ」

 ログ 「本部からの意見で、魔法と科学の融合も今後必要だろうという話でしたので、今後は我々秘密結社ノアのメンバーも、一部こちらに厄介になってもいいかという話が出ています。ですので、魔法的な守りについては、こちらが担当してもいいですよ」

 鹿島 「なるほど、それはある意味助かりますね」

 佐竹 「つまりは、今後も共同開発をして行こうという話ですか?」

 ログ 「そうです。争い合うよりは共に発展して行くことを目指す方が、お互いのメリットになるでしょうからね」

 幸  「確かに争い合うより、平和な方がいいですよね。今後は魔道具開発でいろいろな発明品が生まれる世界になるのかな~」

 鹿島 「それは難しいな」

 ログ 「そうですね。今のところロップソンさんしか、魔道具を作れる者がいませんから、彼だけでこの世界を支えるには世界はあまりにも広すぎでしょうね」

 幸  「ああ、そうですよね」

 ログ 「まあだからこそ、ロップソンさんは今後狙われやすくなるでしょうから、ここでしっかり防御システムを作る事を勧めますよ」

 鹿島 「ここを乗り切れれば、安全地帯を作ることは成功しますね」

 佐竹 「ですね」

 ロプ 「こっちは、いつでも準備、いいのですが、そろそろ、始めませんか?」


 襲撃に備えて緊張しているのか、みんながそんな会話をして全然作業を開始しないので、先を促がすことにした。

 みんなが緊張する中、パスワードを唱えて魔道具を掘り出すと、結界の解除をおこなった。とりあえず、結界が消えて直ぐの襲撃は無さそうだね。

 しばらくして、次々と掘り出された魔道具が集められて来る。それに新たな魔石を取り付けて魔石同士、魔道具同士リンクさせて防衛システムをより強固な物へと変えていった。

 その作業が終わって、いよいよ後は埋めれば終わるという段階になって、とうとう襲撃が始まったみたいだった。敵は魔晶石による魔法で、こちらは魔道具による魔法で、応戦が各地で始まったようだった。


 ロプ 「そういえば、タルタロスの、メンバーは、どれくらいの、人数がいるんだ?」

 ログ 「正確な数はわかりませんが、八十人程かと」

 鹿島 「微妙な数だな。全員で攻めて来ているとは思えないが、半分くらいは来ていそうだな」

 佐竹 「どうやらゴーレム二体も参加しているようです。総力戦になるので、全員で来ていてもおかしくはないかと」

 鹿島 「全員で攻めて来ているのならば、ゴーレムは囮の可能性もあるな。こっちに何人か来ているかもしれない。警戒を怠るなよ」

 佐竹 「ええ、わかっていますよ」

 ログ 「私も魔晶石を持たされていますので、協力しますよ」

 鹿島 「助かる」


 僕達は一時作業を中断して、研究所の中へと避難して、情報をまとめることになった。臨時の司令塔だね。

 それによると、魔道具を八箇所に埋めていた場所のうちの五つを狙って攻めて来ていたようで、それぞれの場所に十五人くらいの魔術師が現れたようだった。

 今は何とか応戦していて、こう着状態のような感じらしい。ゴーレムを投入されたところは、押されているようだった。


 ロプ 「多少、危険でも、僕も、参加した方が、よくないですか?」

 鹿島 「状況はかなり悪そうだが、おそらく本命の別働隊がいるはずだ。ここで出て行くのは厳しいな」

 佐竹 「ですがこのままでは押されてさらに最悪の事態になりかねませんね。何か手を考えなければいけません」

 鹿島 「仕方ない、佐竹は二人をシェルターに連れて行ってくれ。ログロレットさんは、俺と一緒に敵の排除をお願いできますか?」

 ログ 「そうですね。このままでは押し込まれてしまうかもしれませんから、協力しましょう」

 幸  「気を付けてくださいね」

 鹿島 「そっちも油断はするなよ」

 ロプ 「わかりました」


 話し合うと、それぞれに移動を始めた。一応これでも冒険者としてそれなりに戦えるのだけれど、まあここは大人しく従うしかないかな?


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