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聖女になるまでの間に機械少女を取りにダンジョンへ2






「システム起動しました。システムオールグリーン。衛星とのリンクを確認。

 アップデートシステムをダウンロード……ダウンロード完了。

 アップデート開始……アップデート完了。マスターを検索します。マスターの生体反応が検索できません。衛星からの情報を確認。マスターの死亡を確認。新しいマスターの情報を確認。あなたが私の新しいマスターですか?」

「私が新しいマスターだよ」


 イリスは堂々と答える。起動時に次期マスターの情報として自分のを入れておいたのだ。


「了解しました。では、これよりマスターに対する試験を開始いたします。準備はよろしいですか?」


 クリシュナが空中に浮かぶと、虚空に波紋が広がってそこからクリシュナの装備がでてくる。胸など動体はレオタードのような物で覆われ、両手両足が金属に覆われる。


「リタ、私は動けないけれどいける?」

「問題ないぞ、です」

「開始して」

「かしこまりました」


 波紋からガトリング砲が四連装機関砲が65門。上下左右を埋め尽くすような大量の砲門。それらが容赦なく放たれる。だが、その前にリタが動いてコンマ数秒のうちに砲門を全て蹴りや尻尾で壊してしまう。その風圧で周りにも被害がでるが、イリスは気にせずに端末を弄っていく。


「やっぱり、難しすぎるよね~」


 イリスの目の前のモニターには数々の問題が表示されている。それらをイリスが解いていく。解答はこの迷宮に隠されているので覚えれば難しくない。ただし、それはクリシュナと戦いながらであり、かつ問題数は100門。どれもクリシュナの武装についてであり、それがどんな威力でどんな連射速度を持つか、などを打ち込まないといけない。

 つまり、クリシュナに対する理解度を試されているともいえる。イリスがどんどん解いている間にもイリスを殺そうと攻撃してくる。

 クリシュナは空中から巨大なビーム砲であるバスターキャノンを持ちだすが、即座にリタに潰される。どちらもレイドボスクラスなのだが、リタとクリシュナではリタの方が相性がいい。何故ならリタは単体特化タイプ。たいしてクリシュナは広範囲殲滅型の遠距離タイプ。

 物理限界を越えて音速で動くリタにクリシュナが取れるのは面による殲滅だが、武装を出したそばから潰されていくのでどうしようもない。普通なら。


「チャージ完了。ターゲットロック」

「流石にそれはさせないよっ」

「衛星とのリンクが途絶。ウイルスコードを確認。ワクチンプログラムを起動」


 遥か上空にある衛星は軍事兵器である。そこにはレーザー兵器やビーム兵器、質量弾など様々な装備が収められている。それらをクリシュナは自由に使うことができる。

 数キロの範囲を焼き尽くすことすら可能であり、その破壊力や範囲を含めると戦略兵器として申し分ない。むしろ、クリシュナが作られた時代では衛星兵器による撃ち合いすらよく行われていた。これこそが滅んだ原因かもしれない。


「あはははっ、どうしやがった、です! 弱すぎんぞ、です!」

「……行動を解析。未来予測システム、ラプラスの悪魔を起動」


 未来を予測してリタを捕らえようとするが、リタは物理限界を越えて移動しているので追いつけない。クリシュナは対象を確認し、武装を選択し、ロックし、放つという行程を行っているが、リタは確認した時点でもうそこにはいない。

 かといってイリスを狙おうにもことごとくがリタに防がれる。対象を決める前にやられてしまえばどうしようもないのだ。むしろ、だからこそイリスはリタだけを連れてきている。他の人は邪魔になるのだ。


「現状の戦力では勝てないよ?」


 衛星兵器なら話は別だろうが、それをやると施設すら壊しかねない。クリシュナの最大の威力と最大の範囲がある衛星兵器はイリスの手によって使えなくなっているのでリタに完封されてしまう。


「……」


 クリシュナは無表情ながら、どこか悔しそうな雰囲気を漂わせる。感情プログラムなど一周目では手に入らないシステムなども迷宮では手に入るのでアップデートされている。つまり、武装など合わせていると強くてニューゲーム状態なのだ。


「はい、これでコンプリート」


 イリスはゲームの時に62回挑戦して全問を覚えて正解するまで頑張っていた。というのも、全問正解だとご褒美があるのだ。


「解答を確認。100問中100問正解。新規登録を行います。マスターのDNAを提出してください」

「了解」


 イリスがクリシュナに抱き着いて唇を合わせてから、舌を入れる。くちゅくちゅといやらしい音を響かせる二人のキスシーンは外から見たら百合の花が咲いている。


「むぅ~」


 しかし、外から見ているリタからしたら面白くない。そのため、イライラしている様子が伺える。


「マスター登録が完了しました。これ以降、宜しくお願い致します」

「じゃあ、さっそくだけどマスター用の装備をだしてくれるかな?」

「私に許可されているのは一つのみです。どれになさいますか?」

「ブレインコンピュータでお願い」

「畏まりました。ではそちらに寝てください」


 イリスは言われた通りに身体を横たわせると、いろんなところからアームが伸びてくる。


「おい、イリスに何しやがる気だ、です」

「大丈夫だから、リタは待機ね。いや、私の中に戻っておいて」

「ちっ」


 いやいやながらリタはイリスの中に戻っていく。それを見送ってから、イリスはみているとアームがよってくる。


「ね、ねえ……」

「なんですか?」

「麻酔はあるよね?」

「……いりますか?」

「いるよ! 頭開くんだよ!」

「かしこまりました」


 ゲームとは違って現実となったので、手術が必要である。ゲームと同じような感覚で進んで行ったら手痛いしっぺ返しがくること間違いなしだ。しかし、イリスはどこか狂っているので気にしていない。




 90分後、イリスは手術が終わると魔法で身体を再生していく。それから脳内にあるブレインコンピュータを確認し、その情報が視界に写ってくる。


(あ~身体中が痛いや。でも、これは仕方ないね。それでも便利な物を手に入れた。これがあるとないとでは全然違うしね)


 実際にブレインコンピュータはディスプレイの代わりになる義眼もセットなので、イリスの片目は義眼になった。これによってイリスは新しい力を手に入れた。

 それは衛星の情報をイリスが直接見たり、写真を撮ったりできるようになったのだ。これはかなり大事だ。他国の軍事行動や軍事施設が筒抜けになるのだから。それにターゲットをロックしたら自動的に追跡する機能などもあるのでこればかりはイリスも命がけで手に入れることにした。


「クリシュナ、いくよ。案内して」

「イエス、マスター。こちらです」


 イリスはリタを呼び出してからクリシュナを連れて戻っていく。すでにこの施設はイリスの支配下になったので無事に外にでることができた。






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