表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

70/76

エピローグ

 レイラ姫とアトラス王太子の円満婚約解消と共に、二つの婚約が発表される。


 一つはレイラ姫とクウの婚約。

 カウイ島の王朝の婚姻の伝統も新聞では紹介され、最強の戦士が王女と結ばれるという話は、国民たちを沸かせる。二人の純愛を描く劇も上演され、大いに盛り上がることになった。二人はカウイ島で挙式するため、一旦帰国したが……。それが終わったら、またセントリア王国に戻ると言う。


「私もクウもセントリア王国が大好きなんです。カウイ島とセントリア王国の橋渡しをするため、結婚後も首都ベラローザに住み続けます」


 カウイ島王朝はレイラ姫の弟が継ぐことになっていた。


 そんな二人の婚約と一緒に発表されたのが……アトラス王太子と私の婚約だった。


 元は敵国だった帝国の令嬢と王太子が婚約するというのは、国民を大変驚かせた。だが今回、帝国が長い歴史に幕を下ろし、デセダリア州としてセントリア王国に併合された経緯は、新聞で詳しく紹介されている。その中で私が帝国でどんな目に遭い、どうやってセントリア王国にやって来て、ブレイクデーのためにどんな献身をしたのか。それが事細かく記事で書かれていたのだ。新聞を読んだ国民から『救国の乙女』『献身の歌姫』『平和の女神』と言われるようになり、アトラス王太子との婚約も祝福してもらえた。


 それだけで十分だったが、それでは終わらない。ブレイクデーは『乙女の祈りの日』として、記念日に制定されたのだ。以後毎年、この日はお祝いのフェスティバルが行われると言う。さらに国王陛下からは褒章を授けられ、王立劇団によるブレイクデーを描く劇の公演も決定。初回はニューイヤー公演になるが、『乙女の祈りの日』のメインの催しにするという。


 さらに帝国の宝物庫から買い取った“盲目の乙女”の手によるヴィレミナ絨毯。私が包まっていた物と合わせて展示する、博物館を作ることも決まったのだ。この博物館の売り上げで、ヴィレミナ絨毯の職人のための村を作り、職人の育成も行うという。


 アトラス王太子と私の婚約に合わせ、これだけいろいろ発表されたので、国民も大盛り上がり。レイラ姫とクウの件もあるので、この日はお祝いのコーヒー、ワインやジュースが振る舞われ、国中が笑顔に溢れた。


「まさかアトラスが十年以上もマリナに片想いをしていたとは……驚きじゃ。でもこれで納得だ。なかなか婚約者を作らず、舞踏会でも晩餐会でも近寄る令嬢の相手を全くしない。最初のダンスは渋々するが、その後、令嬢と談笑することもなかった。その態度がすべて、マリナを一途に思うゆえの行動だったのかと思うと……良かったな、アトラス、初恋が実り。マリナ、どうかアトラスを頼む」


 国王陛下は私の手をとり、アトラス王太子を頼むと言ってくださり、王妃殿下は……。


「アトラスったら……こんなに一途な子だと思わなかったわ。でもそこまで愛した女性と結ばれるなんて……。母として嬉しく思うわよ。絶対に幸せになりなさい。応援しているわ。そしてマリナさん。困ったことがあったら何でも相談してね」


 全面的に応援してくれると言ってくれた王妃殿下には感謝しかない! 王女も「マリナさんのようなお義姉様なら大歓迎です。ぜひこれから仲良くしてください! 早速ですがお義姉様、観たいオペラがあるのですが、一緒に行きませんか?」とすぐに打ち解けてくれる。


 アトラス王太子の家族から、婚約者として温かく迎えられるのは嬉しい。だがしかし、婚約が決まるとすぐに王太子妃教育がスタートし、これには「ひぃ~」だった。私と一刻も早く結婚したいアトラス王太子のためにも、大変だがこの王太子妃教育は乗り越えるしかない!


 そんな私を見て父親は「既に皇族教育も受けているから、王太子妃教育もマリナなら大丈夫だ。何も心配せず、アトラス王太子殿下を信じ、支え、共に生きて行けばいいのだよ。そしてマリナ、今回こそ、しっかり幸せになりなさい」と励ましてくれる。


 母親も「アトラス王太子殿下とマリナは気質が似ていると思うわ。ブレイクデーに向けて動いた二人は、意気投合していたと思うの。絶対に気も合い、幸せになれるわね」と言ってくれるので、私は嬉しくなってしまう。


「マリナはアトラス王太子殿下との婚約が決まり、さらに美しさに磨きがかかった気がするぞ。本当に美男美女でお似合いの二人だ。共に行動力もあり、気遣いもでき、お互いのことを尊敬しあっている。間違いなく幸せになれるよ」


 兄もそんなふうに言ってくれるが、実際、私も自分が綺麗になったように感じる。


 なんというかベネディクトの婚約者をしていた時は、彼の欲望の込められた目でじろじろ見られるのが嫌で、地味なドレスや露出が少ない古風なドレスを着ていることも多かった。でもアトラス王太子はそんな目つきで私を見ることがない。


 顔を合わせれば、いつも私の目を見て優しく微笑みかけてくれる。決して胸元や腰やお尻に目が釘付けになんてならないのだ。ゆえに私もデコルテ見せするようなドレスを着ることへの抵抗感もなくなっていた。むしろアトラス王太子は……。


「本当に。ヴィレミナ絨毯から飛び出して来たマリナはとても刺激的で……。肌見せの多いドレスはわたしと二人きりの時にして欲しいぐらいだ」


 ブルートパーズのような瞳をうるうるさせ、そんな可愛らしいことを言ってくれる。


 そんな可愛い言葉を時折口にするアトラス王太子に、私は慣れることが出来たのかと言うと……。


「大丈夫。わたしが支えているから」

「殿下……」


 アトラス王太子は、この世界で未婚の男女に許されている範疇の言動しかしていない。ただ耳元で話し掛けたり、甘い言葉をささやいたり、とろけそうな眼差しで私を見たりするだけなのだけど……。


 それだけで私は腰が抜けそうになったり、意識が飛びそうになったり。


 「人間、慣れる」とアトラス王太子は言っていた。しかしこの件については「異議あり!」だ。


(とても慣れるとは思えないわ! 私は一生、彼にときめいていると思います!)


「マリナ……」

「!」


 私をエスコートするため、手を差し出したアトラス王太子。その手に私が手を載せると、彼は甲へとキスを落とす。


「殿下……!」


 手にキスをされただけで、全身から力が抜け、へたりそうになっていた。だがアトラス王太子の引き締まった腕が瞬時に腰へ回され、見事に支えてくれる。その瞬間、彼のつける香水のいい匂いが鼻先をくすぐった。


「マリナは本当に可愛い」


 微笑むアトラス王太子のホワイトブロンドの前髪が、サラサラと揺れる。


「手の甲へのキスで、こんなになるなら……。ここだったら、どうなるのだろう?」


 アトラス王太子の細く長い指が、スッと私の唇に触れた。甘く煌めく彼の瞳と目が合い、心臓がドクンと大きく跳ねる。


(そ、そんな、く、唇へのキ、キッスなんて想像したら……)


 頭がショートし、クラッとする私の体を抱き寄せ、アトラス王太子が耳元でささやく。


「マリナ、大好きだよ」



 ~おしまい~

お読みいただきありがとうございます!

本作を毎日3話更新(実は他作品も複数話更新しており、仕事との両立が本当に大変でした!)できたのは、ひとえに読者様の応援のおかげです。

本当に本当にありがとうございました!


そして、予告通りのハッピーエンドを迎えた本作

お楽しみいただけましたら

☆☆☆☆☆評価をぜひよろしくお願いいたします!


   \新作のお知らせです/

【乙女ゲームの悪役令嬢はDead or Alive(死ぬか生きるか)】

『悪役令嬢はやられる前にやることにした』

https://book1.adouzi.eu.org/n8047kv/

└全5話予定。まずは試しに第一話、お読みいただけると嬉しいです~

目次へ飛ぶバナーが、ページ下部にございます!


【出会いは偶然、でもこの恋は必然!?】

『平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!』

https://book1.adouzi.eu.org/n5086kt/

└絶世の美女と言われる姉二人に対し、平凡な容姿の私。王宮で侍女として行儀見習いを始めたところ、美貌の冷徹王太子と思いがけない形で接点ができてしまい――。

ハッピーエンドのシンデレラストーリー

ぜひお楽しみください☆彡

ページ下部のバナーから目次ページへどうぞ!


また、本作の読み切り番外編もご用意しています!

夜に公開できるよう準備します。そちらもお楽しみに!

しかも番外編であの作品の発売日を告知します~


それでは、午後の仕事も頑張って

夜にまたお会いしましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【一番星キラリの作品を紹介】
作品数が多いため、最新作を中心にバナーを並べています(2025年12月の大掃除で・笑)。 バナーがない作品は、作者マイページタイトルで検索でご覧くださいませ☆彡

●紙書籍&電子のコミカライズ化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~
『悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~ 』

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
250万PV突破『悪役令嬢は死ぬことにした』

●出版社特設サイトはコチラ●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!
80ページが試し読みできる特設サイトへ
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!』


●溺愛は求めていませんよ?●
バナークリックORタップで目次ページ
平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!
『平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!』

●章ごとに読み切り!●
バナークリックORタップで目次ページ
ドアマット悪役令嬢~ドン底まで落ちたらハピエンでした!~
『ドアマット悪役令嬢はざまぁと断罪回避を逆境の中、成功させる~私はいませんでした~』

●宿敵の皇太子をベッドに押し倒し――●
バナークリックORタップで目次ページ
宿敵の純潔を奪いました
『宿敵の純潔を奪いました』

●商業化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢はやられる前にやることにした
『悪役令嬢はやられる前にやることにした』

●じれじれの両片想い●
バナークリックORタップで目次ページ
陛下は悪役令嬢をご所望です
『陛下は悪役令嬢をご所望です』

●コミカライズ化も決定●
バナークリックORタップで書報ページへ
断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない
ノベライズは発売中!電子書籍限定書き下ろし付き
『断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない』


●妹の代わりに嫁いだ私は……●
バナークリックORタップで目次ページ
私の白い結婚
『私の白い結婚』

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ