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婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


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祭りの後(1)

 帝都のはずれにあった修道院から、宮殿のある中心部まで戻ると、すっかり日が暮れてしまった。


 だが日没前に何とか宮殿に戻ることができた。


 軽く水浴びをして、埃と汗を落とすと、ロイヤルブルーのイブニングドレスへと着替える。


「夕食は宮殿のダイニングルームとのことです」

「そう、分かったわ」


 知らせを受け、私はダイニングルームへ向かうことになった。


 ちなみに皇家の一族全員、そしてマチルダン男爵親子は、鉄の監獄に一旦収容された。警備に就くのは北の辺境伯とその騎士と兵士たち。逃亡を一切許すつもりはなかった。


 宮殿の警備に新たに就いていたのはお祖父様!


 ベネディクトとマチルダン男爵令嬢が逃亡した後、アトラス王太子の指示で、お祖父様は宮殿へすぐに向かった。お祖父様が警備に就くことで、混乱に乗じ、宮殿に乱入し、悪さを働く者は現れずに済んだ。


 既に皇帝の退位を受け、宮殿にいた警備兵の半分以上が、どこかへ姿を消している。もしお祖父様がいち早く警備に就けなければ、公爵邸のように荒らされ、大変なことになっていただろう。


 それにお祖父様のおかげで、セントリア王国へ帰国するまで、私たちは安心安全で宮殿に滞在できる。


 ちなみに南の辺境伯は街全体の警備に当たってくれていた。街中を巡回し、悪さをする者がいないか目を光らせてくれている。おかげで皇帝退位という未曽有の出来事が起きた後だったが、帝都の治安は維持され、混乱も起きていない。


 なお、西の辺境伯は領地へ戻ることになった。彼の領地はセントリア王国以外の国々と接している。この後の不測の事態に備えるためだった。


 というのもブレイクデーの成功は、セントリア王国の国王へ既に報告されている。近日中に帝国の終焉と、デセダリア州の誕生が正式発表となるのだが。


 一つの国が滅んだとなれば、混乱が起きているに違いないと、多くの国々が考える。どさくさに紛れ、デセダリア州の一部を奪ってやろう……なんて悪いことを考える人間はゼロではなかった。過去にその方法で領土を広げている国も存在している。そういった悪い奴らの出鼻をくじくためにも、西の辺境伯は領地に戻ることにしたのだ。


 辺境伯が留守であっても、領地には優秀な補佐官も残っており、問題はなかった。それでも辺境伯が領地にいる、いないで、敵味方双方の意識の持ち方は変わる。


 ということで辺境伯四人の協力を経て、アシュトン一家とアトラス王太子、そしてお祖父様とで夕食をとることができた。


 このメンバーで食事を囲む日が来るなんて。誰一人想像したことがない。しかも堅苦しい政治の話は食後に男性陣でするからと、食事中はお互いの国の芸術や文化の話で盛り上がった。そしてお約束通りで、食後は男性陣が集まり、これからのデセダリア州についての話し合いが行われる。と言っても既に多くが決まっているため、新たに浮上した些末な問題のすり合わせが中心のはずだった。


 一方の私は母親から修道院での生活を教えてもらったり、セントリア王国へ私がどうやって向かったかなどを話すことになる。


「あら、ごめんなさい、マリナ! 話の途中で欠伸をしてしまうなんて」

「お母様、気にしないでください。今日はいろいろなことがあった一日です。お疲れになって当然ですわ」


 すると母親はこんなことを教えてくれる。


「修道院はね、畑も耕し、自給自足をしているでしょう。朝がとても早いのよ。夜明けと共に起き出して、まずは朝の祈り。それが終わると朝食の準備をする者、畑へ出る者と分かれて、朝からひと汗かくの。それが終わるとようやく朝食。朝が早い分、夜は二十時には就寝なのよ。だからね、自然と欠伸がでちゃうのよ」

「そうだったのですね。もう二十二時近いですから、普段のお母様ならお休みになっている時間。欠伸が出ても当然です。今後、少しずつ体を慣らすにしても、今日はお休みになった方がいいと思います」

「ありがとう、マリナ。ではお言葉に甘えて、休ませてもらうわ」


 そこで私は母親を部屋まで送り、自分も用意してもらった客室へ向かった。


「お嬢様、お帰りなさいませ」


 皇宮にいたメイドが引き続き身の回りの世話をしてくれることになり、彼女たちに手伝ってもらい、入浴を行うことにした。


 その準備が整うのを待つ間、ソファに座った私は脱力する。


(本当にいろいろなことがあった一日だったわ。皇帝陛下による演説が、大昔の出来事に思えてしまう)


 だがソファの前のローテーブルに置かれた号外には、皇帝退位・帝国終焉のニュースが大々的に報じられていた。そこには私が皇帝陛下を平手打ちした件も載っており、大いに焦ることになるが、内容を確認すると……。


『元公爵令嬢は生きていた! 祖国を救うため、単身セントリア王国へ。彼女はまさに救国の乙女!』と、私の行動は非難ではなく、好意的に受け止められていることに安堵することになった。


 安心して、ソファの背もたれに寄りかかった時。

 扉をノックする音が聞こえる。


 すぐにメイドが扉へ近づき、ハッとした様子で私に報告してくれた。


「アトラス王太子殿下の従者の方です。もし入浴がまだで、お疲れでなければ、少し話す時間はあるか、と。湯の用意はできましたが、まだバスタブにお湯は移していません」

「では入浴の準備は一旦ストップして、殿下を迎える準備をしてくれる? コーヒーがあれば出してちょうだい」

お読みいただき、ありがとうございます~

金曜日です。

今週も読者様の応援のおかげで更新頑張れました……!

感謝の気持ちを込めて今晩も……!?

次話は20時頃公開予定です~


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