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子リス転生 〜 前世で英雄の私は可愛いを極める〜  作者: メイリ


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第三十一話 館長様に会うよ!

 フランのおかげで図書館に行けることになった。

 フランは人間の姿で何回も生活しているらしく、人間の真似も上手だった。


『じゃあ、主様は隊長の主様の生まれ変わりなのでありますね? そんなことがあるのでありますね、何やら隊長の執念を感じるであります………』


 フランがモケゾウのことをブルブル震えながら見ている。

 それに気づいたモケゾウが拳をシュッシュと繰り出しているのはお約束なんだろうか。




 イロイロあってようやくたどり着いた図書館は、思っていたよりも数倍大きかった。


「ふぁ〜、大きいね〜。これは凄い、一体どうやって管理しているんだろうね? 」


『モケモケ〜、精霊の気配がするからそういうのが得意なのに手伝ってもらっているんだと思うモケよ。結構数がいるモケね、流石に上級精霊じゃないモケど。初級と中級を使っているようだモケね〜』


 へぇ〜、本の整理もしてくれるんだね。


『さあ、主様参るでありますよ。隊長は姿を消すなり、隠れるなりしてほしいであります』


 フランはモケゾウを怖がるわりに、意外と扱いは雑だ。

 長年上司と部下としてやってきたからなのかな。




 図書館の中に入るとそこはまさに本の迷宮。

 周りは見渡す限りの本の山。

 上を見ると本が飛んでいる、どうやら精霊が運んでいるようだ。


 私とフランは受付らしき場所に向かった。

 そこは本と本の間に挟まれて、見えにくい場所になっている。

 私は受付にいる男性職員に声をかけた。


「あの、お仕事中申し訳ありません。本日、こちらの館長様にお会いする約束をしていたフローラ・ベルンハルトと申しますが、館長様はいらっしゃいますか? 」


「ああ、貴方がベルンハルト嬢ですか。館長から貴方がいらっしゃたら奥へ案内するよう言われておりました。では、こちらの方へどうぞ」


 私とフラン………そして姿を消してついてきているモケゾウは職員の案内で受付の奥の方にある扉に案内された。

 そこは魔術でロックされているようだった。


「館長からは、この扉のロックを解ければ会うと伝えるよう言われております。館長はこの扉の奥におりますので、扉のロックが解けた際はそのまま奥にお進み下さい」


 そう言うと職員の方は受付の方へと戻っていった。


『これは合言葉を言えば開くタイプの扉でありますね』


 フランがすぐに扉のタイプを言い当てた。

 さすが上級精霊。

 でも、ここでフランを頼ってしまっては館長様は私に会ってくれないかもしれない。

 私が解かなければ………。


「………あ、これって」


『モケ〜、主〜合言葉わかったモケか? 』


「うん、たぶん。だってここに書いてあるし………」


 そう、扉の上の方に合言葉は『本好きに悪い奴はいない!』って書いてある。

 まあ、古代語で書かれているから知っている人じゃないと気付かないか。


『モケ〜、隠す気ゼロだモケね〜』


『普通の人間だったらこの古代語読めないはずでありますから、隠す必要はないのでありますね。そもそも意味がわかっても発音出来ないと意味ないでありますし』


「そうだね。でも、本当にこれであってるかわからないからとりあえず試してみようか。『本好きに悪い奴はいない! 』」


 私の言葉に扉がゴゴゴーーーと音を立てて開いた。

 どうやら正解だったようだ。

 そして私達はそのまま扉の奥に進み始めた。

 扉の奥は一本道、迷うことなくひたすら奥へと進む。


『うーん、この通路たぶん幻惑魔法がかかってありますが、主様には効かないようでありますね? 』


「そうなの? どんな幻覚が見えていたんだろうね? 逆に気になるよ」


『モケ〜、これは金銀財宝がザックザク見える幻覚だモケね〜。これに惑わされた奴はこの通路で動けなくなるモケよ。主は魔法耐性が半端ないからこういうのは効かないモケ』


 そんなことを話しながら進んでいくと、ようやく行き止まりまで来た。

 大きな扉が行く手を阻む。

 でもこの扉はロックされていないようだ。

 私は扉をノックしてみた。



「ほい、開いているから入ってきて良いぞ」


 中からそんな声が聞こえた。

 私は扉を開けて中へと入っていった。

 すると中には、椅子に腰掛けて本とにらめっこしている人がいた………この人が館長様か。


「はじめまして。フローラ・ベルンハルトと申します」


 私の声が聞こえたのか館長様が勢いよく本から頭をあげた。

 そして私を見て驚いた顔をしている。


「うぉ! うちの職員かと思ったら違っておった! うむ、フローラ………おお〜〜! 今日来ると言っていた子か?! じゃが、しかし………あの扉のロックを開けて幻覚にも惑わされないとは………どんな規格外! おや、お主、精霊がついているのか? なら不思議ではないか………」


 館長様がイロイロ驚いているけど………。

 私も正直驚いている、何故なら館長様が話し方はおじいちゃんなのに、見た目が私と同じ年に見えるからだ。

 よく見たら耳が長い………あれはエルフか?

 前世では騎士団にも何人か所属していた。

 アレは見た目と年齢合わないからな〜、力が一番強い時の姿で成長が止まるって話だった。

 ならこちらの館長様はこの姿が一番強い時ってことか。



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