表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代ダンジョン・オーバーキル!  作者: フェフオウフコポォ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/87

第31話 潜伏ダンジョンで検証しよう

誤字報告ありがとうございます!

見逃しちゃうので、ほんと助かります


今日も朝からダンジョン!

入ダンと同時に、アクセサリ黎明の誓装は装備済み。

これだけはルーティンにしておきたいから、忘れないよう気を付けている。


今回の目的地は、7級『潜伏ダンジョン』。

あまり人気が無いダンジョンだとは聞いていたけれど、ツアーガイド付きのグループがちらほら。


ガイドがいるなら、向かうルートも出発時間も似通うはず。

人目が減ったタイミングで、少し離れてセリフィアを召喚しよう。


一人で潜伏ダンジョンを回るのは、良い装備してても不安だからね。


そんなことを考えながら、景観を見回す。


「いやぁ……ロマンを感じるなぁ……」


7級『潜伏ダンジョン』は一言でいうと『崩壊都市』。

倒壊した巨大ビル、ひび割れた道路、風に舞う紙くず。

ゲームなんかでありそうな、廃墟と化した都市。


昔は栄えていただろうこと、そして何かが起きたことを容易に想像させるダンジョン。

これは、ツアーガイドがいるのも分かる。

男の子はこういうところ大好き。


こんなところでモンスターと戦うんでしょう? もう好きっ!


そんなことを考えつつ、家で確認をしていて気になった武器を召喚する。


――*――*――


聖・三太の短剣


HP:0

攻撃力:1500

防御力:500

魔力:500

神聖力:0

すばやさ:1500


おっちょこちょいの三太さんが

聖夜に落とした三太鉄で作られた短剣

取得経験値40%アップ

取得金貨40%アップ


武器スキル「三太ドライブ」

敵全体にすばやさ依存333%の3回ダメージ


――*――*――


緑の鞘に収まり、つばが金の星型、柄が赤と白の縞模様の短剣が姿を現した。


うん。完全にクリスマス武器。

クリスマス期間中にドロップするアイテムで作れる限定武器だが、経験値取得と取得金額にバフが付く。


レベル上げと金策を両立したい俺にピッタリの武器だと思い、試してみたくなったのだ。

武器スキルも黎明の誓装のすばやさが3000もあるから、結構強いダメージがでるんじゃないかと期待してる。


……まぁ、武器スキルって使ったことないんだけどね。これも要検証か。


短剣をベルトに刺し、ガイドとは逆方向へ。

モンスターに気をつけつつ、廃墟の街を歩きだす。

少し進んだところで、セリフィアを召喚。


「おはようセリフィア。」

「おはようございますマスター。あれ? 今日は……武器が違うのですね。」

「あはは。見た目はアレだけど、経験値と金貨のバフ付きでさ。」

「それは良い武器ですね。流石マスター。」


朝一からサスマス。ありがとうございます。


「早速で悪いけど、またスキャンをお願いしていい? ここは蜘蛛とリーパーがいるみたいで。」

「お任せください。魔力干渉解析マナ・インタラクト・スキャン


ダンジョンをスキャンする光が広がっていく。

人目? 気にしない。

だってこのダンジョン、出てくる魔物が不気味すぎるんだ。


ハイディングモと、コンクリーパー。


どっちも隠れているモンスターで、ハイディングモは隙間から、コンクリーパーはコンクリに偽装して襲い掛かってくるらしい。


「スキャン完了しました……なるほど。7級ダンジョンともなると、掠り傷程度は負うかもしれない敵の気配がありますね。発生ポイントも9級より多く確認できました。」


「そこそこの魔石が落ちてる可能性があるってあったから、ポイントに落ちてるのかな。」

「有り得る反応ですね。封印クエストの確認をしながら採取できそうです。いつでもご案内できます!」


今日もやる気のセリフィアさん。

クールだけど元気ななんだよな。

セリフィアのテンションに、こっちも元気になる。


「今日は、封印クエストを試すのがメインだけど、ついでに武器スキルを使えるかの確認もしたいんだ。」

「確認ですか……パンプキンパニッシャーの武器スキルは使えていたようですし、今回も問題ないのでは?」

「あ。この短剣はパッシブじゃなくて攻撃スキルみたいでさ――」


ゲームの武器画面を呼び出し、セリフィアに見てもらう。


「……なるほど。パッシブ以外に攻撃スキルがあるのですね……そういえば攻撃の武器スキルは未使用でしたね。検証のしがいがあります。

マスター。私の装備もお願いして良いですか?」


編成画面からセリフィアの専用装備『裂理の魔導書』の装備をタップ。

すぐに彼女の手元に魔導書が召喚された。


裂理の魔導書の武器スキルは『裂理演算』。

『次回攻撃時、魔力が3倍になる』効果だ。


「ふむ……感覚的に武器スキルを使えることが理解できるのですが、マスターには、そのような感覚はありませんか?」


三太の短刀を抜いて、手に取ってみる。


「う~ん……なんとも。よく分かんないや。」

「そうですか。」

「この短刀自体、持つのも初めてだしね。まだ色々つかめてないのかも。」


ゲーム内では、戦闘中に持っているスキル毎にゲージがあり、それが満ちると発動できた。

もしかすると、戦闘が始まらないと使用できないかもしれない。


次の言葉を出す前に、一度、軽く息を吸って気合を入れる。


「あと…………俺がダメージを受けても大丈夫かの確認もしておきたい。」

「マスター……」


セリフィアの表情が驚きに変わる。

だが、驚きを飲み込んで思考を巡らせ、ひとつ頷いた。


「……確かに、必要なことだと思います。恐怖を乗り越えられたマスターを、私は尊敬いたします。」

「ありがとう。」


ステータス的に問題ない。とはいえ痛いのは怖い。

自分でも結構頑張ってると思う。


「ただ、2つ条件を出させてください。カグヤを呼ぶこと。そして私が先にダメージを受けてみる事です。」

「……え? カグヤを呼ぶのは分かるけど、セリフィアは……無理しなくて良いんだよ?」


俺の代わりにダメージを受けて検証するってことだろ?

それは流石に大人の男として、やらせちゃいかんだろ。


「無理ではないのです! アクセサリが機能していない場合の万が一を考えてのことです! 私のことを心配してくれるのは嬉しいのですが……いえ、とっても嬉しいのですが! そもそも私たちは攻撃を受けるなんて――日常茶飯事ですよ?」


……まあ、確かにゲームキャラだし。

ダメージくらうのも日常茶飯事か。

でも、目の前の美少女が傷つくのは、やっぱり抵抗あるわ。


「条件を飲んでいただけないなら、私は案内をしません。」

「え~……?」

「マスターにお願いされても聞きません。」


セリフィアはぷいっと顔を背け、ツーンと明後日の方向を向いてしまう。

案内拒否までされると、さすがに折れるしかない。


彼女たちは戦いの中で生きているキャラだしな……それを忘れて、俺が守らなきゃって思うのは、ちょっと違うのかもしれない。


……それでも、自分を犠牲にしてまで俺のことを考えてくれるのは、なんか申し訳ないけど嬉しいな。


「分かった。ありがとうセリフィア。

こんなに思ってもらえて嬉しいよ。」


俺はそっと両手を広げてみる。


「マスター……」


セリフィアが、ふわりと腕の中に納まってきた。


しばらくキャッキャウフフした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
やっぱ実際こわいよね
よく考エロ! 美少女は傷つかない! 傷付くのは装備(服)なんだ! つまり、ダメージを受けるほど肌色面積がふえていくんだ! 通りすがりの紳士が言ってました! 私は無実デス(なお、犯人は皆そう供述する)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ