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あのね、次の妹候補を見つけたの。

 初めて、ドワーフのカジーナちゃんと、エルフの双子達が顔を合わせた時、それは起こったの。


「な、なんぞなっ! なんでここにドワーフがおるんぞなぁっ!」


「ひぃ、エルフっ! しかも二人もいるよっ! なんで、なんでっ!?」


 自室から降りてきて、なんだか騒がしいと思ったら三人が喚いていた。


「あれれ、フレムちゃん、これ、なんかあったの?」


 呆れた様子で三人を眺めていたフレムちゃんの隣に行く。


「あ、姉さん、おはよう。なんかあったのじゃないよ。ドワーフとエルフが鉢合わせたらこうなるでしょ」


 私は外から来たからよく分からないけど、種族同士でなにか因縁でもあるのかな。


「もしかして、ドワーフとエルフって仲悪いの?」


 私がフレムちゃんに質問すると、溜息をつきながら答えてくれた。


「逆だよ、逆。互いに尊敬しあってて仲いいんだよ。ドワーフはエルフの魔法や弓の腕に憧れて、エルフの方はドワーフの繊細な職人技に心奪われるんだよ」


 ほう、ならいいんじゃないかな。妹同士で仲がいいのは、姉としても嬉しいよ。


「ノームの頭脳が一番素晴らしいと思うんだけどねぇ、この種族達はわかってないよ、まったく」


 フレムちゃんが不満そうにしてたのはそういう事か。


「こ、今度、加工してる所を、是非見学させて欲しいっぞなっ!」

「き、興味あるぞなっ! 頼むぞなぁっ!」


 双子達が興奮している。一方のカジーナちゃんも同じみたい。


「う、うん、いつでもっ! 今、お姉ちゃんの武器を加工してるしっ! で、でね、私もエルフの弓使いを見てみたいんだけどっ!」


「そんなのお安いごようぞなっ! 魔法だって構わないぞなっ!」

「約束ぞなっ! こんなに近くで見られるなんて最高ぞなぁっ!」


 うふふ、ぞなぞな、ちょっと五月蠅いけどこれは見てて微笑ましいよ。


「ノームの頭脳の方が・・・・・・」


 フレムちゃんがブツブツ言ってるから、肩に手を置き抱き寄せる。そのまま頭同士で撫であった。


「フレムちゃんが凄いのは、私がよく知ってるよ。だから大丈夫だよ」

「ア、アオイ姉さん・・・・・・」


 フレムちゃんは頬を染め、うっとりしていた。良かった、機嫌が直ったみたい。

 何はともあれ、妹達に結束は必要だからね、最初からこの調子ならいい感じだよ。



 妹が四人になった所で、みんなを集めて一度ミーティングを開く。


「さて、カジーナちゃんは、引き続き、私の武器の加工をお願いね。急がなくていいから怪我はしないようにね」

「は、はい! アオイお姉ちゃんのために頑張るよっ!」


 赤い髪を揺らせカジーナちゃんは意気込んだ。


「エルダちゃんとエルシーちゃんは、ここにゲートを設置してもらいたいの。大変だろうけど、なにか困ったら私か、フレムちゃんに相談してね」

「わかったぞなっ!」

「やってみるぞなっ!」


 二人は良いお返事を返してくれたよ。


「そして、フレムちゃんは、この大陸の情報をできるだけ集めてね。行動を起こすときはここから始めるから、私の質問に全部答えられる位にまでお願いだよ」

「任せて姉さん、私にかかればすぐに纏められるわ。期待には応えるよ」


 フレムちゃんの眼鏡が光った。


 うんうん、頼もしい妹達だね。それじゃあ私は私の用事を済ませようかな。


「フレムちゃん、戦闘能力が高い種族ってなにかな?」


「戦闘力? そうだね、天人や魔人を抜かせば、竜人と鬼人だろうね。純粋な力比べなら他の種族は太刀打ち出来ない」


「ふむふむり、竜人に鬼人か。とりあえずどっちも会ってこようかな」


 気に入ったら妹にすればいいし、駄目ならパーツを頂こう。


「姉さん、気をつけて。いくら姉さんが強化魔法を使えるっていっても鬼人とか竜人は恐ろしく強いよ」


「大丈夫だよ、で、この種族、どこにいるの?」


「えっとね・・・・・・」


 この世界は大きく分けて五つの大陸に別れている。

 大陸一つ一つに色んな種族が国や町を作って混合して暮らしているの。

 でも、鬼人と竜人は五大陸では滅多に姿を見ることはないみたい。


 二つの種族はそれぞれ独立した島国に同種族だけのコミュニティーを築いているんだって。 さすがにそんな所に単独で乗り込む訳にもいかないので、今回は例外を探すの。


「フレムちゃん、五大陸には滅多に姿を表さないって事は、たまには見るって事だよね? なんか心当たりないかな?」


 私が問いかけると、フレムちゃんは一瞬迷いを見せたのち、重そうに口を開いた。


「・・・・・・あるにはあるけど・・・・・・」


「あるんだね、じゃあ教えて」


「・・・・・・悪名高くて有名な海賊団と盗賊団がいるんだけど、その二つのトップがたしか竜人と鬼人だったはずだよ・・・・・・しかもどっちも女だったね・・・・・・」


 ほほほー、凄いね女なんだ。そして、この人達は悪い意味で種族のはぐれ者なんだね。


「とても、凶悪って噂だよ。アオイ姉さん、この種族にはまだ手を出さないほうがいいんじゃない?」


「うふふ、心配してくれてるんだね。ありがと。でも、今の聞いて余計に妹に欲しくなっちゃった」


 荒事を任せるつもりだから、凶悪ってのはむしろ良いことだよ。


「さ~て、どっちから先に会おうかなぁ~」


 ドキドキしてきた。ここにいる妹達のように可愛いといいんだけど。

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