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35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~  作者: 出雲大吉
第6章

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第228話 久しぶり?


 牧場のための平地を作った翌日は家でまったりと過ごす。

 そして、その翌日の金曜日にはキョウカからテンションの高いメッセージが送られてきた。


キョウカ:いえーい! テスト終わりー!

山 田 :おつかれ

キョウカ:放課後に行きまーす!

山 田 :わかった


 このやりとりを午後にし、夕方になると、久しぶりにキョウカとユウセイ君がウチにやってきた。


「終わったようぅ……ミリアムちゃーん、ありがとうねぇ……」


 コタツに入ったキョウカはミリアムを抱きしめ、頬ずりをする。


「テストはどうだったにゃ?」

「多分、大丈夫。60点は固い」

「そうか……お前にしてはよくやったにゃ」

「せんせー!」


 良かったね。


「ユウセイ君はどんな感じ?」

「普通? いつも通りで良くもないし、悪くもないと思う」


 この涼しい顔だよ。

 さすがは優等生だ。


「お疲れ会でもする? 食べに行くでもいいし、頼んでもいい」

「ジャンクなもんを食いてーなー」


 若者って感じがするな。


「キョウカは?」

「ピザにでもします?」


 ミリアムを抱きしめているキョウカが首を傾げながら聞くと、ルリがチラシを取り出し、キョウカに見せる。


「お姉ちゃん、このトロトロチョコレートのショコラで糖分を補給したいな」

「良いと思います」


 ルリがうんうんと頷いた。


「ねー。ところで、ルリちゃん、そのサメさんはどうしたの?」


 キョウカがルリのそばに落ちているサメのぬいぐるみに気付いた。


「タツヤさんに買ってもらいました」

「へー……サメかー。私もサメ好きだなー」


 そうなの?

 男の子は好きだろうけど、女の子ってもっと可愛いのが好きじゃない?


「水族館に行って、見てきましたけど、お姉ちゃんに似てました」

「…………ん? 似てるかな?」


 キョウカがミリアムを放し、ぬいぐるみを手に取る。

 当たり前だが、見た目が似ているわけではない。


「人を襲うところじゃないか?」


 さすがのユウセイ君が笑った。


「襲わないけど? え? 似てます?」


 キョウカが俺を見てくる。


「いや、そういうことじゃなくて……目がちょっと似てるかなーと」

「目? つぶらな瞳……」


 いや、ぬいぐるみはそうだろうよ。

 デフォルメされてるし。


「あー、キョウカだ、キョウカ」


 ユウセイ君がスマホを見ながらうんうんと頷く。


「見せて…………うーん、似てないような」


 キョウカがユウセイ君からスマホを受け取り、首を傾げた。

 俺もチラッと見てみるが、スマホに映っているのはホオジロザメだ。


「数学のテストを受けている時はそんな目だったぞ」


 怖っ。

 そりゃユウセイ君もあんなメッセージを送ってくるわ。


「数学は記憶にない……まあいいや。ルリちゃん、お姉ちゃんだよー」


 キョウカがサメを空中で泳がせ、ルリの頬に当てる。

 すると、ルリがちょっとだけ嫌そうな顔をした。


「いや、ルリを食べないで」

「食べませんってー。キョウカザメは海藻とかを食べるんです」


 甘いものでしょ。


「そう……あ、キョウカさ、悪いんだけど、マリエル様のところに行くのに付き合ってくれない?」

「そうでしたね。私も気になってましたし、ドレスのことをちゃんと謝らないといけません」

「明日か明後日は行ける? テスト明けだけど」


 大変じゃないかな?


「大丈夫ですよ。どうせここにいますし」

「そっか。モニカ、ちょっとマリエル様と連絡を取ってくれる?」

「かしこまりました。では、すぐにアポを取ってきます」


 モニカは立ち上がると、連絡を取るためにリビングから出ていった。


「山田さん、退魔師の仕事の方はどうする?」


 ユウセイ君が聞いてくる。


「それね。桐ヶ谷さんと話したけど、やっぱり退魔師が足りてないみたい。君らのテストが終わったら仕事をしてくれって言われてる」

「まあ、やる分にはいいんだけど……名古屋支部が壊滅したから仕方がないが、いつまでも少ないわけにはいかないだろ」


 それはそう。


「俺もそう思ってどうにかした方がいいですよって言った。あとは協会がどう判断するかだね。とりあえず、月曜からまた仕事を再開しようか」

「了解」


 ユウセイ君が頷いた。


「キョウカもそれでいい?」


 いつの間にかルリとピザのチラシを見ながら相談しているキョウカにも確認する。


「大丈夫でーす……残ってもユウセイ君が食べるし、両方頼めばいいんじゃない?」

「うーん……タツヤさんとユウセイさんは何かあります?」


 ルリが聞いてきた。


「俺は何でもいいよ。どれも好きだしね」

「俺、サイドのポテトとフライドチキン」


 ホント、よー食うわ。


「モニカさんもミリアムも何でもいいって言うし……ここは間を取ってシーフード」


 間って何だろ?


「ルリが好きなものを頼みなよ」

「そうだよ」

「じゃあ、シーフード」


 知ってる。


「ただいま戻りました。おや? ピザは決まったんです?」


 モニカが戻ってきた。


「うん。熟考の末、シーフードになったよ」

「そうですか……美味しいですよね」


 モニカが苦笑いを浮かべた。


「それでマリエル様は何て?」

「明日の昼に伺うことになりました。キョウカさん、大丈夫でしょうか?」

「大丈夫でーす」

「では、午後からお願いします」


 多分、朝から来るだろうし、昼御飯を食べてから行く感じだな。


 俺達はその後、ピザを頼み、皆で食べた。

 久しぶりに皆が揃った夕食だったし、賑やかで楽しかったと思う。


いつもお読み頂き、ありがとうございます。

コミカライズが更新されておりますのでぜひとも読んで頂ければと思います。(↓にリンク)


よろしくお願いいたします。

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