秘密基地の完成とお披露目 41
とある家族の女子高生 と AI
宇宙ステーションの日常を描いた物語
本日土曜日どうしても日曜日に急展開を始めたくて
連続投稿します。
皆様 評価のほどお願い申し上げます。
さあ 発進です!
2月下旬。完成検査の日。
「おじさん、早くない!?」
「いや〜順調だったからさ。そっちも確認頼むぞ」
ゆきながふと目をやると、ウッドデッキにバーベキューコンロ、芝生には小さなお茶テラスまで完備されていた。
「なにこの素敵空間……」
「へへっ、サービスだ。ゆきなが、こっちは駐車場とコンクリートのままでって言ってたろ? だからそのままにしてあるぞ」
「おじちゃん、最高じゃん……ありがとうございます!」
すかさずホログラムで浮かぶえれなの文字。
全体設計実行率:97.5% 許容範囲内での施工完了。
「ふふっ、えれなも太鼓判ね」
するとおじさんが、ぽんっと手を叩いた。
「よし、せっかくだから親戚一同、呼んであるからな!」
「えぇぇぇぇぇぇ!?」
数時間後、昼過ぎにはわらわらと親戚たちが集まり始め、おばあちゃん、おばちゃん、そしてひいばあちゃんまでがにぎやかにやって来た。お母さんも玄関でぽかんと立ち尽くす。
「えっ、なにこれ? まさか……」
「この度、ゆきなさんの倉庫ハウスが完成しました!」とおじさんが高らかに言い放つ。
その後、ゆきなが真っ直ぐ立ち、少し照れながらも堂々と語り始めた。
「皆様にいただいたこの土地で、ここまで作ることができました。今日は自由に見学していただいて、食べ物はおじさんが全部用意してくれましたので、好きなだけ召し上がってください。これからもよろしくお願いします!」
「すごい……これ、別荘じゃない!」とお母さん。
「うん。お父さんとずっと計画してたの。今度、ちゃんと説明するね。内緒の部分もあるから」
「わかったわ〜、ちゃんと聞くわよ〜」
「おじさん、ありがとう。発表のタイミング、どうしようかって迷ってたから、ちょうどよかった……」
「だろっ! みんな仲良いしさ、ついでだからみんな呼んでおいたってわけさ」
ひいばあちゃんが、ぎゅーっとゆきなを抱きしめる。
「今度秘密、教えてね〜。私、死ぬまで誰にも言わずに持っていくからさ!」
「もう〜、またそんなこと言って〜。スペシャル、今度こっそり教えるからね!」
その隣でエレナも優しく微笑んでいた。
⸻
夕方、内覧会が終わって家に帰ると、エレナから連絡が届いていた。
「お姉さま、地下にて建造中の宇宙船ですが、ほぼ完成いたしました」
「ほんと!?」
「はい。ただし、まだ細かな調整は必要です。ワープ機能以外はすでに実用レベルに達しています」
「ワオ……見にいこうかしら」
「もちろん、転送準備はできております」
—
瞬間転送で地下格納庫へ。
ライトがぱっと点灯し、ゆきなの前に広がるのは巨大な船体の輪郭。滑らかな装甲、メインブリッジのクリスタルドーム、艦尾に4基並ぶ融合炉の冷却フィン。
「これが……完成形……!」
「はい。現在は推進試験用の仮カバーですが、ステルススキン展開の準備も済んでおります。コックピットは艦長席を含め3名設計。ブリッジ後部に簡易ラウンジと仮眠スペース、もちろん女子向け仕様でお手洗い完備です」
「ありがとう、エレナ。最高よ!」
船体の左側に、ドックへ接続するリフト式の連結アームが伸びていた。司令所とは直通エレベーターで繋がっており、まさに秘密基地だった。
「この世界から直接宇宙に出られるなんて……夢みたいね」
「それはお姉さまの想像力と、私たちの努力の結晶です」
「……お名前は、何にいたしましょう?」
その声はやさしく、それでいて少しだけ特別な響きを持っていた。
ゆきなはふっと目を細め、少し空を見上げるような表情で呟いた。
調査船 ハナフライムよ
「もう……決まってるのよ」
「はい。私も、そう思ってお伺いしました」
次の瞬間——
その地球の裏側で、ある大変な事態が静かに進行していた。
人知れず迫る“もう一つの太陽の影”。
その時、ハナフライムは——新たな使命に呼ばれることになる。
—
次はテスト飛行。
その時が来るのを、誰よりも楽しみにしているゆきなとエレナだった——。
「では――調査船ハナフライムの概要をご説明いたします」
エレナの声が、艦橋に優しく響く。ブリッジの大型モニターに、美しく洗練された船体図が投影された。
「本船は、小型融合炉を四基連結しており、あらゆる状況でも安全に航行できるよう設計されています。たとえ二基が故障・破損しても、残り二基で100%の巡航速度が維持可能です。ワープ性能も、現在の民間艦船としては最高水準です」
「……すごいわね」
ゆきなは思わずモニターを見上げる。どこまでも滑らかな外殻と、静かに鼓動するような動力炉の映像。無骨さを感じさせない、凛とした機能美がそこにあった。
「通常時においては動力に余裕があるため、レーダーを常時フルスキャンモードで稼働させることが可能です。また、調査船としての本懐を果たすべく、船内には“シミュレーションルーム”を設けております。取得したスキャンデータを、まるでその場にいるかのように再現することができます」
「調査だけじゃなくて……」
「はい。艦長のご指示により、本船は“救助任務”も重点項目に加えてあります。
保護ルームの完備、結束レーザーおよび牽引レーザーを標準装備しております。さらに、万一の状況に備え、“周囲認識阻害回路”も搭載。必要に応じて、船体そのものを外部認識から遮断することが可能です」
「……つまり、見えなくなるのね?」
「はい。光学、熱、電磁波、全ての領域において、一定時間の“不可視化”が可能となっています。現在の地球圏内レーダーも、ほぼすり抜けると推測されます」
モニターに、各種装備の起動映像が切り替わる。包み込むような結束レーザーの輪、緻密な軌道を描く牽引ビーム。その中心に、穏やかに座るゆきなの姿が浮かび上がった。
「また、防御性能においても妥協はしておりません。シールド回線は、予備も含めて四系統を確保。これにより、部分損傷時でも即座に補填可能な冗長性を備えています。本来、ここまでの仕様は軍用レベルでも稀ですが……今回は、あえて贅沢な設計といたしました」
「……完璧じゃない。エレナ、あなた本当にすごいわ」
「いえ、これはお姉様――艦長の想像力と、過去の知識体系の融合あってこその産物です。私はただ、それを形にしただけです」
モニターには、武装概要も映し出されている。
「船体左右には、融合炉直結型の大型主砲を搭載。いずれも予備炉からの供給が可能な構造となっており、戦闘時の同時発射にも耐えうる仕様です。加えて、小型レーザー砲2箇所、物理射出型兵装を2箇所、前方には中距離誘導ミサイルを2基搭載しています」
「……本当に、これが“調査船”でいいのかしら」
「“何があっても、帰ってくる”ための船です。探索、救助、研究、戦術回避、そのすべてにおいて――ハナフライムは、艦長と共に在ります」
ゆきなは一歩前へ出て、前方スクリーンに映るハナフライムの姿を静かに見つめた。
「……ありがとう。ほんとに、最高の船だわ」
ハナフライム完成しました! 次回はまさかの出来事が…
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ゆきなとえれなの ほんわか 日常を楽しんでいただければ幸いです




