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子リス転生 〜 前世で英雄の私は可愛いを極める〜  作者: メイリ


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58/123

第五十二話 到着場所は指定出来なかったよ!

 さて、そろそろ着くかな〜。

 何となく見覚えのあるお城が見えてきたんだよね。


「おお! 城が見えて来たぞ! 」

「まさかこの距離をこんなスピードで帰って来られるとは! 」

「さすがはトナトナ様! 有難や〜」


 騎士様達がお城が見えた事で興奮している。

 最後の人はトナトナを拝んでいるけど………トナトナも満更でもなさそうだ。


『トナ〜、よぉ〜し、このままお城に突っ込むよ〜』


「突っ込むのはちょっと………えっとトナトナ、手加減してね? 」


『だ〜いじょ〜ぶ! ベストポジションにバシッと停めるトナ〜』


 信じて良いんだよね? トナトナ?








「それで………同じような魔法陣は持って来たのですかな? 」


「いや、あれは同じ場所に転移出来るものではないから………」


 ザンガス王が申し訳なさそうに言うが、なら何でそんなものを!


「ならば、ザンガス王が言う大人しい姫とやらは何故そのような危険な物をうちの国に持ち込み、使用した上、自分は悪くないとわめいておるのだ?! 騎士達と我が国の王子の婚約者が巻き込まれたのだぞ! 何度も言うようだが、もし無事に皆が戻らねばすぐに開戦だ! 」


「ま、待ってくれ! 騎士が何人かと王子の婚約者とはいえ、子爵家令嬢が行方不明ということで戦争まですぐに発展するのは、さすがにやりすぎではないか? 」


 ザンガス王の言葉にその場にいた自国の者全てから殺気が出た。

 この男はまだ自分の立場がわからないらしい。


「やりすぎだと? ふざけるな! 我が国の宝だと言っているだろう?! 」


「その子爵家令嬢が宝だと? 聞いた話では若くして精霊と契約したと聞いているが、それならば我が国にもいる。その者であれば高位貴族だし良ければ王子の婚約者に………」


 ザンガス王が全てを言う前にリースが吼えた。


「ふざけるなーーーーーーー!! 」


 リースが今にもザンガス王を殴りに行こうとしているのを、エイドリアンが羽交い締めにしている。


「フローラ嬢の代わりなど誰にも出来ない! フローラ嬢の価値はあなたが思っている数百倍、いや数千倍あるんだ! それに俺はフローラ嬢のことを心から愛している………それを、代わりだと? 」


 そう言うと、エイドリアンを撥ね退けてザンガス王に今度こそ殴りかかった。

 しかしそこでザンガス王が動いた。


「ふん、たかだか子爵令嬢にそこまで入れ込むか? おい、ファイル出ろ」


 ザンガス王の前に何かが現れた。

 その何かはリースの攻撃を受け止めてそのまま跳ね返した。


『こんな子供の攻撃を防ぐのに俺を呼ぶな』


「ふん、お前は私の言うことを聞いていればいいんだ。さあ、ファイルここにいる者達を捕らえよ」


 ザンガス王はどうやら自身の精霊を出したようだ。

 この態度であれば本当に戦もあり得るな。

 ザンガス王の精霊に対抗するようにエイドリアンも自身の精霊を出した。

 しかしザンガス王の供も全員精霊の契約者だったようで皆精霊を出し始めた。


「ここにいる精霊はこのファイルを含め全て上級精霊だ。どうやらそちらの精霊も上級らしいが果たして一人でこの精霊全てとやり合えるかな? ここは大人しく、こちらに姫を渡して私たちを隣国に帰してくれんかな? 」


 こいつはもともとそのつもりでこの場に来ていたのだな。

 謝罪などただのポーズ、あとは無理にでも姫を連れて帰ろうとしていたか。

 しかし精霊がこのような者達に従うとは………まさか精霊にも魅了が効くのか?


「このまま帰れると本当に思っておるのか? こちらにも精霊使いは他にもいるのだぞ」


「上級精霊自体は居らぬだろう? それからこのまま我らを拘束すると言うのであれば、この国に輸出していた貴重な薬草類などの取引も無くす! 」


 このような者が本当に隣国の王なのか?

 しかし実際、上級精霊がこれだけいると我が国の精霊使いだけでは抑えられない。

 だが、このままこいつとあの姫を隣国に返すのは絶対に許せん。

 この一触即発の状態をどうしたら? と思っていたところでそれは突然やって来た。




 ドッカーーーーーーーーーーン!!!!


 いきなり大きい音が響いたかと思ったと同時に天井が落ちて来た。

 そしてその瓦礫から出る煙が晴れた時、そこにいたのは………


『トナ〜〜〜無事到着したよ〜。ね? ベストポジションだったでしょ? 僕スゴイよね〜』


『この馬鹿トナーーーーーーーー! 何で天井壊しているでありますか?! 主様が怒られたらどうするであります?! 』


 フランが自分よりも相当大きいトナトナに殴りかかっている。


『え〜〜〜? 僕絶対ベストポジションだと思うよ〜。まあ、とりあえず天井は直すけどさ〜』


 そう言ってトナトナが軽く呪文を唱えると、天井の破片だった物が全て浮かび再び天井を構成し始めた。



 んで、ようやく一息つくかと周りを見渡せば…………アレ? なんか取り込み中?

 えっと、出直しましょうか?

明けましておめでとうございます。

今年も子リスとモケゾウともどもよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 元旦の更新ありがとうモケ!幸せになったモケよ~ モケゾウさんがイキってる隣国の上級精霊に序列を教えてあげるのが楽しみ~
[一言] よろしくしちゃう?  いや、されちゃう❢
[良い点] モケゾウさんの拳シュシュが敵方の精霊に火を吹くフラグ来たモケか? 楽しみモケ~ [気になる点] トナさんのこれからの立ち位置が気になるモケよ [一言] 明けましておめでとうございます! 新…
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