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9月20日、句読点の修正を行いました。
話を聞いていると次のお客はどうやら男らしい。男同士酒飲みながら語り合うんだと思う。今回は聖なる調味料があるので、居酒屋風にして酒を飲ませるのに特化させたい。ビバ和食。基本フレンチ料理の料理人なんだけど、和食が一番好きだし、何より美味いと思う。酒飲みもできるからなお良い。
(なあ。俺も酒飲みてぇ)
黙らっしゃい。俺も飲みたいけど未成年なんだよ。精神はもう大人だってのによ。やっぱりお酒の味方といえばおつまみでしょ。
今回のメニューは、カリッ、ジュワーでお馴染みの子供にも大人気な唐揚げに、マヨネーズを使ったポテトサラダ。鶏ガラ、醤油、味醂に酒、砂糖、昆布などを入れた、絶品タレで作る焼き鳥。その他にも、天麩羅、寿司、刺身、etc。
とにかくめちゃくちゃ量作って余ったら俺が食う。いや。むしろ俺が食うために作ると言っても過言ではない。全部俺の大好きなものたちだ。酒のつまみは酒と一緒じゃなくても旨いんだぜ。
多分この世界のお偉いさんにもこの旨味は絶対伝わる。
(お前が食えば俺にも味伝わって一石二鳥じゃんけ!)
別にお前のためじゃねーよ。醤油使って料理すんのなんだかんだで初めてだから俺も食いたいんだよ。
味噌汁はもう作ったから味噌はいいけどね。因みに焼き鳥は前回塩ダレだった。タレ仕込む時間なかったから。TKGは料理ではない。美味しいけど。よって醤油で料理するのは初なのだ!
ああ……早く食べたい。
(会食よりもお前が食べる方が重要っぽいな。それなら好きな時に自分で作りゃいいのに)
先生が勝手に厨房に入るなって言ってるから。俺だけ特別扱いは良くねーってさ。
(そんなこと言ってたな)
でも会食なら話は別なのだ!余分に作れば俺も食える!いつも味見はできたけど、腹一杯食えなかったからな!
そうと決まればタレ作り急ごう。会食は明後日だ。
ーーー2日後ーーー
(ジュワーッ)
鍋からイイ音が鳴る。ああ神秘的な音。唐揚げこそ神!世界をまたにかけたこの俺が言うから間違いない。結局最高のフォアグラよりこっちの方がうまいんだよ。
肉の下味も文句ナシ。醤油様様っす。ポテトサラダもいい出来。ポテトといえばポテトチップスも作っといた。ちょっとお菓子程度につまんでもらおうと思っている。
おつまみに枝豆やその他お酒の友軍団に集まっていただいている。
寿司と刺身はもう完成。焼き鳥はもうタレつけて炭火で焼くだけ。
野菜は丁寧に切って衣つけて鍋にポンでジュー。天麩羅の完成。エビにナス、椎茸、タラの芽、大葉にキス。様々な食材が天麩羅と化してゆく。大根おろしとポン酢に近いタレも作った。
挽肉に飴色玉ねぎで肉汁あふれるハンバーグ。海藻のサラダもいい出来だ。あぁ。うまそうだ。
焼き鳥を炭火ゾーンへ。ああ炭の香りがいい。備長炭最強説浮上。
人間貪欲になると凄いもので、18種の品を作った。
ーーーーーーーー
料理を持ってくると、既に王とその連れはポテチ片手に酒を嗜んでいる。
「おお。ガリュー。待っていたぞ。今回もうまそうだな。さあ。頂こうかねアロウ殿」
お連れの方はアロウさんらしい。
(唐揚げ食いてー)
はいそこ黙ろうか。
王達は料理にかぶりつく。
「これはなんだね?」
「唐揚げにございます」
「こっちは?」
「寿司です」
「寿司?あれは肉料理ではないのか?」
「むしろ魚が正統派です」
最初に食べさせた時には肉寿司だったからな。
「醤油をつけて食べてみてください」
ちなみに今回は定食でもコース料理でも何でもない。ただただ俺が食いたいものだけ集めたんだ。まあ勿論和風で纏めたけど。
え?ハンバーグ?大根おろしにポン酢もどきで和風にしたよ。ポテトサラダはまあね……あれはほら……もう和食でいいでしょ。ね…………
お連れさんが無言で食べ続ける。少しはうまいとか言って欲しい。
なんだかんだであり程度残してもう2人はお腹いっぱいのご様子。アザゼル。思ったより食えそうだぞ。
(ラッキー)
「えーっとだね。ガリュー君」
王様に君付されたんだが。あれ?変なものでも食べたのかな?もしそうなら俺が食わせたことになるんだけど。
「実はこの人は格付け人と言って料理階級の格付けを行う人達のグループの幹部でね。今日は君の料理ランク査定をしてもらいに来たんだよ」
え?つまり俺は今勝手にこの人に格付けされてた訳?この人の口に合わなかったらランク付けられませーんとか?
料理階級とはあのややこしく無駄に細かく区分けされた例のアレの料理人版だ。やっぱり21段階の細かい区切りだ。
でも、実際ランクつけてもらうには、それぞれのギルドに言って試験受けないといけない筈なんだが?それも12歳以上じゃないと駄目なはず。
「簡潔に申し上げますと、こちらの料理は見た目、味、雰囲気等等の観点から、神級に相応しいと判断し、貴方を神級料理人として新たなライセンスを授与することになりました。今日から貴方は神級料理人です」
はてな?
「神級……ですか?でも……試験受けないといけないのでは?」
「今のが試験です」
「でも12歳からじゃないと…………」
「特例です。このキャビアン王の推薦ということで特別に参りました」
「良かったなガリュー。君は今日から世界一の料理人だよ」
(すごいじゃん。早く食おうぜ)
凄いことなんだろうけど、状況がイマイチ頭に入ってこない。つーかアザゼル食い意地張りすぎだろ。
よくわからないけど、ライセンス(なんかよくわからんカード)が渡された。そして二人は帰っていった。
その後残った料理はスタッフが美味しく頂きました。うまかったです。でも、頭が混乱していてしっかり味わえなかった。
俺はその日、神級の一つのライセンスを手に入れた。そのライセンスのすごさを俺は知らなかった。
明日は更新なしかも知れません。
順次更新です。
もうすぐ9000PV!




