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婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


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作戦遂行(7)

「アシュトン公爵家を陥れた皇家とマチルダン男爵一族への復讐。そのために帝国が滅びても構わないと考えている……そう思ったが、民草のことは救いたいと考えているのだな」

「それは……!」


 それは他でもない。

 前世で私が平民だったから!

 戦が起き、大変な目に遭うのは下々の者。

 平民のみんなが苦しむのは、前世でバリバリ平民だった自分として、見過ごすことはできない。


 さらに私は裏切った皇家とマチルダン男爵一族へ復讐をしたいが、平民のみんなを巻き込むつもりはなかった。ただ、どうしたって帝国が滅びたら、そこに暮らす平民……帝国民にも影響が出る。でもその影響は悪いものではなく、良い影響であって欲しいと思っていた。


 セントリア王国は帝国に比べ、国民の感じる幸福度がとても高く、その一員になって初めて、元帝国民も気付くはずだ。帝国民でいた時に、いかに搾取されていたかを。


「アシュトン嬢。セントリア王国は君のことを歓迎しよう。この後、執事に命じて客間に君を案内させる。衣装も用意させよう。そしてわたしから君のことを父上に話しておく。だがさすがに今日の謁見は無理だ。そこは理解いただけるか?」


(聞きたかった言葉をアトラス王太子から言ってもらうことができたわ!)


「ありがとうございます、アトラス王太子殿下。……謁見を急ぐ気持ちはないのですが、一つだけ、お願いがございます」


「何だ?」と彼は整った顔を私に向け、尋ねる。


「私にはたった一人だけ。侍女が残されていました。彼女は共に帝国からセントリア王国まで来てくれたのです。……彼女のお兄様は貴国との戦で亡くなっています。最初はセントリア王国を怖がっていたのですが……。私を信じ、ここまでついて来てくれたのです。彼女を……レニー呼び寄せてもいいでしょうか?」


 これを聞いたアトラス王太子はふわっと柔らかい表情になる。


「……アシュトン嬢は何とも不思議だ。元は公爵令嬢、ツンと使用人を見下す態度でも珍しいことではない。それに使用人も……そのレニーも。身内を我が国との戦で亡くしているなら、帝国を出て、セントリア王国へ向かうなんて……本来大反対だろう。しかしそのレニーは、アシュトン嬢の心意気に未来を感じたのではないか。君の魅力に魅了され、ここまでついて来たのだろう」


(こ、これは、私のことが魅力的と褒めてくれているのかしら!? 褒められるのは……単純にもう嬉しいわ!)


「呼び寄せて構わない。どこの宿にいる? わたしから遣いを出そう」

「ありがとうございます!」


 こうしてこの後、私は無事、レニーと再会する。

 レニーは私と離れ離れになった後、気が気ではなく、教会へ向かい、ずっと祈りを捧げてくれていた。宿に戻っていなかったので、アトラス王太子が遣わした使者はすぐにレニーを見つけられず、王都中を捜索してくれたのだ! でもそのおかげでレニーは無事発見され、私と再び会うことが出来た。


 再会した瞬間、レニーは号泣だった。


「お嬢様、ご無事で、本当にご無事で良かったです! 献上品は無事、指定の場所に納入できたのですが、肝心の王族は立ち会うことはできないと言われ……。それは想定内でしたが、何だか出鼻を挫かれたようで不安でした。納入が終わると、宮廷執事が応接室へ案内してくれて、そこで宮殿付きのパティシエが用意したスイーツとお茶をご馳走になったのですが……」


 私は部屋に用意されていたタオルでレニーの涙を拭う。


「お嬢様が狭い木箱の中、ヴィレミナ絨毯に包まれていると思うと、こんなことをしている場合ではないと気は急いてしまいます。ですが大商人アルベルトとしては、献上品の納入が終わり、ホッとしていないといけない。演じる役と、私自身の気持ちがちぐはぐで大変でした!」


 この話を聞くことで、私がヴィレミナ絨毯に包まれ、木箱に収まっていた時に、何が起きていたのかもよく分かった。献上品の納入と同時に王族が立ち会わないことは判明していたが、それを私に伝えることはできない。王族が来るかもしれないと、どこかにレニーが扮した大商人アルベルトは待機していると思ったが、そうではなかった。


「ただ、帰り際に宮廷執事から『先に献上された“盲目の乙女”は、国民も楽しめるよう、王宮美術館に追って展示になります。ですが沢山献上されたヴィレミナ絨毯は、王宮内で使わせていただくことになるでしょう。特にアトラス王太子殿下が興味を持たれていたので、二番目に素晴らしいと言われていたヴィレミナ絨毯は、殿下の部屋に届けられることになりました』と言われたのです。よって私が絨毯を広げることはありませんが、お嬢様は王族に会えると分かったのですが……うまく行くのかどうか。本当に心配でした!」


 これには「ありがとう。心配してくれて」と感謝の気持ちを伝え、外の状況が分からなかった私は、王立美術館の倉庫にでも運ばれたのではないかと焦ったと話すことになった。


「それにね、蓋はいきなり開いたにも等しいかったから、本当に驚いたわ。しかもすぐに警備兵や近衛騎士に囲まれ、ぐるりと槍を向けられたのよ」

「えええ、そうだったのですね!? その状況からどのようにして、この客間への滞在が許されることになったのですか!?」

「それはね……」


 こうして私はアトラス王太子とどんな会話を繰り広げ、今の状況に落ち着いたのか。レニーに話すことになった。そしてアトラス王太子の使いが来て、明日の昼に国王陛下と謁見できることになったと伝えられたのだ。


(有言実行のアトラス王太子は尊敬に値するわね。そんな彼が味方になってくれて、本当に良かったわ!)

お読みいただきありがとうございます!

オンタイムで読了された読者様、ゆっくりお休みくださいませ

次話は明日の12時半~14時頃公開予定です~

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