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崖が崩れたらそこは宇宙ステーション♪  作者: Sukiza Selbi


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星降るテニスコートと、ふたりのやさしい夜 92

とある家族の女子高生 と AI

宇宙ステーションの日常を描いた物語

星降るテニスコートと、ふたりのやさしい夜


「すごい……!」


部屋に足を踏み入れた瞬間、ゆきなが感嘆の声を漏らす。

広々としたスイートルームには、部屋から直結したプライベートテニスコート、

そしてその先には、星空を映すようなジャグジー風呂が静かに湯気を立てていた。


「……とりあえず、お風呂行きましょう!」


えれなが嬉しそうに声を弾ませる。


ゆきなはうなずきながら、さらりと服を脱ぎ始める。

「部屋の中から、もうTシャツ一枚でいいわよね……」


挿絵(By みてみん)


えれなもつられてシャツだけを羽織り、ふたりはちょっと恥ずかしそうに、

裸足でお風呂までの短い廊下を歩いていく。



コート脇にあるジャグジーに到着すると、

「システム、ライト消して」とえれなが声をかける。


瞬間、ふわりと光が消え、そこには夜空いっぱいの星々が広がった。

地球とはまるで違う星の瞬き。色合いも、並びも、知らない銀河の鼓動のよう。


「ねえ、この星にも昔、星座ってあったのかしら……」

湯けむりの向こうで、ゆきながぽつりとつぶやく。


「たぶん……誰かが、どこかで空を見上げてたんじゃないかな」

えれながそっと隣に寄り、肩を寄せ合う。


温かなお湯と、肌に優しい夜風。

ふたりだけの宇宙のバスタイムは、まるで夢の中のように静かに過ぎていった。



風呂上がり、シャツ一枚で戻るふたりは、少し頬を染めながらも、どこか満ち足りた表情だった。

「これくらいの開放感……たまにはいいよね」

「うん、また来ようね」


ベッドの上で、工場の人たちがくれたサンドイッチを半分こして食べる。


「この卵の味……ちょっと不思議だけど、美味しい」


「たぶんこの星のハーブかも。覚えとこ」


心もお腹もぽかぽかに満たされたふたりは、

星の光を感じながら、眠りに落ちていった。



翌朝。


窓の外から差し込むやわらかな光と、山の澄んだ空気で目を覚ますと、

テニスコートには小さな生き物たちがちょこんと姿を見せていた。


「……あれ、なんていうのかしら?」


リスのような、でも猫のような。

ふわふわのしっぽと大きな耳を持つ、愛らしい動物が、何匹か芝生をぴょこぴょこ跳ねている。


フロントに確認すると、

「大丈夫ですよ、まったくの無害です。近づいてくれるけど、あまり撫ではさせてくれないんですよね」

とのこと。


ゆきなとえれながそっと近づくと、ふわふわの子たちは一瞬こちらを見て、

くるっとしっぽを振りながら、ひょこっと寄ってきた。


「可愛い……!」


ただ見つめるだけでも、心がほぐれる。

撫でることはできなかったけれど、まるで朝の挨拶のように、短いふれあいの時間をくれた。



ふたりはその後、朝のテニスで身体を温め、

今日の任務と出発の準備を始めることになる——


けれど、この星での一夜と朝の記憶は、

静かに心に残っていくのだった。


朝。

山の空気を胸いっぱい吸い込みながら、ゆきなとえれなは思う存分テニスを楽しんでいた。


「ふぅっ、走った走った……!」

汗をかいたまま、ふたりはコートからそのままお風呂へ向かう。



艦内グデグデタイムモード


「昨日はTシャツだったけど……今日はこれっ!」


挿絵(By みてみん)


そう言って、ゆきなが身にまとったのはタオル一枚の“艦内グデグデターイム”仕様。

ふわふわの極上タオルで全身をくるみ、自信満々のポーズを決める。


「完璧よ!」


「……けど、やっぱり恥ずかしくないですか?」

えれながくすっと笑うと、施設スタッフが一言。


「お着替えはロッカーにございます。サイズもご用意しております」


「……私たちのサイズ、把握されてるのね」

「うれしいような、ちょっとだけ恥ずかしいような…」


湯けむりの中、ふたりは今日もゆったりとお風呂を楽しんだ。



「朝ごはん、行きましょう!」


エレナが手を引くようにして向かうと、案内係が丁寧に声をかける。

「お客様、本日は素晴らしい天気でございます。テラス会場はいかがでしょう?」


「ぜひ!」


2階のテラス席に上がると、そこにはほのかな風と、森の匂い、鳥の声。

少し冷たいけれど、どこか心が温まる。


テーブルには香り高いコーヒーと、丁寧に盛り付けられた朝食。


「これ……山、好きかも」



挿絵(By みてみん)


そうぽつりと言うゆきなに、えれなが微笑んで頷く。



「ところで、他のみんなは今どこに?」


「朝から湿地帯のお散歩に出かけた人が多いですよ」

スタッフの返事に、えれながうなずく。


「いいな〜。今度、時間ある時歩いてみましょう!」


食後、ふたりは小型船に乗って工場へ戻る。

船体はスリムで加速もスムーズ、小回りも効いて扱いやすい。


「初めて使ったけど、小型船、いいわね」



「ではお姉様、4番艦・5番艦の調整行ってきます」


「了解! じゃあ私は、小型船でちょっと遊んでこようかな〜」

「1時間くらいで終わります〜!」


えれなを見送り、ゆきなは小型船で気ままに周辺を回遊。

山間部の風力発電所、スキー場、見晴らしのいいテラスラウンジ。


「あっ、あそこに人がいる……ハイキングガイドさんたちね。楽しそう」


そのまま空中都市へ。


「あ、私たちが行ったおすすめカフェも入ってる!」


顔を覚えてくれていたのか、カフェの店員たちが笑顔で手を振ってくれる。

広場には野外コンサート会場も整備されており、準備が進んでいる様子。


「何やるんだろう〜。また来たいなあ……」


人があちこちにいて、街に活気が戻り始めているのを見て、

「連れてきてよかったなぁ……」と心から思うゆきなだった。



工場に戻ると、えれながすでに待っていた。


「ごめん、遅れた?」


「いえ、ちょっと早く終わったくらいです」


「じゃあ、帰ろうか」


「はい。夕方に戻る組は、3番艦で自動帰還しますので、私たちは心配ご無用です」



3隻の宇宙艦が、静かに並んで出航する。

エンジンが光を帯び、ゆっくりと空へ。


「今後は、一隻づつ2番艦・3番艦・4番艦・5番艦が交代で、危険地域の防衛を担う予定です」


えれながタブレットを見ながら報告する。


「これで……安心ね」


ふたりは窓の外を見つめながら、

広がる空と未来に、小さく、でも確かな希望を感じていた。



山もいい評判です! どんどん宇宙船もできてきて

どうなっていくのか 楽しみです!

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