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婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中


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作戦遂行(3)

 別室へ連行し保安確認して尋問を行う。


(それではアトラス王太子と話せないわ!)


 私の意図はきちんと本人に伝えたい。

 人を介すると余計な憶測も入り、正しく伝わらない可能性もある。特に近衛騎士隊長は、完全に私を怪しい人物、排除すべき人物と認定していると思う。


 ゆえにここは「お待ちください」と声を上げようとすると、先にアトラス王太子が口を開く。


「ヴィレミナ絨毯から登場することになったのは、尋問するまでもない。正規ルートではわたしとは会えないと思ったからだ。わたし……というかアシュトン嬢が会いたかったのは、王族なのだろう。だが帝国の第二皇子の元婚約者であり元公爵令嬢などに、王族は用などない。ゆえに策を講じた。まさかヴィレミナ絨毯に包まって現れるなんて、誰も想定できなかったはずだ。過去の暗殺者と言えば、宮殿への不法侵入、使用人になりすます、外交使節団に紛れ込む……といった方法が常套。そのための対策はしっかり講じている。だが絨毯に包まって現れるなんて。しかも彼女はプロの暗殺者などではない。そこはまさに天晴れだろう」


 アトラス王太子の言葉に近衛騎士隊長は「それはそうですが」と、彼がなぜ私を擁護するようなことを言うのか。理解しかねているようだった。


「なぜ王族と会いたかったのか。それは尋問して確認するしかない。そして本当に武器を所持していないか。その確認はわたしが直接しよう」


 これには近衛騎士隊長と私、それ以外のこの場にいる全員が「!?」となったと思う。


「……アトラス王太子殿下の安全のために行う確認です。それを殿下自らが行うとは……」


 近衛騎士隊長が声を絞り出して尋ねた。


「ではこの裸も同然の元公爵令嬢を、近衛騎士たちがよってたかって何か武器を隠し持っていないかと確認するのか?」

「そ、それは……」

「第二皇子の婚約者だった。それはそれは大切に育てられたはず。本来こんな姿を晒すなど、あり得ないことだ。保安検査をするなら一対一で行う。それがレディへの配慮では? それとも一人では不安か? このレデイは剣など持ったことがない、陶器のような手をしているのに」


 挑発するようなアトラス王太子の言葉に、近衛騎士隊長は鼻息荒く応じる。


「殿下! おっしゃること、よく理解できます。元公爵令嬢で皇族の元婚約者。それは庇護すべき対象であり、か弱き存在です。保安検査は一人で十分でしょう。弁は立つようですので、尋問は複数でもいいかもしれませんが……」

「ローグ卿、一人で十分なら、保安確認はわたしが行う。そしてわたし自ら、尋問をしようではないか。わたしが言葉で、このレディに負けると?」

「殿下……!」


 近衛騎士隊長……ローグ卿はもう困り切っているが……。


「隊長、殿下がこう言われているのです。ここは素直に従いましょう。保安確認も尋問も。殿下に任せる」


 副隊長の言葉に、ローグ卿は唸りながら「分かった」と返事をするとアトラス王太子と向き合う。


「もしもがあると困ります。よって扉の前で待機させていただきますので」

「ああ、それで構わない」


 そこで美貌のアトラス王太子が私を見て尋ねる。


「これでいいか? 保安確認は謁見前に、海外の要人だけではなく、国内貴族に対しても行うこと。……君への確認はややイレギュラーなものになるが、わたしが行うということで、君に触れることになる」

「……! 問題ございません。武器は所持していませんので」


 フッと口元に笑みを浮かべたアトラス王太子は、やはりゾクッとする美しさがある。


「ローグ卿、トリス卿、本人の同意も得ている。部下に武器を収めさせ、退出させろ」

「……承知いたしました」「賜りました」


 ローグ卿が合図を送ると、私に向けられていた槍は一斉に収められる。


「退出」とトリス卿……副隊長で間違いないだろう……が命じると、近衛騎士と警備兵がぞろぞろと部屋を出て行く。そして私はアトラス王太子と二人きりになれたのだ!


(良かったわ! 数時間放置され、美術館の倉庫に運ばれたかと不安になった。でもアトラス王太子殿下に会え、近衛隊長ではなく、王太子自ら保安確認と尋問を行うことになり、話し合える時間を持てたのだ。これですべて打ち明けられるわ!)


 心底安堵し、この状況を作ってくれた彼に感謝の言葉を伝えようとしたが。


「では保安確認を行う」「えっ」


 次の瞬間、自分の体が軽々と持ち上げられていることに気が付き、目を丸くすることになる。そして下ろされたのは、広々としたカウチ。そこで仰向けになる私に馬乗りに近い状態で、アトラス王太子が片手で私の両手首をあっさり掴み、頭上へと持って行く。


 一連の動作があまりにもあっという間過ぎて、私は呆然とするしかない。


「あっ」


 アトラス王太子の空いている手が、胸当ての布と素肌の間を探るように動く。


「あ、待って……!」


 蚊の鳴くようなか細い声で伝えると、彼はため息をつく。


「保安確認に同意をしたのは誰だ?」

「!」

「それにわたしはただ確認をしているだけだ」

お読みいただきありがとうございます!

沢山の応援、本当に心から感謝です!

このあと御礼の気持ちをお届けできたらと考えています♡

明日の更新は8時頃公開予定です~

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