第23話 旅の目標が出来ました・・・
6/30日誤字直しました
うぅ・・・・。
姉上がまさかヤンデレだったとは・・・。
うぅ・・・・。
朝になって姉上の部屋に眼鏡メイドさんが迎えに来たけど・・・怖い・・・なんだらう?
廊下ですれ違うメイドもなぜか怖い・・・。
なぜだ? なんで怖いんだ?
眼鏡メイドさんが俺の股間をチラリと見ただけで背中に冷たい汗が流れた。
なぜだ? 昔は・・・というか昨夜姉上に犯される前までは、むしろ喜んでいたのに・・・。
「トール様? どうかなさいましたか?」
はっ!? 俺は今までなにを・・・? というか、なんで父上の執務室の前にいるんだ?
考え事をしていたからなにも覚えてない・・・どうしよう・・・。
「トール様・・・国王様が中でお待ちになっています・・・出発の挨拶を・・」
眼鏡メイドさんが軽く状況説明してくれた。
ああっ! そうか! 城から出る前に挨拶しろってことか!
ん? だけどそれなら朝飯食べてからでもいいんじゃないか? それになんでここなんだ?
「うん」
短く眼鏡メイドさんに返事をして部屋をノックしてから入る。
「おお、トール来たか・・・」
部屋の中には今にも泣き崩れそうな父上(王様)・・・そんなに心配しなくてもいいのになぁ。
「父上」
こちらは、堂々と胸を張り正面から父上を見据える。
「すまない・・・幼いお前を魔王との戦争に巻き込んでしまって・・・」
目から涙、鼻から鼻水・・・・キモイ・・・早く終わってーーー。
「父上! 僕は大丈夫です! 必ず僕の中の力を使いこなし魔王を倒します!!」
まぁ、力は使いこなせてるし魔王も倒さないけどねっ!
「おお・・・トール・・・立派になって・・・」
父上感激・・・顔キモイ・・・。
「では・・・僕は行きます!」
そう言って部屋から出ようとドアノブに手をかけた・・・けど・・・あの3人組はどこにいるんだろう?
もう城に着てるのかなぁ? というか「行きます」とか言っといて、まだ全然旅の用意もしてない・・・。
「ああ、トールよ。旅の資金として金貨10枚を用意してある。あと、お前が王子だということは誰にも言うんでないぞ・・・知られてしまえば思わぬ陰謀に巻き込まれるかも知れんからな」
ナイス! 父上!!
俺はまた父上の前に立ち、金貨を受けとる。ついでに3人の居場所も聞いておこうっと!
「ありがとうございます。大切に使わせていただきます・・・それで『血の三銃士』の3人はどこにいるんでしょうか?」
「ああ、それならもうすぐ来るはずだ。城門に来るように頼んだからな」
「わかりました。城門ですね」
「あっ! あの・・な・・・トール・・・」
そう言って、部屋から出ようとするがまた父上から声をかけられた・・・しかも、なぜか様子がおかしい?
さっきまでの泣き崩れた顔だったのに、今はかなり・・・というか今までで一番険しい顔になっている。
どうしたんだ? なぜか俺を可哀想な・・・哀れんだような目を向けている?
なんでだ? 旅に出る話の時より空気が重い・・・・。
父上がゆっくりと口を開き、言葉を紡いでゆく・・・。
「アリシアのことなんだ・・・」
なぜだろう? 嫌な予感がする・・・。
「姉上がなにか?」
まさか、昨夜の行為がばれたのか!? どっ、どうしよう!!??
「アリシアが婚約者を指名してな・・・」
「へぅえっ・・・・!?」
婚約者!? 指名!? 姉上って好きな人いたの!!??
「それが・・・指名した相手は・・・お前なんだ・・・」
「・・・・・・」
父上・・今なんて?
「アリシアはお前以外とは絶対に結婚したくないそうだ・・・」
「そう・・・なんですか・・・」
最初から姉上も手に入れるつもりだったけど・・・うーと・・・それっていいの?
まずは近親姦だし・・・王族の結婚は政略結婚が常だ・・・姉弟で王子と姫が結婚したら政略結婚の駒を失うことになるんじゃないのか?
「えーと・・・父上? それって大丈夫なんですか?」
「ああ・・・本来ならいけないことだ・・・しかし、アリシアの意志は固い・・・側室でもいいからお前の子供を産みたいそうだ・・・」
はぁ!? 俺の子供産みたい・・・? えっと・・・姉上って12歳だよね? というか側室制度ってあったの?
「父上、側室ってなんですか?」
いや意味は知ってるけどさぁ、父上と兄上には妻は1人だけで側室はいないから、この国には側室なんてないのかと思ってたからね
「側室とは、妻以外の女性だ・・・お前はまだ知らなくていい・・・」
まぁ、10歳の子供に聞かせるもんじゃないよねぇ・・・。
父上は俺の顔を真剣な表情で見つめ聞いてきた。
「なぁ、トール?」
「はい」
「アリシアは好きか?」
「はい! 大好きです!」
当たり前だろう? 実姉は当然ハーレム要員だ!
「ならいいな!」
ふぇっ!? なにがいいのっ!?
「うん。お前達がそこまで愛し合っているならアリシアをお前の側室にしよう! うんそれがいいな」
父上っ!? どうしたの!? なんか変だよ!? ていうか姉上側室に決定?
「父上・・・?」
「ああ、トール。もうすぐ迎えが来るんじゃないか? ほら、もう話は終わりだ。旅の用意があるんだろう?」
父上が突然立ち上がり、俺を部屋から追い出す。
えーーと・・・なんで? なにが起こったの?
えっと、とりあえず・・・姉上ゲットーーーーっ!!!!
・・・。
・・・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・・いやいやいやいやっ!!??
おかしくない!? えっ!? この国って姉弟の結婚っていいの!?
ていうか、一国の姫を・・・実の弟の俺の側室にしていいの!?
いや、姉上を手に入れるつもりだったよ!?
でも、この展開はおかしくない? こんなにすんなりいくものなの?
なにか・・・なにかがおかしい・・・いやっ、絶対におかしい・・・!!
部屋に戻ってきてすぐに眼鏡メイドさんと部屋の中で待っていた黒髪メイドさんに1人で用意すると言って部屋から出て行ってもらった。
部屋から出て行ってもらってからすぐに、俺は魔法を発動させる。
手のひらにバスケットボールサイズの水の玉を出し『遠見』という覗き見専用の魔法を発動する。
本来の『遠見』では、姿を映し出せても声は聞こえないが、俺は研究に研究を重ねて声が聞こえるように改良した。
だって、そうしないとねぇ・・・メイドさんが深夜に1人でしてるときの声が聞こえないじゃん?
最初に『遠見』を発動させた時はテレビを消音で見てるみたいで詰まんなかったから、頑張って声が聞こえるようにしたんだ。
俺の『遠見』は女性専用の魔法なのに男(父上)に使うことになるとはな・・・残念だ・・・。
うぅ・・使ってやったんだから姉上を俺の側室にした納得できる情報をよこせよ!!
水の玉にはさっきまで俺がいた執務室が映っていて、父上が机でため息をついていた。
「ふぅ・・・トールがアリシアを受け入れてくれてよかった・・・」
そして、なにやら独り言を喋っている。
「まさかアリシアがな・・・」
なにっ? 姉上がなに!?
父上の次の言葉を待っていたらドアが開いて誰かが入ってきた。
「お父様」
おっ! 姉上だったか。
丁度いいなんで父上があんな話をしたのか分かるかも。
姉上は部屋に入り父上の目の前に立った。
んー? なにか姉上の様子がおかしい?
臆病なウサギさんの姉上が堂々としていて、堂々としていた父上が怯えている?
「お父様。例の件ですがきちんとトールに話しましたか?」
「ああ・・・話した・・・トールはお前を側室に迎えるそうだ・・・」
えーと・・・姉上が俺の側室になりたいって要求したの?
「そうですか・・そうなんですか・・・側室ですか・・側室なんですか・・・!!」
ヒィッ!! こ、怖い・・・!! どうしちゃったの!?
「おっ、落ち着いてくれアリシア・・・」
父上はビビリながらも姉上を宥めた。
「そうですね・・・やはり側室ですか」
「しっ、仕方が無いだろう・・・本来ならお前は他の国の王子と政略結婚しなければいけなかったんだが、お前は拒絶しただろう・・・?」
「はい。トール以外とは結婚したくありませんし、子供も残したくありません。他の国の王子と結婚させようとするなら相手の王子のナニをもぎとって、潰して、豚のエサにします」
「・・・・」
・・・・・うんっ! 怖い・・・・なにこの子? 本当にあの姉上? 臆病でウサギさんみたいだった姉上なの? 父上なんて口開けて絶句してるじゃん?
「・・・そうだろう」
父上がなんとかもち直した!
「だが、お前がトール以外と結婚しないとなると、外交はどうなる? ターナーは婚約者一筋だし、お前はトール一筋・・・ターナーの婚約者も我が国の出だ。そうなると、他国との繋がりがなくなってしまう・・・。トールが多くの妻を作り外交の橋渡しにならないと・・・・」
姉上のどんどん顔が怖くなって、父上がとうとう黙ってしまった・・・。
「アっ、アリシア・・・?」
「はい、お父様。わかりました。トールの側室になります。そうですね。トールと結婚できるなら我慢しましょう」
いや・・・全然分かってません・・・姉上は口だけです・・・だって・・・棒読みなんですもん!
姉上はそれだけ言うと部屋から出て行った・・・。
部屋に残された父上がため息交じりで独り言を言い始めた。
「はぁーーっ、アリシアを無理やり政略結婚なんてさせたら相手の王子が再起不能になるのは間違いない・・・そしてその国と戦争になる・・・はぁーーーっ、アリシアをトールの側室にしたが正妻や他の妻に危害を加えないか心配だ・・・・いやっ、トールなら大丈夫か? トールは昔から女性に好かれているしなぁ・・・大人になれば女の扱いも上手くなるだろうし・・・外の世界で逞しくなるはずだ・・・うんっ、この件は全てトールにまかせよう! 」
・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・父上? それって丸投げじゃないですか?
俺は『遠見』を解除して、旅支度を始める。
ごてごてした貴族服ではなく、動きやすい服を選び着替え、黒いマントを羽織る。
王族や貴族などに見えないように、剣術の訓練で使っていた高価な鎧や剣は置いていく。こんな子供がいい装備してたら怪しいからね。
よしっ! 金貨10枚も持ったし出発するか!!
うんっ! 今は姉上のことは忘れよう!!
そうだよ・・・うん・・・姉上のことはそう3,4年経ってから考えよう・・・。
うん・・・そうしないと女を口説けないし・・・。
姉上のせいで女性に対して恐怖心を抱いたのは事実だけど・・・男に、はしる気は無いっ!!
男とヤルぐらいなら・・・俺は姉上のような女性に囲まれて逆レイプされたほうが何百倍もいい!!
やっぱり、俺は世界中の女性を愛している・・・だが、今のままでは女性をコントロールできずに修羅場になって美人同士で殺し合いが起きる可能性が出てくる・・・どうにかしないと・・・・。
・・・。
・・・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・そうだ・・・外の世界に出るんだから修行しよう!
どんなタイプの女性でも、どんな年齢の女性でも口説けるように修行するんだ!!
うんっ! どんな女性でも口説けるようになれば姉上も俺の思い通りになるし、修羅場が起きなくなる・・・・・はずだ!!
・・・・なるよね・・・??
旅に出る準備をしてから部屋を出て、眼鏡メイドさんと黒髪メイドさんに別れを告げてから城門へ向う。
城門にはすでに不審者ローブを着た3人がいて、俺の姿を見つけて『ここだ』とアピールするように1人が手を振っていた。
うーん・・・乳揺れがまったくないことから弓使いの美女だな。
俺は走って3人のところまで行き合流した。
「じゃあ、行こうか!」
弓使いの美女が元気よく言ったのでそれに元気よく俺は「うんっ!」と返事をした。
ああ・・・城としばらくお別れかぁ・・・。
感傷に浸り、城をもう一度振り返えったら・・・姉上が部屋の窓から俺の方をまっすぐ泣きながら見つめていた。
・・・・『遠見』で見た父上とのやり取りと昨夜の行為で姉上をまともに見れない・・・。
だが、ここで笑顔で手を振らないと帰った時やばそうだ・・・。
だから、出来るだけ笑顔で姉上に手をふる。
「ほぅ・・あの方がお主の姉のアリシア様か・・・うん、美しいな。きっと将来美人になるぞ・・・なぁに、すぐにお前の中の力を使えるようになれば城へ戻れるさ」
巫女さんがそう言って別れを惜しむ姉弟の弟である俺を慰めてくれるけど・・・ごめん。俺はまだ城に戻る気は無い・・・外の世界で修行して女性の心を完全に支配する技術を習得しないといけないからな!!
再び前を向き外の世界へと歩き出す・・・俺はこの旅でこの3人を堕とし、全員を俺無しでは生きれないように変える!!
そして、その他にも立ち寄った国々で美女を堕とし、国へ戻り後宮を・・・ハーレムを作る!!
そう!! ハーレムキングに・・・俺は・・なるっ!!!!
そうなれば、姉上も・・姉上も元のクールな容姿と可愛い臆病なウサギさんというギャップ萌え枠に戻ってくれるはずだ!!
もう、昨夜のようなプレイもきっと・・・きっとなくなるはずだ!!
今回から修行編本格始動!
だけど、美女3人組の出番少ない・・・というか爆乳エルフに関してはセリフもない・・・。
次回・・・次回からですっ! 次回から3人がメインの話になります!!
評価や感想をもらえると嬉しいです!!




